このページでは、雑文を綴ります。

H2:犯罪者のための「防犯対策」?

日本語は情緒的な言語だといいます。論理性は気にしないからです。
典型例は、「負けず嫌い」でしょう。現代語訳すると、「負けないことは嫌い」ですね。すると「勝つのが嫌い」「負けるのが好き」という意味になりそうです。これは、元々「負け嫌い」だったのが、これではパンチに欠けるので、「負けず魂」との合わせ技で生まれたようです。結果として、反対の意味の言葉になったけれど、「通じればいいや」と定着した。

最近増えているのがマスコミによる「対策」の乱用。対策の意味は、何かの対応策を講じることです。本来は、水害対策のように前には、避けることを置くべきです。防犯対策だと、犯罪を企てる人が防犯カメラなどの防犯をかいくぐって犯罪を犯す方法ということになります。
この点を理解しているのでしょう。国交省の高官は、先日の記者会見で安全対策ではなく、キチンと「安全確保」と言っていました。
もっとも、マスコミは言葉のプロです。この不合理を知っているはず。 確信犯なのかもしれません。

H2:これも職業病?

銀行でのことです。ひとしきり話が終わると、行員が 「書類を整えてきます」と言い、去り際に 「こちらでお待ちになりますか、それともあちらで…」と尋ねました。 私は「ここで待ってますよ」と答えました。 後で気づきました。意図は「この応接室から出て欲しい」だったのですね。 別の行員が様子を見に来たので分かりました。
たとえ丁寧な言い回し:「恐れ入りますが、あちらでお待ちください」を使ったとしも、客を追い出すことになります。だから、 とても遠まわしな表現を使ったのでしょう。

もっとも、必要性・緊急性は低いので、敢えて遠まわしに言ったのだ…… と雑談の相手をしてくださった生徒の母親は、そう解説してくれました。

私は、子ども相手の仕事が長いので、世間のことを良く知らないようです。 また仕事柄、字義を重視してきたこともあり、“額面通り”に受け取ってしまいました。だから、隠された意味に気付かなかった。 これは「職業病」かも。

H2:2歳が可愛いのは?

 2歳児を「可愛い盛り」と表現することがあります。これは、人類、ホモ・サピエンスがとってきたの“生存戦略”の一環と考えることができます。
 昔は、赤ちゃんの栄養源はぼ乳だけでした。だから、生まれたては実母による養育としても、2歳ともなれば、母乳は必要でなくなります。
 一方、兄弟の年齢差、つまり妊娠間隔も2歳が多いですね。これは、次の子(赤ちゃん)の世話に専念してもらう。あとは祖父母などの親族・集団に育ててもらう――そういう時期といえます。その共同養育を円滑・活発にするために、動機付けとして「可愛い」という感情が芽生えた。そうすれば、たとえ自分の子でなくても、「かまいたい」「世話をしたい」という意欲が湧いてきますからね。 そういう共同養育ができる集団が生き残った。私は、そう考えます。
 他にも、2歳にまつわる傾向は多いようです。2歳は第1次反抗期になる。これは実親と距離を置くため。また、子が2歳になるころに離婚率が高まるというのは、ペアを解消して他にパートナーを求めて「多様性」を確保するため。これらも同様に生存戦略の一環かもしれません。
(2023年11月27日記)

H2:日本人は「ン」が大好き

 皆さんは、三百をどう発音しますか。「さんびゃく」ですね。しかし他の言語であれば、「さむびゃく」となるはずです。現に、国内でも一部の地域では「さむびゃく」と発音するとか。日本では、原則と例外が逆転しているのです。
 トンボも本来は「トムボ」と発音すべきです。文房具メーカーの英語表記が「Tombo」となっているのは、そのためです。
 「ム」となるのは次に続く「バ行」へ自然に(気持ちよく)繋がるような変化です。これを同化といいます
 「パ行」も同様です。campは、本来「キャムプ」となるはず。
 この現象は比較言語学的にみて稀有なことではないでしょうか。日本人は「ム」より「ン」のほうが好きなのでしょう。
 また、多くの言語は「n」が連続する場合、一つですませます。Madonnna(マドンナ)、tunnel(トンネル)…は本来、「マダナ」「タヌル」と発音すべきなのです。日本人は、「ナ行」が好きだから残しているのでしょう。
 中には、「n」を消すどころか、「反応」「クリーンナップ」と、わざわざ「n」を追加する現象さえ見られます。

(2023年12月9日記)



H2:母親が長男を溺愛するワケ

ある日のこと、生徒の気持ちをほぐそうと、お菓子の話をしました。
「先生はね、ロッテのチョコパイが好きだよ。君は?」と問うと、
「○○のアップルパイだよ」の答え。
私はビックリしました。 ○○は、当地で有名なケーキ屋さん。そこのアップルパイを日常的に食べているというのです。値段もそうですが、買いに行く手間(生徒宅から徒歩圏にありません)を考えると、いかに溺愛されているかを実感した次第。

さて、一般的にお母さん方は、男の子に大きな愛情を注ぎます。溺愛します。特に長男、特に第一子長男……。その理由に関して、最近読んだ学術誌に時代的な背景もあるとする論文がありました。すなわち:
昔の結婚は嫁ぐことであった。男の子を産むことで、肩身の狭い嫁から“跡取りの母親”として婚家での地位を確立することができた。息子は「恩人」なのだ――。
つまり、母親にとって、長男は自己実現を成してくれたヒーロー:「王子様」なのです。だから、溺愛しても当然なのです。

これに対して、何を時代遅れな、という批判もありましょう。
しかし、長年続いた風土・文化は遺伝子情報として蓄積されます。一旦、DNAに刷り込まれ情報は、後の世代の情動・感情を左右しても不思議はありません。

(2024/06/12)







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