<「コラム」への質問に答える>

【Tさんのメール(1)】

はじめまして、Tといいます。
小林正観さんの「夢も希望もない人生」「思いを持たない」について??????状態で中元さんのサイトに辿りつきました。

私は成功哲学が好きで、
本田健、望月俊孝、など夢実現系の本の読み、ワクワクすることをイメージして実行に移そうと思いました。
ワクワクすること、楽しいこと、心に宿るものがあるので実現に向けて行動しようとしています。

同時に小林正観さんの本を読んでいます。
「そ・わ・か」の法則など参考になり、トイレ掃除をやるようになり、ありがとうもたくさん言ってます。

中元さんの文武両道のサイトを拝見させていただきました。
コラムの「夢を叶える2つの流派」「二大成功哲学の謎」にもありますが、
まさしく私はこの2つで大いに迷ってしまっています。
ぜひお伺いしたいことがあります。

こうなったら嬉しい、楽しいという思いを実現させようとするのは夢と希望のある人生ではないか?
小林正観さんの講演会行くっていうのも希望だし思いではないか?
英語検定を受けるのも思いがなければ受けられない?
大学受験も思いがなければ受けられない?
お任せ、お任せといっても、思い、選択をする自分がいると思います。

正観さんの言葉にすごくひっかかりますが、無視できないのです。

正観さんは執着しないことを言っているのでしょうか、
こうなったら嬉しい、楽しいという思いを実現させるのはいいのでしょうか?
こうならねば、と思わないということを言っているのでしょうか?

「喜ばれる」ことについて、
子供の頃、親を喜ばすためにいい子を演じてきました。
生徒会活動、優秀な成績・・・
でも自分ではつらかったです。
「喜ばれる」とは、自分が嫌なこと、自分を犠牲にして、他人のためにすることではないのでしょうか。
よく、自己主張せずに、他人に譲る謙虚な態度を心がけて自分が苦しいときがあります。

自分が喜び、他人も喜ぶでいいのでしょうか?
自分が辛い、他人喜ぶは選択しなくていいのでしょうか?

結局、自分が喜び、他人が喜ぶ選択をしていけばいいのでしょうが・・・

中元さんはどうお考えですか?


【中元の返信(1)】

「文武両道」の中元です。
私のつたない文章を読んでいただき、ありがとうございます。

成功哲学がお好きで、ご自分でも実践しようとされているのですね。
成功者や法則についてばかり語って、自分は動かず状況も変わっていない人たちをたくさん見てきたので、好感が持てます。
情報を得るほどに、さまざまな考え方にそれぞれ納得できる部分があり、戸惑ってしまう気持ちもよくわかります。

読んでいただいた「夢を叶える2つの流派」と「二大成功哲学の謎」は、私の基本的な考え方ではあります。
現在は、「運命と立命」にいちばん近いと思います。

Tさんの今のお気持ちは、
「夢実現系」のスタイルでいこうとしても、「思いを持たない系」の考え方がひっかかって無視できない。
そこで、中元の意見も聞いてみたい、ということでよろしいでしょうか?

私の「今の結論」は、
「そのときそのときの自分にしっくりくるほうを選ぶ」です。
自分がより楽になれるほう、と受け取ってもらってもかまいません。

かつて私も、Tさんの言われる「夢実現系」でテンションを上げながら、「思いを持たない系」の話にビックリした時期があります。
しかし間もなく、山の頂上まで登る道はいくつもあるという、単純な事実に気がつきました。
究極の味を楽しむために、洋食や和食、中華とさまざまあるように。

和食だけしか受けつけない人もいるし、私みたいにあれこれ楽しみたい人もいるでしょう。
どちらが正しくて、どちらが間違っているのでしょうか?
うどん好きとラーメン党の、どちらが優れてどちらが劣っているのでしょう?

スピリチュアルっぽい講演CDを聞いていたら、一人の参加者が質問していました。
「先生は今、カルマなんかないとおっしゃいましたが、先日別の先生の勉強会でカルマはあると学んだばかりだったので、混乱しています」

講師の答は、こうです。
「いろいろな主張がありますが、要はどちらの考えで、あなたの気持ちが楽になれるんですか?」
私が通訳すれば、こうなります。
「しょせん人間にはわからないことなんだから、どっちでもいいんじゃないですか?」

Tさんが学ばれた「そ・わ・か」とは、「掃除・笑い・感謝」でしたっけ?
それらに励めば、運が良くなるとかお金が入るとか…。
「笑いが大切」と主張する本人が愛想が悪いとか(笑)、ありがちですが、Tさんは違いますね。

たとえば掃除ブームについて、ある経営者が言い切っていました。
「掃除の効果は十分に認めるが、私は決してやらないだろう。
 なぜなら、それは私のスタイルではないからだ。
 同じ効果を求めるのなら、私は別にやることがある」

今の私は、彼の考え方に近いです。
笑っていても病気になる人はなるし、必死の形相で見返りを求めながら、「ツイてる」「ありがとう」を連呼するのもどうかと思います。
「オレってツイてないんだよな〜」ってニヤニヤ頭をかいている人のほうが、なんか楽しそうじゃないですか。

ちょっと脱線しますが、最近「成功・幸せ・癒し」的なビジネスの様子を見たとき、私の感性がひとりごとを言います。
「スゴイんだけど、なんかヘン(笑)」
不自然なんですよね、ナチュラルでないものは、私はどうも受けつけにくい体質のようです。

Tさんが子どもの頃、親を喜ばすために「いい子」を演じてきたこと。
私もそうだったからわかりますし、子どもなんて大なり小なり、そんなものではないでしょうか。
そしていつか、その殻を破って親を乗り越える時期が来るわけで。

私の「その時」は、祖母が殺人事件で亡くなったあとでした。
狂ったように嘆き悲しむ母に、とても「いい子」では対処できなかった。
それまで自分のことを「僕」と読んでいたのが、「俺」に変わった瞬間でした。

Tさんは、「いい子を演じるのがつらかった」と言われています。
「つらい」というのは、「それ、まちがってるよ」というメッセージかもしれません。
やり方を変えていろいろ試してみて、うまくいったことを重ねていけばいいと思います。

> 自分が喜び、他人も喜ぶでいいのでしょうか?
> 自分が辛い、他人喜ぶは選択しなくていいのでしょうか?

自分も他人も喜んだと思っていたら、実は他人は社交辞令でそうしていた。
自分がガマンして他人は喜んだと思ったら、実は他人はそうでもなかった。
こんな思い込みも多いものですが、他人が喜ぼうが喜ぶまいが、その人の自由ですよね。
こちらも自由でいいんじゃないでしょうか。

結局、自分の気持ちがハッピーな状態であれば、周りも少しずつそうなってくるような気がします。
その意味で、最近石井裕之さんのブログにあった「必要なものは与えられない」は傑作でした。
普通「必要なものは与えられる」ですよね(笑)、こういうのもいい刺激になって好きです。

Tさんの問題提起のおかげで、私も自分の考えが変化(願わくば進化)していることに気づくことができました。
ついおもしろくて長々と書いてしまいましたが、もし期待を裏切るような内容であればごめんなさい。
今回メールをいただいたことで、私の気持ちが化学反応を起こして言葉になったのが、この返事です。

Tさんと周りの方々の、成功と幸せをお祈りします。
今回はおつき合いいただき、ありがとうございました。

追伸:このやりとりを、他の方々のために、プライバシーを守る範囲で「文武両道」に掲載してもよろしいですか?

【Tさんのメール(2)】

私の質問に答えてくださってありがとうございます。

> Tさんの今のお気持ちは、
> 「夢実現系」のスタイルでいこうとしても、「思いを持たない系」の考え方がひっかかって無視できない。
> そこで、中元の意見も聞いてみたい、ということでよろしいでしょうか?

まさしくその通りでした。

> 私の「今の結論」は、
> 「そのときそのときの自分にしっくりくるほうを選ぶ」です。
> 自分がより楽になれるほう、と受け取ってもらってもかまいません。

自分がより楽になれるほう、ですか?
自分は、本田健、望月俊孝さんがいうような楽しい、ワクワクすること(夢や希望)があります。
心に宿っている感じがします。

また正観さんの言われることを、最近こう解釈しています。津留晃一さんの影響を受けたのもありますが、
執着しない、こうならねばならない、うまくいってない、と判断せずに、結果はお任せ。

こうなったらいいな、と思いつつ全力でやってみる。
それがどんな結果であっても、それがベストなんだということ。
「人事を尽くして天命を待つ」のような考え方。

今を生きるとは、
結果に対してあれこれ思案せずに、今やれることを精一杯しようってことかな。と

信長が今川義元に攻め込まれたとき、
結果をあれこれ考えず、今できることをやった。のようなことかな。と

> 笑っていても病気になる人はなるし、必死の形相で見返りを求めながら、「ツイてる」「ありがとう」を連呼するのもどうかと思います。
> 「オレってツイてないんだよな〜」ってニヤニヤ頭をかいている人のほうが、なんか楽しそうじゃないですか。

ぎくっときました。
「掃除・笑い・感謝」やりたかったらやればいい、やれなくてもいい、どっちでもいい、くらいでやってみます。

> Tさんが子どもの頃、親を喜ばすために「いい子」を演じてきたこと。
> 私もそうだったからわかりますし、子どもなんて大なり小なり、そんなものではないでしょうか。
> そしていつか、その殻を破って親を乗り越える時期が来るわけで。

まさしく、子供は大なり小なり、「いい子」を演じているのですね。
はっとしました。気づきました。
自分だけではなく、多かれ少なかれ誰しもあることに気付きました。

> こんな思い込みも多いものですが、他人が喜ぼうが喜ぶまいが、その人の自由ですよね。
> こちらも自由でいいんじゃないでしょうか。

確かにそうですね

> 結局、自分の気持ちがハッピーな状態であれば、周りも少しずつそうなってくるような気がします。
> その意味で、最近石井裕之さんが書いた「必要なものは与えられない」は傑作でした。
> 普通「必要なものは与えられる」ですよね(笑)、こういうのもいい刺激になって好きです。

パラドックスなんですね、
私は金融業をしていますが、
「晴れた日に傘を貸して、雨の日には傘を貸さない」
なんて言われます。

> 追伸:このやりとりを、他の方々のために、プライバシーを守る範囲で「文武両道」に掲載してもよろしいですか?

構いません。

私のまわりに「二大成功法則」について、話をできる人があまりいませんでした。
中元さんに巡り会えてよかったです。

自分の感情の赴くやり方でやってみたいと思います。
山の頂上まで登る道はたくさんあるのですね。

その行き方があって、どの道で行くべきか迷っていたのでしょうか?
この道でいってみようか?と思う道で、自分が楽しくワクワクすることをやってみます。

ありがとうございました。


【中元の返信(2)】

わざわざお礼のメールまでいただいて、嬉しく思っています。
そうですね、なかなかこの話題をサラリと語り合える機会は少ないですね。
成功者の追っかけや、セミナーを渡り歩く人たちは、どうも熱くなりすぎる傾向がありますし。

TさんにはTさんにいちばん合う、山の登り方があると思うのです。
本田健さんや望月敏孝さんのスタイルが好みなら、それらを自分流にアレンジしてはいかがでしょう。
「ワクワクすること」がすでにあるということですから、行動から実現までが楽しみですね。

望月さんとは、「プチ紳士を探せ!運動」の志賀内泰弘さんのご紹介で、何度かメールのやりとりをさせていただいています。
ご存じのように、本も何冊か出されている有名な方ですが、実に気さくで親切ないい方です。
「億万長者をめざすのは、お金そのものよりも、それにふさわしい自分になるため」と聞きますが、いえてるかもしれませんね。

掲載のご了承、ありがとうございます。
では、お互いに楽しみながらがんばっていきましょう!(^_^)

(2008/3/18)

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