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今回の自主講座から登場テーマを使用することにした。受講生のWさんから「どのように用意すればいいのですか?」質問があった。それとWさんからは、地元新聞の投稿欄に「話し方教室」の体験を書いて送ったら載りました、というお便りも添えてあった。
12月27日の紙面だ。私は年末の多忙のため読んでなかったのであわてて読んだ。面白い文章で要領よく「話し方教室」が紹介されている。本人の了解を得てここに転載した。 |
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「話し方教室」 宮崎市・W子(主婦)
私の出番になった。
胸を張って中央につき、ゆっくりと客席を見て、お辞儀をする−。頭で分かっていても体が伴わない。聞き手を見ながら話す技術が入ると、汗がでる。
「お忙しい中、結婚披露宴においでいただきありがとうございます。まだまだ世間知らずの未熟な二人に…二人に…」
祝辞を言うはずが、忘れてしまった。
私は小戸公民館の「話し方教室」に通っている。講師は元アナウンサーのKさんだ。定年退職後、大阪の話し方教室に通われ、指導資格を取られた。8回の講座で、十数人の受講生がいる。毎週、宿題に沿って私は原稿を練り、声に出して頭に刻む。内容が面白くない・間が悪いと何度もやり直す。
それでも今回は憶えられず、発表は原稿を見て終わった。先生の評価は厳しく、なぜか、向かってはなぎ倒される柔道のけいこ場が目に浮かぶ。
皆、舞台に立つほどの迫力で練習してくるので、「主婦だし、町内会の自己紹介ができればいいんだけど」とは言えない。コース半ばで、大変な所に来てしまったと気付いた。でも、司会者体験もあり、話し方ノウハウ満載の便りも届く。プロ養成学校の道場なんだと自分に言いきかせ、オーディションを受ける気持ちで続けていこう。
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こんにちは!Wさん。
新聞の投稿欄を読みました。感想としては、よく特徴をつかんでまとめているのに感心しました。しゃべるのはたいへん(?)かもしれないけれど文章力はすばらしいじゃないですか!
状況と気持がよくわかります。状況を詳しく説明する人はわりと多いのですが、それと気持をからめたときに「随筆文」は成り立ちます。気持ばかりでは状況がわかりにくい。ほどよくミックスされている文章だと楽しく読めます。
あれを声に出して読むとだいたい1分40秒です。あのとおりしゃべれば素晴らしいスピーチになります。自分で考えて書いた文章なのに、何故か人前ではしゃべれない…不思議ですね。それは「記憶」という頭脳作業があるからです。
これは年齢と共に能力が劣化してきます。一番すぐれているのは「小学生くらいの子供」です。他人が言っていることをそばで聞いて憶えてしまいます。パソコンの習熟もへっちゃらです。しかし大人はそうはいきません。かなり自分にムチ打たないと記憶力が働いてくれない。
しかし一度憶えたことは「潜在意識」になります。そうするとしめたもの…随所で活用応用できます。まさに「自分との闘い」ですね。
スピーチはスポーツで、「教室」は「道場」なのです。〈向かってはなぎ倒される柔道のけいこ場が…〉と書かれているとおりです。
「こんな所なの?こんな苦労をしなきゃいけないの?」と、たいていの人がカルチャーショックに似た思いを抱くと思います。そうなんです。あれほど苦労をしても、たいして上達しないのです。現実の厳しさを身に知らされます。
「よし、そこまで要求されるなら、やってやろうじゃないの!」とハラをくくった人が勝ちです。成果を得ます。自分をスキルアップ(技能向上)させるということはラクではありません。それをやめて家でテレビを見て笑っているほうがラクですが、それでは「自分は変わりません」。
テーマ音楽は、ピンクレディでもひょっこりひょうたん島でもかまいません。あまりのんびりしたアリアなどは向かないです。軽快な曲がいい。レンタル店のTUTAYAでCDを借りてきて、それを自分で聞いて「決めて」ください。決めたら、1月9日(水)の夜7時〜8時の間に小戸公民館の事務所に持ってきて下さい。11日に教室で返却します。
わからないことは携帯電話してください。他の受講生も同様と思いますので「手紙」を出して連絡します。全員がメールを持ち、HPを見てくれればいいのですが、そうでない人が多いので古典的で確実な〈郵便〉で連絡します。
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[那珂地区公民館] 自主講座の皆さんは1月10日と11日(水木)の昼間に(夕方5時までに)那珂公民館の事務所にCDを持ってきて、事務所の職員にあずけて下さい。あとでそれを講師が受け取りに行きます。返却は1回目の講習日(1月17日)になります。
レンタル店などで借りた場合に早く返さなければいけない事情があれば、それを講師に携帯で連絡して下さい。対応します。なにか新らしいことをするのは手間のいることだが、トライするのは面白い。 |
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「本からホンのちょっと学ぶこと」 〈マナーの極意〉
「国際線スチュワーデスの/美人に見せる技術」 柏木理佳、祥伝社黄金文庫¥600
スチュワーデスは、「みんなさわやかな笑顔で、イキイキ楽しそうに仕事してる」って、たいてい思われている。私もスチュワーデスになる前は、そう思っていた。
考えてみて!国際線の場合、揺れる機内で10時間以上も働きっ放し、重いカートを動かして、食事や飲み物を何回も配り、お客様からコールボタンで呼び出しがあれば飛んでいく…いつも笑えるほど楽しいハズがない。新人の頃はコワイ先輩たちに囲まれているから一瞬たりとも気が抜けない。どんなスチュワーデスだって必ずトイレで泣いたことがあるハズ。でも仕事中は、くやしさも悲しさも見せたらいけない。
「お客様に声をかけられたら、まず笑顔で答える!」
「後ろから声をかけられたら、必ず笑顔で振り向く!」
だからどんなときも大マジメに笑顔をつくる練習をした。
「人間、何ごとも訓練」って言われるけど、それは本当。アホと思われても、鏡に向かって練習すれば、どんな状況でも、どんな精神状態でも、笑顔でいられるようになる。これが身につくとスマイル効果のすごさがわかる。
実際、スチュワーデスに対するイメージの「明るさ」は、このスッチースマイルがあればこそ。機内で笑顔でないスチュワーデスなど、見たことないでしょ?
たとえば、結構整った顔だちなのに表情の暗い女性と、決してキレイな顔とはいえないのにいつも笑顔の女性と、どっちが好かれるか。第一印象がいい女性のほとんどは、「笑顔のステキな女性」でしょ。
誰でも幸せにしちゃう威力のある笑顔だけど、単に笑い顔をつくればいいっていうワケじゃない。「スッチースマイル」には、一般の人が考える笑顔とはまったく違う、重大な秘密がある。それは…
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こんなのを「思わず読ませる文章」といいます。巧み。スチュワーデスという名称はいま正式には使わない。キャビン・アテンダント(JAL)などの名称だが、世間一般にはスチュワーデスという名称のほうが通る。この語彙はもともと客船の司厨員をさす。響きのよい言葉なので私個人はこのほうが良いと思っている。この本の標題にも使われ、文中にも随所に出てくる。
話が横道にそれたが、実際にスッチーが書いた本なので説得力がある。「笑顔の威力」という表現が当事者らしくてよい。男性が書けば「笑顔の魅力」と書いてしまうところだ。書店でふと手にとったマナーの本だけど、ここまで巧みに誘導されると、思わず続き文が読みたくなる。
ご心配なく、近日中に「続き」を載せます。続きで「秘密」がバラされる。
お辞儀の〈角度〉とか、悪印象を与えない「断り方」とか、スッチーマナーの極意が披露されている本である。乞うご期待! |
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