関節リウマチの病態
関節リウマチでは関節を包んでいる袋(関節包)の内側にある滑膜細胞の増殖と、リンパ球による微小血管の障害が最初にみられ、進行すると骨が破壊されます。発症の原因は明らかではありませんが、遺伝的な因子に加え、ホルモン、ストレス、環境、ウィルス感染などが加わって免疫細胞の異常を来たし、発症すると考えられています。(図−2、図−3)
図-2
図-3
関節リウマチの診断にはアメリカリウマチ学会の診断基準(表−4)が用いられています。このうち4項目以上満たせば関節リウマチと診断します。
ただし、上から4つの関節症状は6週間以上持続することが必要です。リウマチ反応とは免疫グロブリンに対する自己抗体(リウマトイド因子)を検出するものでRAテスト、RF定量法、RAHA(RAPA)などがあります。リウマチ反応は関節リウマチだけでなく他の膠原病でも陽性になり、細菌性心内膜炎、風疹などの感染症や、肝疾患(慢性肝炎など)、 呼吸器疾患(間質性肺炎)でも陽性になることが あります。さらに健常人でも陽性のことがあるので注意が必要です。
多関節の痛みと腫れ、こわばりが長期間続き、リウマチ反応と炎症反応が陽性であれば関節リウマチの可能性が高いといえるでしょう。炎症反応とはCRP、赤沈(血沈)などのことで、炎症(赤く腫れ、痛み、発熱を伴う変化)がおきるとこれらが陽性になります。関節リウマチでは病気の活動性と炎症反応が相関するので、炎症反応が治療の指標となります。関節リウマチと間違えやすい病気には表−5のような疾患が挙げられます。
表-4
表-5
関節リウマチの治療
関節リウマチの治療は病気の進行度にあわせて行います(図−4)。 一番大事なことは基礎療法であり、病気に対する知識と理解を深めたり、病気の進行を抑えるような日常生活上の注意が必要です(表−6)
治療薬には消炎鎮痛剤、副腎皮質ステロイド、抗リウマチ薬(免疫調節薬、免疫抑制薬)、生物学的製剤があります(次頁の表−7)。消炎鎮痛剤は病気の原因療法ではありませんが、痛みや炎症を抑えるのに有効です。ステロイドの全身投与は症状の改善に有効ですが糖尿病、胃潰瘍、感染症、骨粗鬆、肥満などの副作用があるので、長期的には1日10mg以下の少ない投与量が支持されます。抗リウマチ薬は病気の進行を抑える作用がありますが、効果発現までは1−3ヶ月を要します。鎮痛作用はありませんので消炎鎮痛剤やステロイドとの併用が必要ですが、効果が出現すればそれらは減量可能です。高度に障害された関節の治療には外科的な治療が必要になります。
図-4
表-6