スピーチ実例(2分) 「挨拶の本当の大切さ」 作、いとはんA子
会社の中でよくすれ違う“おじさん”がいます。おじさんと言えば失礼ですが、年齢は70歳代位の方です。お互い顔は分るのですが、名前がわかりません。
名前は分りませんが、それでもすれ違う度に挨拶はしていました。
「おはようございます」「お疲れさまです」
それが、先日すれ違った際に私が偶然にも笑顔で挨拶をしたのです。(多分何か嬉しいことでもあったのでしょう)その瞬間、おじさんの顔がぱっと明るくなるのが分りました。真っ暗な部屋の電気がぱっとついたように一瞬で明るくなりました。そのおじさんの顔を見て、何故でしょうか、私は少し嬉しくなりました。
それから更に2,3日して、またおじさんとすれ違いました。その時です。おじさんは、「よっ」と片手を挙げて挨拶してくれました。今までこんなことは初めてでした。おじさんのその挨拶で、今度は本当に嬉しくなりました。心が軽やかになり、肩にずっしり溜まっていた疲れが一気に吹っ飛びました。
名前も知らない者同士でもこうやって挨拶できたことが嬉しかったのです。私は長年サービス業で働いています。「挨拶」が大切であることは分っているつもりでした。ですが、本当に大切なのは挨拶に添えられる笑顔やちょっとした心配りだったのです。
今更ながらではありますが、この経験はとてもよい勉強になりました。
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