<わたしと仕事、どっちが大事?>

男「ゴメン、今日のデートも、仕事で行けなくなった」
女「また仕事?あなた、私と仕事とどっちが大事なの?」

1 どっちも大事だよ。
2 仕事なんだから、しょうがないだろう。
3 (別の答え方)

*****

つぶやき:

弁護士の谷原誠さんが書いた、「図解 「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか」はおもしろかった。
すぐ人に言いくるめられる人は、ここに書いてあるような「論理的な話し方」を身につけるといい。
今までとはまったく違う展開になるだろう。

意外と盲点だったのが、「立証責任を引き受けない」こと。

A「Bさんは、どうして結婚しないんですか?」
B「じゃあAさんは、なぜ結婚したんですか?」

A「なぜ、つき合う人をころころ変えるの?」
B「好きな人とつき合わない理由を教えて」

A「UFO(幽霊・神)がいないというなら、証明してみせてよ」
B「なぜ私が証明しないといけないの?『いる』と主張するあなたに証明する責任があるんだよ」

A「なぜ人を殺してはいけないの?説明してよ」
B「もし人を殺していいと思っているなら、その理由を具体的に示してごらん」

相手からAのような質問をされて、ウッとつまっている人は、意外に多いのではないか。
本来、理由を説明したり証明をする義務は相手にあるのだから、逆に問い返せばいいわけだ。

立証責任の原則は、次の通り。
(1)その事実(UFOなど)の存在を主張する者が負う。
(2)現状や常識(殺人は悪など)を変える側が負担する。

「意図的な二者択一に乗らない」ことも大切だ。
人は、「どちらかを選ばなければならない」と思い込みがちだから。

A「残業してトップになりたいのか、それとも遊びに行って、リストラされたいのか!」
B「今日の残業とトップの業績は、結びつかないと思います。残業しなかったからといって、リストラされるとも限りません」

A「歌いに行く?それとも、もう少し飲む?」
B「ちょっと待って、まだ次行くって決めてないよ。そろそろ帰るね」

A「人生には成功するかしないか、この2つの生き方しかないんだよ。成功を選ぶなら、このセミナーに参加しよう!」
B「成功って、どういう状態のことですか?生き方は千差万別だと思うんですけど」

私の好きな「たとえ話」も、論理的に切り返すスキはたくさんある。

A「(タバコを注意されて)北風と太陽の話を知ってるだろ?こういうときは厳しく言うより、やさしく言ったほうが効果的だよ」
B「コートを脱ぐ脱がないは、暑いか寒いかの問題でしょう。タバコを吸う吸わないは、気持ちが強いか弱いかの問題なわけ。話をすり替えないで」

A「今のあなたは、反省ザルと同じよ。ポーズだけで、内心はちっとも反省してないでしょう」
B「サルは動物であって、ちゃんと考えられる人間とはまったく別だよ」

こうして見ていくと、私たちは日常生活の中で、詭弁にごまかされていることがまだまだありそうだ。
特に最近は、悪徳商法やアヤシゲ宗教が増えてきているので、ダマされないようにしなければ。
そのためには、この本にある「論理力」が必要だ。

では、「わたしと仕事、どっちが大事?」と問い詰められたら?
その模範解答は、直接この本で確かめてほしい。

(2007/11/12)

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