<2008年1月>
【ウマイ話には裏がある】 1月23日(水)
「あなたの原稿を本にしませんか?」のキャッチコピーで、共同出版という名の自費出版をさせていた会社が倒産した。
約1000人が原稿を預け、百数十万円のお金を預けて、自分の本が書店に並ぶのを楽しみにしていたそうだ。
その夢ははかなくも破れ、お金も戻ってこない。
何度か経験したからわかるのだが、本1冊分の原稿を書くと言うのは、大変な作業なのだ。
普通のサラリーマンや主婦、ご老人が百数十万円のお金を払うのも、かなりの決心だと思う。
同社の商法を知らなかったとはいえ、気の毒なことだ。
私もよく、本を出したい人たちの相談を受ける。
すべての情報を教えるのだが、安易な「共同出版」の誘惑に揺れる人が多い。
全員にやめるようにアドバイスしてきたから、今頃感謝してくれている人がいるかも(笑)。
金儲けなどの「ウマイ話」や、ネットワークビジネスなどの「持ちかけられる話」には、必ず裏がある。
心の弱さや空白につけこんでくる、新興宗教やスピリチュアル商法なども同じだ。
つい欲や新鮮さに目がくらんでハマってしまわないように、賢明な読者の方々は気をつけてほしい。
私がこの「文武両道」で時事ネタを書くことって、めったにないんだから。
それだけ多くの友人を失ったり、被害にあった人を見てきたということ。
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【帰る】 1月22日(火)
朝珈琲をいれて本を読んでいて、目にとまったフレーズを2つ。
1つは、生まれて生きて死ぬことを、「来て、いろいろ体験して、帰る」と表現していたこと。
そうだな〜、もともといないのが普通の状態で、わざわざ「来た」んだから「帰る」と。
死ぬというと悲しい感じがするが、「帰る」というのはしっくりくる。
もう1つは、他人とうまくいかない状態は、「お互いが違う土俵でひとり相撲をとっているのと同じこと」。
異種格闘技戦でもそうだが、ルールが違うのに同じリングに上げようというのも、また無理がある。
生きている世界が違うのだから、ありえない反応をされても、「そういう表現方法もあるんだな」と思うしかない。
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【忙中閑あり】 1月21日(月)
昨日は産業カウンセラー資格取得の、一次筆記試験。
この1週間はパソコンも開かずに、仕事以外の時間をすべて受験勉強にあてた。
特に先週の3連休は市立図書館にこもり、7年分の過去問と格闘。
300ページ以上もあるテキストをノートにまとめ、集中して暗記。
出来は微妙かな〜、いくつか判断に迷った問題もあったし。
久しぶりに受験生を体験して、さすがにヘトヘト。
生徒たちもセンター受験のために毎日遅くまでがんばってたから、励みになった。
それにしても、ラスト1週間の気合はスゴかった。
短期間でこれだけやれるんなら、去年の夏くらいから計画立ててやっとけって(笑)。
もう生徒たちに、「一夜漬けじゃなくて、日頃からコツコツやりなさい」なんて言えないな。
高校野球なんかでも、いよいよ追い込まれた9回の裏に、大逆転することがある。
なんでその集中力を、試合途中に発揮できないのかと思ってた。
人間って、ギリギリにならないと思い腰が上がらない生き物なのかな。
「忙中閑あり」というが、受験勉強中にふとくつろぐひとときはよかった。
ヒマで何もすることがない時のほうが、意外と焦ってゆとりがなくなるようだ。
「ゆとり」って、活動している人のための言葉なのかもしれない。
最近うれしかったのは、娘の小学校の卒業アルバムを、生徒が妹の友だちに借りて持ってきてくれたこと。
そのやさしい気持ちに感動しながら、成長した娘の写真を初めて見て、思わずウルウルしてしまった。
娘には会わせてもらえないけれど、こんなにいい生徒たちに恵まれて、私は本当に幸せだ。
残業して帰ろうとしていたら、生徒たちが「駐輪場で猫が死んでます!」。
相棒の猫がそばで鳴いていて、近づくと「フーッ!」と怒るのだそうだ。
話を聞いたらかわいそうになって、引き返して行ってみた。
上から落ちてしまったらしく、目を開いたまま血を吐いて死んでいた。
人が集まってきたからか、もう1匹はどこかに行ってしまった。
近くに穴を掘って、まだ温かいままの猫を埋めた。
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【絆】 1月7日(月)
今日の「そのまんま日記」には共感した。
「なんだか泣けてくる 思わず泣けてくる♪」
そんな感じだ。
たぶん、子どもが海外留学に出発したんだろうな。
父親として見送ることもできず、知事という公務の真っ最中。
でも、心はきっと伝わっていることだろう。
今日から本格的に仕事。
職員会議と研修会、明日からの準備など。
休み明け社会復帰へのリハビリ完了。
夜は街で釜揚げうどんのあと、肉巻きおにぎりを歩きながら食べる。
帰るとスパークリングワインで家族と乾杯、すぐ酔う(笑)。
「なんでもないようなことが 幸せだったと思う♪」
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【冬休み最終日】 1月6日(日)
ちょっと早起きして、県庁通りの「いっちゃが宮崎・楠並木朝市」へ。
県内から集まった店のあちこちで暖かい湯気が立ちのぼり、歩行者天国で大にぎわいだった。
おじいちゃんやおばあちゃん、子どもたちも大喜び。
閑散としていた一年前の宮崎で、誰がこんな光景を予想していただろうか?
「タイから来た象が見たい」と母が言うので、そのままフェニックス自然動物園へ。
久しぶりにいろんな珍しい動物を見て、けっこうおもしろかった。
ただボーッとしてるだけのロバに、「生きる目的は何?」と尋ねたくなった(笑)。
これでいいのかもしれないな〜、人間も含めて、ただフツーに生きてるだけで。
ランチは、久しぶりに「天空カフェ ジール」で。
山上からの美しい風景と、マクロビオティックの料理に癒される。
ティータイムは、ジールの近くにある「紅茶の店 Sion」。
ダージリンとスコーンを注文したが、紅茶がこんなに美味しいものとは知らなかった。
ジムでウォーキングしながら見たテレビ「千手観音のすべて」には感動した。
21人とも耳が聞こえないのに、音楽と同じリズムの呼吸を頼りに、一糸乱れぬ美しい演技を見せてくれるのだ。
中国雑技団もそうだが、1つのことに迷いなく打ち込んでいる彼女たちの表情そのものが、観音様のようだった。
「鍛錬」の美しさを目にすると、最近評判のよくない「がんばる」ことも素晴らしいと思えてくる。
番組の最後に、主役の女の子が、離婚で12年間会えなかった父親との再会シーンが流れた。
これは泣けたよ、うらやましかったし、本当によかったと思った。
娘の写真を、12年間肌身離さず持ち続けたところも、オレと同じだ〜(涙)。
でも、涙を流しながらトレッドミルで歩き続けるオジサンって…。
番組の中で出てきた中華料理を見て、お腹が空いてきた。
せっかく脂肪を燃焼したのに、ジムの帰りに中華料理屋に寄る。
マーボー豆腐、鶏肉カシューナッツ炒め、チャーハン。
「旨!」
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【人生を3つの単語で表すとしたら】 1月5日(土)
ちょっと変わった詩集「人生を3つの単語で表すとしたら」に、こんな場面が出てくる。
高校の先生が、本のタイトルと同じ質問を生徒にする。
もちろん正しい答などないのだが、先生は黒板に次のように書いた。
“boy meets girl”
「人生をいちばんシンプルにいえば
男の子と 女の子が
出会う物語 じゃないかな」
いいなあ〜、こういうの大好き。
で、今の私ならどう書くか。
“快眠 快食 快便”(笑)
あながち冗談ではなく、これからは無茶をせず、健康で長生きを心がける。
いつか会いたい娘と、私の大切な人たちのためにも。
この3つを最優先するような、生活の選択をしていこう。
たとえば、やらねばならないことがあっても、睡眠時間を削ってまではしないということ。
まあ、それは超個人的な話で。
もうちょっとカッコつけて言うと、私のライフスタイルの3語はこれだ。
ヘリクツばかり言って、何も行動しないことへの戒め。
“JUST DO IT”(とにかく、やる)
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【択一問題】 1月4日(金)
友人のブログで、次のようなエントリーがあった。
自分は、または読者は、次のどのタイプかというものだ。
(1)自分に甘く、他人にも優しい。
(2)自分に甘く、他人には厳しい。
(3)自分に厳しく、他人にも厳しい。
(4)自分に厳しく、他人には優しい。
あなたはどうですか?
私のコメントは、以下の通り。
+++++
なるほどな〜、4つに分類するとおもしろいですね。
私のタイプは、 (5)自分に甘かったり厳しかったり、他人に優しかったり厳しかったり(笑)。
その時の状況や気分、相手がどちらを望んでいるかによって、ビミョ〜に変わります。
逆に、他人の態度に一貫性がなくても、天気が晴れ・雨・曇りと変わるように、
「まあそんなものか」と流すことにしています。
人間だもの (やすを)
+++++
映画「スウィングガールズ」に、やたらと人のタイプを2つに分けたがる野球部のキャプテンが出てくる。
「人間には2種類いる。行動する者か、行動しない者だ」ってやつ。
「おまえはどっちだ?」なんて言われると、ついどちらかに入らないといけないような錯覚を起こす。
アマノジャクな私なら、「どっちでもありません」って答えるだろうな〜。
「そのときの気分で、行動したりしなかったりします」ってね。
自分軸をぶらさないためにも(ぶらしてもいいんだけど)、この視点はけっこう大切だと思う。
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【また霧島へ】 1月3日(木)
新年恒例の、親戚での食事会。
今年はヒイキのトンカツ屋「益造」で。
その後、妹と母からの頼まれ事で、年末に続いて霧島へと向かう。
まず「夢見が丘」に行って、みっちゃん会長さんに挨拶。
家族でお世話になっている、大恩人である。
大忙しの中でもあの笑顔、あいかわらずオーラがあった。
霧島神宮近辺は、道路凍結こそなかったが、初詣の車で大渋滞。
やっと霧島までたどり着き、母から頼まれていた温泉まんじゅうを探す。
なんと売り切れだったが、明日発送してくれるという親切さがうれしかった。
ホッとして、今回は立ち寄り温泉(露天風呂ありで330円)でゆったりとつかる。
洗う場所がないおじいちゃんに、おじさんが譲ったりして、庶民的でいい感じだった。
「プチ紳士を探せ!運動」、今年も広げていこうと思った。
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【お守り】 1月2日(水)
今日はとても大事な話合いがあって、1時間ほど車をとばした。
結果から書くと、とてもうまくいってひと安心。
こちらは半分ダメモトのつもりだったのだが。
その席に出向く前に、車の中で私の「お守り」をずっと見ていた。
まだ面会できていた頃、1999年3月21日に撮った娘の写真と、裏がそのときに描いてくれた私の似顔絵。
肌身離さず持ち歩いているので、ちょっとよれてきたが。
「ここぞ」というときはいつも、このお守りを見て、胸の内ポケットに入れる。
これからもずっと、そうする。
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【新年の抱負】 1月1日(火)
窓から見えた初日
新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
私が知っている、または知らない読者のみなさんへ。
母の雑煮と妹の手料理で、10年ぶりに家族全員で過ごす元旦。
資格試験の勉強をして、午後からはジムでトレーニング。
私のライフスタイルは、今年も「文武両道」だ。
ジムでウォーキングをしながら、iPodで稲盛和夫さん(京セラ名誉会長)の講演を聞く。
ピンときた話があったので、あとで久しぶりの「コラム」にまとめる。
今年の4月で、44歳になる。
4が重なって、「幸せ(4合わせ)」…。
今年の目標は、こういう寒いプラス思考をやめること(笑)。
新年の抱負は、年末の温泉でくり返し頭に浮かんだ「今、ここ、自分」にしよう。
なんか相田みつをさんみたいだが、うん、これでいい。
だって、それがすべてなんだから。
過去や未来、他人や状況を気にしすぎず、「今、ここ、自分」のあり方に集中する。
「いま ここ じぶん
その合計が じぶんの一生
Here Now Myself
The sum of these parts equals my life.」
まあでもこれは、私のテーマである「心構え」の深いところの話。
もうちょいカジュアルに表現すると、とにかくその場を「楽しむ!」ってことです。