航空保安無線施設の電波的性能
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 DMEのページ   プログラムの概要
 計算例 計算例1  VORカウンターポイズ上のDMEの空中線電力と覆域
計算例2  ターミナルDMEの空中線電力と覆域

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 DMEの基礎知識 (10-14 DME)   地上装置と機上装置の動作原理

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 DMEアンテナ  垂直円筒ダイポールスタック (予定)



○ プログラムの概要

 距離測定装置DMEの空中線電力、空中線地上高と通達距離を計算するプログラムの概要を下記に示します。

ソフト名称 DME FUKUIKI−2004
製作年月 2003年10月
特 徴 規定の受信電力を得られる垂直面覆域図を計算する。
搬送波周波数 任意である。
空中線の方式 バイシリンドリカル・スタック(任意の半径をもつカウンターポイズ付)
偏 波 垂直偏波
空中線地上高 任意
空中線電力 任意(既定値は25W,50W,500W,750W,1KW,1.5KWの6種類)
送信機出力と空中線電力の関係は下表のとおりです。
 送信機出力   空中線電力 
1.5KW 750W
3KW 1.5KW
200W 100W
機上受信機の最小受信感度 -83dBw/u (ICAO ANNEX10)
地球の形状 等価地球半径率が4/3の球面としている。
地面のセグメント分割 大地を乾地、沃地、湿地、海水の4種類でセグメント分割して入力する。
地面の特性番号
 番号   特性   比誘電率   導電率 
乾地 0.001
沃地 10 0.002
湿地 30 0.02
海水 81 4.0
地面反射点の決定法 入射角と反射角が等しくなる地点を算出する。
地面の反射係数 4種類のセグメント上の鏡面反射点での複素反射係数を計算する。
飛行高度の注意点 反射点の標高と飛行高度に注意を要する。
計算入力 周波数、カウンターポイズ地上高、大地セグメントの距離と特性番号
計算出力 空中線電力(W)、高度(×100ft)、通達距離(NM)、反射点(km)、
入射角(度)、反射セグメントの特性番号
開発言語 FORTRAN
OS Windows 95,98,2000,XP

○ 計算例1  VORカウンターポイズ上のDMEの空中線電力と覆域

  沃地上において、周波数1088MHz、VORカウンターポイズ高15m、カウンターポイズ直径30m、DME空中線のカウンターポイズ面からの高さ4mで、空中線電力を750Wとしたときの覆域を下図に示します。
 青色のドット区域は最低受信感度(-83dBw/u)以下の区域で使用不能区域です。
 「航空無線施設整備ハンドブック(技術編)」第3章DMEの2.3.11図に記載されている通達距離曲線は、
 下図の赤線実線に一致しています。
 厳密には、直接波と地面反射波との干渉により下図のようなロービング現象が発生します。従って、
 通達距離は、赤色点線とすることが好ましいと思います。
  ただし、実際の通達距離は、受信機の感度の余裕により、一般に赤色点線よりも広がります。

  横軸は、NM(海里)で、1NM=1852mです。横軸は、0〜250NMの範囲を表示しています。
  縦軸は、ft(フィート)で、1ft=0.3054mです。縦軸は、0〜40000ftの範囲を表示しています。
  高度は、1000ftから40,000ftまでを、1000ft間隔で計算しています。


○ 計算例2  ターミナルDMEの空中線電力と覆域

  沃地上において、周波数1088MHz、DME空中線の地上高5.1mで、空中線電力を100Wとしたときの覆域を下図に示します。
 青色のドット区域は最低受信感度(-83dBw/u)以下の区域で使用不能区域です。
 「航空無線施設整備ハンドブック(技術編)」第3章DMEの2.3.13図に空中線電力100WのTDMEの通達距離曲線が記載されています。高度毎の通達距離は、1000ft-25NM、2300ft-40NM、3900ft-50NM、4900ft-60NM、8500ft-70NMであり、下記の赤色実線より少し狭くなっています。
 厳密には、直接波と地面反射波との干渉により下図のようなロービング現象が発生します。従って、
 通達距離は、赤色点線とすることが好ましいと思います。
  ただし、実際の通達距離は、受信機の感度の余裕により、一般に赤色点線よりも広がります。

  横軸は、NM(海里)で、1NM=1852mです。横軸は、0〜100NMの範囲を表示しています。
  縦軸は、ft(フィート)で、1ft=0.3054mです。縦軸は、0〜10000ftの範囲を表示しています。
  高度は、100ftから10,000ftまでを、100ft間隔で計算しています。