話し方体験記
スピーチ例 (4月12日)

 スピーチ(2分)
             「服装について」      4月12日 ひろりん


まえ、ある職場でこんなことがありました。
先輩が転勤するので、送別会が開かれました。ちょっとした宴会場で夜、職場の皆が集まりました。送られる先輩もふだんは愉快な人ですが、今日ばかりはかしこまって新しいスーツ姿で上座に座っています。

見るとメンバーの中で一人だけタートルネックのセーター姿の後輩のA君がいました。先輩の挨拶が終って飲み方になった時に、私がA君のそばに行って、「今日はセーターかね、」と話しかけると、彼は「ええ、今日はボクは休みの日なもんですから…」と言います。本人はいくら休みの日でも、先輩の送別会の場に、先輩はスーツ姿で出席しているのに、後輩が街歩きするようなセーター姿ではいかにも失礼です。その失礼ということがわからないらしい。

たしかに服装は自分の服装だから何を着てもいいのですが、その場にあわせた、その場にふさわしい服装というものはある。海水浴場に背広で行く人もいないし、職場に水着で来る人もいない。いま流行だから…とか、いま若い人は皆こんな格好をしているから…とか、の理由をつけて、ラフな遊び着みたいな格好で、どんな場にも出てくる人が若い人が時々いますが、それは自分のおかれている状況が読めない人のすることです。

ここはフォーマルな服装の場だな、ここは遊び着の場だな…ということを当然判断しなければなりません。わかない時は主賓に合わせる、ということです。先生がアロハシャツなどのラフな格好をしていれば、自分もラフな格好にする。

先生がネクタイ姿であれば、自分も失礼のないようなちゃんとした格好をする…。
服装というものは、一歩、社会に出たら、こういう「相手に合わせて失礼のないようにする」ということが要求されます。そのあたりに鈍感なA君は、今だに同期の者にくらべて出世が遅れています。マイペースも考えものです。

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