話し方体験記
スピーチ稿 (3月1日)


スピーチ稿
自ら進んで行動することの重要性                   (3分)
                              
            「王監督のサイン」        ひろりん 
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プロ野球のキャンプが終わってあちこちでオープン戦が行われています。先日、宮崎でキャンプを張っているソフトバンク・ホークスが西武ライオンズと対戦しました。試合の結果は2:1の逆転サヨラナ勝ち、見物のファンも大昂奮、王監督もさい先の良いスタートに大変よろこんでいました。
元ダイエーフォークスのピッチャーで、現在は野球評論家として活動している渡辺正和さんが毎日新聞のスポーツ欄にこのように書いています。

「王監督が産む好環境」 
今年、誰よりもユニフォームを着てグランドに立つことを希望していたのは王監督でしょう。それにしてもホークスのキャンプの観客動員数はすごい、キャンプ入り初の土・日で4万5000人。これだけの人数が集まるのは王監督の人柄のせいです。
私も現役時代、監督から「時間があるかぎりファンサービスをしなさい」と言われました。監督が率先してサインするから選手たちもまねをする。選手たちはサインしながら、どんな人が自分のファンなのか具体的によくわかる。そういうファンの期待にこたえようと練習することでより一層練習にも力が入る。プレーの質も向上する。そういう相乗効果でチーム全体の力がどんどん上がってくるのです。と書いています。

王監督が少年時代、王貞治君の頃です。後楽園球場にあこがれのジャイアンツの試合を見に行きました。試合が終って出てきた選手にサインをせがみましたが、当時の川上監督は見むきもしない。誰もサインしてくれない。そんななかで唯一人与那嶺選手だけが心よくサインしてくれた。王少年はその時の感激を忘れず、もし自分がプロ野球の選手になったら、サイン色紙をさし出したファンには絶対サインをしてやろう!と誓ったそうです。
サイン色紙というのは案外高いものなんです。今でも一枚150円はします。子供にとっては高い買い物です。値段よりも、お目当ての選手からサインをもらえず、まっ白いままのサイン色紙を持って帰るときの気持は寂しいものです。

オープン戦でサヨナラ勝ちして意気の上がる選手たちに監督はこう言いました。「みんな良くやった。ありがとう、最後にラストワンやるか!」
ラストワンというのは、キャンプを張ったこの球場で最後のサイン会を」という意味です。試合の後選手たちは当然疲れていますが、しかし監督のその声にこたえて疲れもみせずサイン会をしました。もちろん監督も一緒にサインの列に加わります。

このファンを大切にする王監督の心配りが、どの球団よりも多くの人を集めた理由です。あれだけの大監督が、みずから進んでサイン会をする…という、そのことがすごい結果になって現われる、というお話しでした。




                面白い話なら3分は持つ。現在はソフトバンク球団会長
                 

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