ふるさとの言葉
もんとるかなし… (訳)帰っていますか?
   (村の言葉)     (意 味)   (村の言葉)      (意 味)
 あがいな  あのような  わんら  おまえたち(男言葉)
 えんぐりこんぐり  ジクザクに  さらでえ  新しいよ
 ようけ  たくさん  なんしに  いいえ
 うちゃあら  私ら(女言葉)  へっちょ  場所ちがい
 おんら  俺たち  にき  近く
 おっとろしゃ  驚いたなぁ  ばっぽ  粉餅
 あのなあし…  あのね…  とっぽ  嘘
 いびしや  濡れてイヤ  がいな  たいへんな
 あじげな  奇妙な  ひがしやま  甘藷の干菓子
 てんぽ  身軽で向こうみず  わやく  本気でなく
 いぬるで  帰るよ  はばしい  機敏な
 行くぜなし  行きますからね  てがわれる  からかわれる
 おきなせんか?   終わりにしましょう  げさくな…  下品な
 つばえる   冗談であそぶ  いけなぁなし  うつ手がない…


 〔使用の具体例〕
・おっとろしゃ、えんぐりこんぐりのあじげな道ぜ、(意味)びっくりした、ジクザグの変な道だねえ。
・にきまで行かんとわからんぜ、がいなとこやなあし (意味)近くまで行かないとわからないよ、
 大変なところですねえ。
・うちゃあら そがいに げさくなことは よう言わんで  (意味)私はそんなに下品なことはとても
 言えません。

言葉の特徴としては昔の京言葉が残っています。
(例)いぬる→いんぬる(古語)の変形。これはその昔、平家の残党が刺客に追われて四国の辺境にも逃れ住んだといわれます。その名残りか…。
五月の節句には武者のぼりと共に、昔は白い旗をかかげる家と、赤い旗をかかげる家がありました。節句祝いを理由に由緒を示し、陣営の後継者ができた喜びを表すのだとか…、わが家はどっちだったかな、赤い旗の記憶はないので白い旗、すなわち源氏方だったのでしょう…。

そんな歴史ロマンをもうひとつ示すのが、柏のお寺の屋根瓦模様です。丸に十の字が刻まれています。この家紋はなんと九州薩摩の島津家。仏教弾圧で名をはせた大名です。その島津公の家紋がなぜ、柏の法性寺に?
薩摩守島津元久公の長男が幼少より文才に秀で、仏教信仰の道を希望した。このため元久公は仏教の地、四国の城川町の龍澤寺に預けた。
もちろんタダ預けではなく島津家の血筋にふさわしい処遇を約束させて、故に、その寺には薩摩の家紋の使用を許可した…、


この事実と「仏教弾圧」の相関関係は興味あるテーマです。元久公は宗教の強さ(恐ろしさ)を身をもって実感、のちの仏徒弾圧につながったのではないか、と…昔、歴史小説で読んだような気がします。真偽のほどが知りたいもの…。

柏のお寺は龍澤寺の末寺です。故に島津家の家紋入りの瓦を使用しています。瓦ひとつにもドラマがあります。

        (写真は柏の法性寺の屋根瓦→)
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