COPDの診断
COPDの診断は、スパイロメーター(図-8)という器械を使った簡単な呼吸機能検査(スパイロ検査)によって行います。スパイロ検査は、肺活量と、息を吐くときの空気の通りやすさを調べる検査です。
スパイロ検査で「努力肺活量(FVC:思い切り息を吸ってから強く吐き出したときの息の量)」と「1秒量(FEV1.0:最初の1秒間で吐き出せる息の量)」を測定し、FEV1.0値をFVC値で割った「1秒率(FEV1.0%)」の値が70%未満の場合、COPDの可能性があります。症状や喫煙の状況、生活環境、これまでかかった病気などを問診によってチェックし、必要に応じてほかの検査を行ったうえで、COPDの診断が行われます。(図-9)
図-8
・・・努力肺活量の70%未満だとCOPD
図-9
COPDの治療
薬物治療の目的
禁煙の重要性
COPDの治療の基本は禁煙です。禁煙によってCOPDは改善しませんが、1秒率(FEV1.0%)の低下率は非喫煙者と同等に戻ります。薬物治療では気管支拡張剤を用います。日本呼吸器学会のガイドラインでは、軽症例では、必要時に短時間作用型の気管支拡張薬の使用、中等症以上では定期的使用、つまり維持療法として長時間作用型気管支拡張剤が推奨されています。重症例では吸入ステロイドを用いたり、さらに重症になると酸素吸入が必要になります。しかしこれら薬物治療によっても喫煙による肺機能の低下は防げません。
禁煙による症状緩和 
図-10
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COPD患者の呼吸機能の経年的減少率は、禁煙2年以内に非喫煙者の減少率とほぼ同じになります。軽く考えて喫煙を続けていると呼吸機能は確実に悪化します。(図-11)

タバコに対する依存性の強い人は、ニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン代替療法を使って、確実に禁煙することが必要です。また喫煙はCOPDだけでなく肺癌、虚血性心疾患や、くも膜下出血などで死亡する危険性を増やします。さらに喫煙者本人だけでなく、幼児の喘息様気管支炎や妻の肺癌発症を増やすなど受動喫煙による健康被害ももたらします。 (図-12)
図-11
図-12
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COPDの薬物治療は、息切れなどの苦しい症状の軽減を目的に行います。
薬物治療はCOPDの進行を止めたり根本的に治療するものではありませんが、症状を軽減することによってこの悪循環を断ち切り、進行を遅らせることが期待できます。
(図-10)