話し方クラブ
佐土原那珂公民館 (8月27日)
こういう座席にした。
「受講机の形式」
これまで、受講机座席スタイルは一般の学校式の〈先生対生徒〉であったが、今回からテーブル机の配置を左図のように変更した。これは大阪の「話し方教室」と同じスタイルである。

お互いに生徒同士の顔の表情も見え、なごやかな雰囲気になった。これまでは生徒側からは前列の人の背中を見て講義を受けていたわけだ。当初「座席のカタチ」よりも中身が大事だと思っていた。なんでもないことのようだがカタチも大事なことが実感できた。

柔軟体操の後、発声練習をするつもりがうっかり忘れた。連想ゲームは「□□□と言えば…○○○」というのをした。(例)宮崎県といえば…東国原知事/東国原知事といえば…テレビ/テレビといえば…甲子園/というように「連想」によって〈頭の柔軟体操〉をするわけだ。これは初対面の人からもたらされた一言で〈話題を発展〉させる訓練である。

相手が言った言葉をうまく繋いで展開させる術はセールスマンには必須条件であるが、一般の人にもそれは大事なことだ。

相手が「私の出身は宮崎県です。」といえば「ああそうですか、」と単純に受けてはいけない。「宮崎県といえば今、東国原知事が大人気ですね!」と繋ぐべきだ。そこに会話の進展があり、人間関係が良好にスタートする。
人を判断するときはおおむね第一印象による。
しかしガンコなおじさんと思っていても話してみると気さくな人だったりする。

「私は誤解されやすいタイプで…」という人は会話不足を意味する。まず、こちらから話しかけるようにしよう。
次に「私の第一印象ゲーム」というのをした。自分が他人にどう受けとめられているか関心がありながら、それをきくよい方法がない。そこで、一枚の紙に自分の名前を書き、第一印象について感じたことを順次書いてもらう。

全員一巡したら各人による「第一印象コメント」が揃う。わりと客観的に書いてくれるので大いに参考になる。
誉められることが多いので、男性のなかには「この紙を家に持って帰ろう、」と喜ぶ人もいた。

次は隣席の人と3分間の会話をする。これも一巡する。そして〈会話後の印象〉をまた一枚の紙に書き込んでもらう。たった3分会話しただけでずいぶんと印象が良くなってくる。

隣にいても黙ったままだと良い印象を受けないが、少しでも会話をすると相手の良さがわかり、自分の良さも伝えることができる。
〈会話をする〉ということは人間関係を良くする最強の手段である。

「自己紹介」
まえから示しているパターンに従って実施した。簡単なようだが慣れないと、人の前に出たら《気が動転してまっ白になってしまった》ということはよくある。今後は毎回、自己紹介の練習をする。そのうち完璧に憶えてしまう。
大活躍する料理タイマー
「2分スピーチ」
フリー題による2分スピーチ。各人が所定時間をオーバーした。あらかじめ自宅で練習してきた人も多かったが、それでも「時間」オーバー。題材そのものは良いのだが述語に無駄と思われる部分が随所にある。

もっとそぎ落として「必要なものだけ」で再構成すればスッキリとまとまり、きき易くなる。「話のシェィプアップ」だ。
それと面白い表現をはじめに入れたほうが、きき手の関心を集めるのに有効だ。

スピーチに夢中になると「話すスタイル」に気を配ることを忘れる。今の時点で両方を求めるの酷かもしれないが、なにごとも初めが肝心。講師がちゃんと指摘しなければいけない。
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この「話し方クラブ」は公民館主催の正式な「話し方教室」のプレ講座として、佐土原ビデオクラブの拡大版として4月から月一ではじめた。来月で終了だ。10月からは那珂地区公民館主催として一般募集して開始する。

世話役をしてくれた高山さんに感謝する。私は大阪の上六話し方教室のインストラクターコースを修了したが、実地に教える機会はこれが初めてだった。貴重な体験になった。これを秋からの講習に活かしたいと考えている。

次回(最終回)は9月26日(水)です。定例日の24日が振り替え休日のため。
「各人のスピーチをきいて」感想。

〔総論〕
その話に「タイトル」をつけてみる。それによって「話の主題」がハッキリしてくる。
・所定の時間内に納める努力をする。説明で不要な部分はカットしてみる。それでも話がつながる
 ことが多い。手を所定の組み方にする。


TAさん: 山中で自殺未遂者に出合った話。はじめの時間設定は1分ということだったが、2分を大幅に超えてしまった。目線(アイキャッチ)配りに注意して、聞く人の反応を確認しながら話す必要あり。
KOさん: 「里づくり運動」。一回のスピーチの中になにもかも言おうとしてはいけない。かえって散漫になる。言いたいコトをひとつに絞るとわかり易い。「ご承知のとおり」、というお役人用語は使わないほうがいい。「…すね」という独特の語尾が気になる。

アイコンタクトはいいのだが静止がない。一人に3秒程度の静止の後に隣り人へ目線を移すほうがよい。構成に工夫をして、「皆さん松露というのをご存知ですか?」ときり出したら観客の関心を集めそう。

Sさん: 「見守り隊」の紹介。その紹介から始めるより、「皆さん、先日56歳の不審者に小学生の女の子が背中を刺されるという事件が、私の住んでいる近くでありました。」ときり出したほうが関心を引く。構成を再構成したら良いスピーチになる。人名を出しにくい場合はAさん、と呼ぶ。

FUさん: 長い教壇生活で印象に残ること。A校長に「挨拶を5分でお願いします」と伝えると、そのとおり5分で挨拶をされた。さすがですね…と言ったら「私は家で5分の挨拶を一生懸命練習してくるのだよ、そういう蔭の努力はわからないだろう、」と言った。
エピソードを披露し〈努力の大切さ〉を語るよいスピーチだった。もっと発音を明瞭にするときき易い。今後も教壇シリーズでそのようなスピーチをしてほしい。

SIさん: 1分スピーチ。男性の話をきいていると、様々な体験があるので話が奥深い。私ら主婦にはそういう「題材」が少ない。男性のタイヘンさがわかった。という主旨のスピーチだった。これは正直な感想である。しかし結びが、ただ「わかりました。」ではなく、「亭主のエラさがわかりました。これからは大事にします。」と結べば笑いがとれ、短くてピリッとした良いスピーチになる。主婦でも「子育て」で思うこと、季節の思い出、趣味、など様々なスピーチネタはあるはず。

そういう「ちいさな日常の出来事」の中に良い話材はたくさんある。宮日のお茶の間エッセーや日記を書くつもりでスピーチ材料を見つけてほしい。
INOさん: スピーチを準備してこなかったことは残念です。今後は皆と同じように歩みましょう。
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