治療薬の使い方
専門的治療の必要性
 表−7には関節リウマチの治療薬を示しています。それらの薬剤の作用は図−5のように考えられます。消炎鎮痛剤はいわゆる「痛み止め」で関節リウマチの進行を止める薬ではありませんが、鎮痛の目的で早期より使用されます。消炎鎮痛剤で痛みがコントロールできなければ副腎皮質ステロイドを用います。副腎皮質ステロイド剤も強力な抗炎症、鎮痛作用がありますが病気の進行を抑える作用はありません。これらの薬剤は症状に応じて投与量や投与方法を適宜変える事も重要です。さらに進行性の関節リウマチと診断がついたら中等度の強さの抗リウマチ薬を開始し、その効果が不十分であればより強力な抗リウマチ薬に変更していきます。抗リウマチ薬は抗炎症作用や鎮痛作用はありませんが、病気の進行を抑えたり、骨の破壊を抑制します(図−5,表−8)。
表-7
図-5
表-8
図-6
また最近、炎症を引き起こすサイトカイン(細胞から産生・分泌されて他の細胞に作用する物質)であるTNF-αに結合しその作用を中和する薬剤(生物学的製剤)が使われるようになりました。インフリマキシブとエタネルセプトです(表−8,図−6)。これらの薬剤を注射すると抗リウマチ薬が無効な症例でも症状を著明に改善することがわかってきました。重大な副作用として、まれに重症感染症や他の自己免疫を引き起こす可能性があります。
関節リウマチの治療薬には様々な副作用があり、また薬の特性も多種多様ですので治療法の選択には専門的な知識と経験が必要です。特に最近開発された生物学的製剤の投与には、この薬剤の投与に習熟した内科医の判断が必要です。 関節リウマチの予後を改善するには早期の診断、そして病気の性質を見極めることが重要で、さらに患者さんに様々なアドバイスや啓蒙をして、患者さん自身が病気についてよく知り、治療に前向きになることが大切です。そのため、リウマチ専門医による早期の診断や治療方針の決定、患者さんに対するサポートが必要になってきます。
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