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　バス停大橋３丁目付近。ここから大工町交差点まで、鉄製のポールとチェーンが歩道と車道を区切るように立っている。これは昔橘通３丁目付近まであった。ひとにやさしいまちづくりで歩道の拡張工事が行われ、そのついでに完全撤去されそう。以前から「錆びていて景観を損ねている」という声もあり徐々に撤去されてはいた。いったいこれが何なのか知らない人のほうが多いだろう。
記憶が正しければ、昭和４８年４月に全国植樹祭で小林市に向かう天皇陛下を見送る沿道の歩行者を整理するため、わざわざ作られたものである。当初は真っ白なペンキが塗られていた。その後錆びるたびに塗りなおされ、いつのまにか銀色に塗られるようになり、今はこんな色に成り果てている。
　作者も千草町付近で親といっしょに見送った（子どもだから「観ていた」が正しい）記憶がある。沿道にずらりと警察官が並んでおり圧巻だった。その時に「なんであのじいさんはえらそうにしているの？」と親に聞き、「そんなことを言うと憲兵さんに連れて行かれる」と怒られた記憶がある。ものおじしないガキと、よりによって憲兵と答える親。そのころはまだまだ戦争をリアルに引きずっていたのだなと思う。
　そう言えば2004年４月には西都市で全国植樹祭が行われる。関係者はつつがなく終わらせるよう準備しているだろうが、こんなポールは立てるのだろうか？式典が終わって放置され、錆びて塗りなおして、景観を損なうと言われて撤去して…。

　歴史の証人なのだが扱いはぞんざい。どこかの公園に移して、説明のプレートでも添えて余生をおくらせるなんてことは多分ない。

※2005.05.00ほぼ工事終了してます。一部に鉄製のポールが残ってるのは、このページの影響では「断じて」ないはずです。