話し方教室
小戸公民館自主講座 (1)
  2008年1月 平成20年


 小戸公民館「話し方教室」自主講座だより  第1回    
1月11日(金)

  こんにちは!「話し方教室自主講座1回目です。自主講座というのは、これまでの公民館主催講座を発展させたもので、内容がやや違います。大きな違いといえば、ビデオ録画すること、登場する際にテーマ音楽があること、講師のミニ講話があることなどです。
ビデオ撮影して自分の顔を見るのはイヤという人がいるかもしれませんが、そういうことは卒業して下さい。慣れるとなんでもなくなります。

東大情報工学の原島教授は「顔学」という珍しい分野を研究しています。

自分の顔が好きですか?
と問われたら、多くの人が自分の顔は好きではない…と答えます。そこで日本顔学界という人の顔の表情を学問として研究している原島教授はその研究成果を、「顔を良くする13か条…という面白い標語にして発表しました。

その中に
、「良い顔を作る方法…というのがあります。それには二つあります。
@は
良い心を持つことです。心は顔に表れますよ。と述べています。

Aは自分の顔を好きになること
どんな顔であっても自分の顔それを本人が嫌ったらいい顔になるはずがありませんと言っています。なるほどと考えされらせれました。
世界に一人しかいない自分の顔ですからイヤがらずに、「自分の顔を好きになりましょう。持ち主に嫌われる顔ってかわいそうじゃありませんか…。

新宿に「末広亭という寄席があります。ここでは、噺家が「お囃子」に乗って登場します。もしあれが無音だったら〈もりあがりません。テーマ音楽というものは雰囲気の助成のためにとても効果を発揮します。

最近はプロ野球の人気選手やプロボクサーまでが「自分専用の
音楽に乗って登場します。そこで小戸教室でも、それを取り入れて〈自分のテーマ音楽〉に乗って登場したらきっと楽しいでしょう。ご自分の好きな曲を講師にお渡し下さい。MDにコピーして会場で使います。演歌が好きな人は演歌でもかまいません。ただし使用時間は短くて20秒程度です。ない人はこちらが用意した曲で登場します。

さて1回目、1分間自己紹介は新年会の場で」。新年会は、自分のことをよく知っている人が多いので、自分の紹介は簡単にして、新年会ならではの…「今年の抱負・決意」または、前年の反省等を短く語るのがメインという内容です。

会場設定は、〈職場
町内会趣味クラブなど自由です。
 2分間スピーチは「自由」ですが、ない人は、「お正月(Xマス含む)の体験」を語って下さい。これは単なる「報告」にとどまらず、そのことで「自分はこう思った。」まで集約すると、良いスピーチになり、相手に感銘を与える(可能性のある)スピーチになります。
講話は「指導の仕方/他人への注意、誉め方」。デリケートな題材です。

              講習スケジュール 隔週(金) 19:30〜21:30

@、1月11日(金)自己紹介新年会で)2分SP(自由題)〔講話指導の仕方
A、1
月25日(金)自己紹介新年会で)2分SP(自由題)〔講話話の組み立て方
B、2月 8日(金)自己紹介送別会で)2分SP(自由題)〔講話アガリの原因は?
C、2月22日(金)自己紹介転勤挨拶)2分SP(自由題)〔講話コピースピーチ
  
月は館の移転により「お休み」
D、4月 9日(水)自己紹介新任挨拶)2分SP(自由題)〔講話セリフや擬音効果
E、4月16日(水)自己紹介新任挨拶)2分SP(自由題)  〔講話即題練習

                  欠席する場合の連絡は講師へ携帯して下さい。座席表の関係あり

「講座内容を読んで〜興味はあるけど厳しいので私にはついていけないかも…というお便りをくれたK子さんへ〜返信です。」

「話し方」の講習内容は、このようなやりかたです。ややハードな面もありますが…スピーチはスポーツと似ています。「練習」することで上手になります。集まって適当におしゃべりしていたら、そのうちうまくなる、なんてものではありません。それは〈時間の無駄〉に近い。
 アナウンサーが何故しゃべりがウマくなるか?それは「練習(本番)」の場がかぎりなく多いからです。アナウンサーになった当初は誰でも、何もしゃべれないのですよ。本当です。

この理屈でいえば、誰でも訓練すればも人前でしゃべれるのです。ただ一般の人には訓練の場がない。
プライベートなおしゃべりは誰でもできます。「人前で」というのが難関なのです。このためには、実習して度胸をつける…以外に方法はありません。その「訓練の場」ですから、あのようにハードな内容でもあるのですが、これまでの小戸、那珂公民館では「笑い声」が絶えませんでしたから、楽しい面もあるのだと思います。ほとんどの人が自主講座へ進まれています。

今度はテーマ音楽を使いますから、もっと楽しくなると思います。余談ですが、度胸をつけるためには「マインドコントロール」もやります。公民館主催講座では時間がなくてそこまで出来ませんでしたが、自主講座ではやってみます。新興宗教がやるような「潜在意識への語りかけ」です。これが結構きくのです。

この講座は受講生にとってはカルチャーショックのあるような内容ですが、先日の佐土原の忘年会では、女性陣から「手をぬかず厳しく続けてほしい、」という要望がありました。ある人は「他の会場で自己紹介がスラスラ言えた、」と。そうなんです。練習しておくと本番でちゃんと言えるんです。

 「スピーチ例」(1分)
                    「上司のコメント」              いとはんA子

上司が社内で30分ほどのプレゼンを行いました。上司は前の会社で教育指導を担当していましたので人前で話をするのはお手のものです。ですがプレゼンが終ってから「今の説明どうだった?分った?」と私に聞いてきました。

「分りましたよ」と答えながら、60歳の上司をかわいらしく感じました。上司であっても、話し慣れている人であっても、やはり人前で話す時は緊張します。自分の話の出来栄えは心配になるのです。それが人間です。「我も人なり彼も人なり」ちょっと安心した出来事でした。

久しぶりに「いとはんA子」さんから新作が届いた。
職場でのひとコマである。状況は文に描かれているとおり。高齢の上司が社員の前で何かの説明をした。経験のあるベテランの人ではあるが、説明が終ってから、彼女に「今の説明、どうだった?」と尋ねる。少しの不安と確認のためだろう。こういう場面というのは職場の中では時折あることだ。大事件でもない。

しかし彼女はこの「一瞬の心の交流」を鮮やかに捕らえる。短い言葉の中に、上司の人柄と彼女自身の心の動きを描いている。1分という枠内で語る佳作スピーチである。短くても完結している。プレゼンの内容についてくどくど述べなかったのは好判断。 

A子さんは何故、「ちょっと安心した」のだろうか、それは彼女自身《話すことでの苦労体験》という背景があるからだ。しかしその説明は削ぎ落としている。わずかに最後の結びの言葉で覗える。必要簡潔な言葉だけで構成している、いわゆる無駄のない文章である。

すぐれた料理人の包丁さばきに無駄がないのと似ている。スピーチというのは、しゃべる前にモノ(状況や真実)を見とおす目がないといけない。見る目でなく「考える目」である。だから難しく、だから面白い。
言葉が短くなると「省略」の美しさがでてくる。ことがある。短歌や俳句が良い例。多弁は冗長で薄味になることがある。
  「スピーチ例」(1分)
                    「すきやばし次郎に学ぶ」        いとはんA子

ミシュランガイド東京版が発売され、銀座のすし屋「すきやばし次郎」が見事三ツ星レストランに輝きました。世界最高齢の三ツ星シェフとなった店主 小野二郎さん82歳は、こうコメントしました。「なんだか実感が湧きません、これから勉強します、もっと上を目指します」

三ツ星は料理の味だけではなく、店の雰囲気、サービスすべてを兼ね備えていなければ取れないのです。それ程の名誉を得ながら、しかも82歳にしてこれから勉強という。やはりその道で一流を極める人は人間的にも超一流です。人生の大先輩として見習うべき生き方ではないでしょうか。

これもA子さんのスピーチ稿。三ツ星レストラン東京版の最高峰に位置されたレストランの老調理師であり店主が語る言葉。平易な言葉の中に含蓄がある。A子さんはその言葉や生きかたに感動している。説明文のようだが、後半にきちんと自分の心内(こころうち)を語っている。
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