話し方体験記
3月15日 (話材例)

 スピーチ(1分)                            3/15

                      「万一は千一」                      ひろりん

おととい高知空港で全日空の飛行機が胴体着陸しました。さいわい大事にはいたりませんでした。しかし万一の際にそなえて燃料を減らすため約2時間、空港の上空を飛び続けました。この2時間は乗客にとってまさに地獄の一歩手前の心境であったでしょう。原因を調べてみると、前輪を収納している場所のドアのボルト1本がなくドアが開かず前輪が出なかった…。

いくら安全装置を二重三重にしても、万一というのはあります。私、この万一という言葉は問題だと思います。言葉が間違っている。万一というのは、ほとんどない…という意味に使われますが、人間のすることですから不測の事態というのはあり得ます。
「万一」という言葉をやめて「千一」という言葉を使うべきです。「千一」なら、千回に一回くらいはあるぞ、用心しよう!という気持になります。

スピーチ稿(2分)                                         3/15

                       「ユーモア」                     ひろりん

日本人はユーモアがない、と言われますが、いやいや本当はあるんですね。
毎年、第一生命保険が発表している「サラリーマン川柳」。今年で20回目を迎えました。今年は全国から23000句が寄せられました。庶民の生活実感があって面白い句ばかりです。今年の傑作100句の中から紹介します。

・「犬はいい、ガケっぷちでも 助けられ」 ガケっぷちお父さんを助ける人はいない…

・「お年玉、あげると孫は すぐ帰る」   ちゃっかりしています。

・「行き先を 告げず出かける ネコと妻」  わが家もそうなんです。困ります。

・「冥王星、なんだか他人と思えない」   格下げですね。身につまされます。

私が「実感だな、」としみじみ思う句はこれでした。

・「同窓会、行ってみれば敬老会」     話は病気と年金の話がメイン

これまでの20年間の傑作を集めた「サラリーマン川柳 傑作選」という本も出ております。それから紹介します。

・「妻の顔、昔モナリザ、今ムンク」      怖いですね。

・「わが妻も、修行に出したい メイドカフェ」  ご主人様おかえりなさい!

この「サラリーマン川柳」を見るかぎり、日本人は結構面白い国民性であることがわかります。川柳とは「川風にそよぐ柳」と書きますが、実際の生活もこのように「風に柳…」で、余裕で受け流して楽しく生きたいと思います。
 「ポイント」
この二話とも新聞や最近の週刊誌からの記事を素材にしたものです。気をつけなければいけないのは、話題性があるからといって、そのままを紹介したのでは単なる記事の受け売りになってしまう。それは「面白い情報」であり、語り手の主張や素顔がともなわないスピーチになる。

聞き手の心を動かすには「語り手の意見や感想」を入れて構成することが必要です。
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