話し方クラブ
結婚式の祝辞
スピーチで一番困るのが結婚式(披露宴)の祝辞。たいていの人が一生に一回くらいはその機会があり、指名されると悩んで当日を迎える。事前に練習してもなかなか頭に入らず遂には懐から書いた紙を出して読み上げる。これはどんな名文であってもなぜかウソっぽくきこえてしまう。

反対に「話すことが得意」な人もいる。その人にとっては楽しみな機会でもある。しかし、その話は長大になり、余分なことも含まれているのであまり評判がよくない。知らぬは本人ばかりなり、である。
2分程度であれば早くから練習すれば憶えられる。名文でなくても新郎新婦の顔を見て語りかければとても好感を与える。

下欄にはごく標準的なお祝い文を載せた。短文なので努力すれば憶えられる。試みてほしい。『  』の中は自分で考えたことに入れ替える。前後は見本文章のままで通用する。
友人のスピーチで花婿の「こぼれ話」をして笑いをとろうとする例がよくある。そういう内輪話は二次会でするべきものである。

どうしても言いたければ、さわりを少し言い、「詳しくは二次会で紹介します」、という処理のほうが好感を持たれる。結婚式は若者だけの「集会」ではない。
「話し方教室」では披露宴の祝辞も練習する。


  「新郎の親戚」を代表して


私、ただいまご指名にあずかりました□□□□でございます。新郎側の親戚を代表して一言ご挨拶を申し上げます。
本日は皆様、お忙しい中をまことにありがとうございます。先ほどから新郎新婦に対してありがたいお言葉の数々をいただき、私共も感慨深いものがあります。これからは、二人が助け合って、皆様のお言葉を心に刻み、責任を持って独立独歩でやってもらいたいと思います。

私から、若い二人へ贈る言葉です。それは、この世の中で本当に大事なものは目にみえないものです。空気や風や時間》、これは目にみえませんがとても大事なものです。同じく《愛情、命、心、信頼》、これらも手にとって見ることはできませんが、とても大事にものです。こういう目にみえないものが本当は一番大事なのです。二人の生活の心の基礎となります。これらを大事にして充実した二人の生活を築いてください。』

天気は、いつも晴天無風の時ばかりとはかぎりません。激しい雨の日や、風の強い嵐の日もあるでしょう。そんな時こそ二人絆がためされます。心をひとつにして頑張ってのり越えてください。雨や風にもビクともしない二人の城を築いてください。
どうぞ皆さまにおかれましても、今後いっそうこの新夫婦をご指導いただけますよう、心よりお願い申し上げる次第でございます。本日はまことにありがとうございました。 



「新郎の」父親よりお礼のあいさつ

本日は忙しい中、貴重なお時間をこのようにご列席いただき、まことにありがたく、新郎・新婦ならびに私共も心よりお礼を申し上げます。新郎の父として両家を代表いたしまして、ひと言ごあいさつを申し上げます。

このたびは□□□□様ご夫妻のご媒酌と皆様のご支援のおかげを持ちまして、□□□□、○○両名の結婚式を上げることができました。厚くお礼申し上げます。ふつつかな両名ではございますが、皆様のご厚情、ご指導を賜り、これからの人生に真剣にとり組んでいく覚悟とみえますので、今後とも末長くご鞭撻くださいますようお願い申し上げます。
両家を代表して心よりお礼を申し上げます。皆様、本日はまことにありがとうございました。                          
                        (ここは長く話さないほうがよい)

「新婦側」の来賓として祝辞

ただいまご指名にあずかりました□□でございます。ひと言お祝を述べさせていただきます。さき程から花嫁花婿のお姿を拝見して、こちらまで嬉しさが伝わって参りました。

私は新婦の御家族とは長年おつきあいさせていただいておりまして、新婦の○○さんも幼い頃から存じ上げていますが、美しくしとやかに成長なさりこれはもう最良の奥さんになられることと存じます。
また○○さんの心を射止めた新郎の○○さんは、大変男らしい健やかな青年で、まさしく理想的なご夫婦の誕生でございます。今日の感激を忘れず、お互いの心を尊重し合えば、必ず暖かい家庭を築いていけます。

『たまにはケンカをしても、朝は《おはよう!》と元気な声をかけあう、ケンカは夜のうちに納めてしまい翌日まで持ち越さない、というモットーでいけば必ず明るい家庭が築けます。』

ご両家、ますますのご繁栄を祈念しまして、私の祝辞とさせていただきます。

本日はまことにおめでとうございました。
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