にちじょうKW3

ヴィヴィオカタログスペック-SUBARU-MCN

 車幅灯をLEDに

LED材料  車の燃費を左右する一つに、電気がある。エンジンに安定して電気を送りこめれば、火花が安定、燃焼がきれいになり燃料を効率良く使える。プラグやコードを換えたり、アーシングを施すのもこの電気にかかわること。一番電気を消費し燃費に悪いのは、夜にエアコンかけて、オーディオ鳴らして、ワイパーフル稼働。オーディオとエアコンはスイッチを切って我慢できるとしても、ランプ類は切れない(そもそも切ったら暗闇の中走れない)。そのランプの消費電力を押さえられるとしたらかなりの強みになる。夜間走行中に常時点灯している車幅灯、尾灯、ナンバープレート灯がキモとなろう。
能書きはともかく、雑誌で自作LEDの特集が組まれていたので影響されて作ってみることにした。手始めに車幅灯を作ってみる。尾灯は制動時の処理、たくさんのLEDを点灯させることなど考えることがある。車幅灯は常時点灯というだけで簡単。組み込みもドライバーでケースを開けるだけなので悩み所は少ない。材料は通販で買った。KW3の車幅灯はウエッジ球と言われるもので、5wの球。この規格は「T10」のソケットが必要となる。プラ板等に配線巻きつけて自作も可能だが簡単に済ますためソケットを買った。LED本体はFluxLEDというもので、LEDにレンズがついている。LEDと言えば砲弾型のほうがイメージが強いが、今はこのような型もあるのだな。ガラスエポキシ製のユニバーサル基板、丈夫でそこそこ熱に強い。切断には糸ノコと万力がいるので、加工はめんどくさい。定電流ダイオード。抵抗を使えば安く上がるが、今回は1本で15mA通すものを購入した。

FluxLED MT製FluxLED。(型番MT-PS03060WC)[3.6V/30mA、2.7〜3.9 lm/30mA、青っぽい色調、指向特性60度] 比較のためボールペンの先端を横に置いて撮影した。色調は私の目には青紫っぽい#窒セった。こんなに小さいが、定格の電流を流すと一瞬目がくらむくらい明るい。LEDは電球と違い光の指向性が強く、拡散しない。そのため車につけるランプ類を作るには数にものを言わせて複数のLEDを光らせる必要がある。ここで一つ悩んだ。ではいったい何個光らせれば必要十分な光が得られるのだろう。車検も通したい。車検では車幅灯は300カンデラ以下、白または淡黄色となっている。…。ルーメンとカンデラでは計算方法が違うので比較できない。結局目視か。ホームセンターで見たら、市販のLED車幅灯は砲弾型が3〜4個のようだ。T10のソケットに無理に詰めてもそれが限界。過度に強くする気もなく、車幅灯の役割さえ果たせばいいだろう。今回は4個にした。砲弾型3つよりましなはず。
LEDは電球と違い極性がある。アノードとカソードという。(真空管にそんな言葉があったな…)間違えてつなぐとLEDが壊れる。アノードを(+)、カソードを(−)につなげればよい。砲弾型では足の長さで区別するが、FluXLEDではレンズの切り欠きを見て判断する。切り欠きのあるほうがカソードで(−)をつなぐ。

定電流ダイオード並列ハンダ付  石塚電子製定電流ダイオード(型番E-153)[12〜18mA、MAX 300mW、MAX 25V](略称:CRD)ダイオードといえば一定方向にしか電流を流さない整流≠ノ使われるものだが、これは電圧に関わらず(この部品の場合MAX 25Vまで)一定の電流を通す。車はエンジンを回しているときとアイドリング時、またオーディオなどの電気を使っている時など常に電圧が変動している。変動によって明るさが脈動するのは格好悪い。LEDの定格が30mAなので、2つのCRDを並列にハンダ付したものを作る。卓上用の小さな万力にはさんでハンダ付した。慣れないときれいにできない。なおこいつも極性がある。青いベルト模様のあるほうを(−)につなぐ。小さい模様で反対側には同じ色でなにか文字が刻印してあって、視力の落ちてきた作者にとっては判別にややつらいものがあった。左右いるので同じものを2個製作する。これをLEDの(+)側の終端につけるのか、(−)側の終端につけるのか迷って訳もわからず(+)側にした。後で調べたらどっちでもいいようだ。

LED仮置き LEDを基板に挿して仮置きしてみる。間隔をいろいろと変えてみたが最後には詰めた形にした。車幅灯のスペースにはもう少し余裕があるのだが、コンパクトにしてみる。仮置きした後LEDをはずし、基板にマジックで線を入れ糸ノコで切断する。最初カッターでもいけるのではないかと試してみたが、そんな甘いものではなかった。基板自体が小さなもの(70mm×45mm)なので、万力が必要。実はこの時点でCRDをはめる場所を確保せずに作っている。もちろん基板にはめることも考えた。しかしそれだと、発光部に比べ基板が間延びしてしまうので、立体的な取り付けを行うことにした。それが最適がどうかなどわからない。作者の好み。
こんな簡単な配置に至るまで数日悩みまくっている。基板など使わずにソケットに無理やりグルーガンで接着してしまおうとか、LED5個を立体的なジャングルジムのようにハンダ付してしまうとか、車幅灯のケースに接着剤で止めて、リード線でつないでしまうとか…。強度やCRDの配置とか、工作のしやすさ、失敗したときに元に戻せるかなど相当悩んだ。この配置に落ち着いたのは、正面に4個のLEDを見ることができ、光の強さを確保できそうであること、基板上にハンダ付することでLEDをしっかり固定できること、ソケットを使うことで最悪車検に通らないときに交換がすぐにできることが理由。

T10ソケットにコード ハンダ付の前にT10ソケットにダブルコードを通す。CRDの余ったリード線を利用しようとしていたがどうも足りないので、余っていたダブルコードを使うことにする。ダブルコードとは単に赤色のコードと黒色のコードがくっついているもので、配線時に(+)(−)が判別しやすく取りまわししやすいもの。皮膜をむいてネジってからソケットに押しこむ。この後出した線を互い違いに折り曲げて接点とする。ダブルコードを採用したのは、LEDに極性があり反対につないでしまうと点灯しないことから。色で判別できる。

ハンダブリッジ 糸ノコで切断した基板とLEDの足をハンダ付。隣り合うLEDの足はハンダブリッジでつなぐ。お世辞にもきれいなハンダ付ではないが、導通はした。余計なところまでハンダが流れないよう気を使った。疲れた。くれぐれもLEDの極性を間違えてはいけない。導通検査は14Vのバッテリーなど手元にないので、どこにでも売っている9V(006P)の乾電池で行った。多少暗くはあったがLEDが点灯してホッとする。この時点でCRDは付けていないので、極性を間違えるとLEDが壊れる。

完成品  プラス側の端子にCRDをハンダ付する。スペースの問題があって斜めにした。そして、そのCRDにT10ソケットから出した赤い線をハンダ付、黒いほうをマイナス端子にハンダ付する。文字で書くと非常に簡単であるが、作者は何度か軽いやけどを負った。コンパクトにまとめようと作業性を犠牲にしたため。今から考えてもこんなイライラする作業よくやったなと思う。お前が下手なだけだろと言ってもらってもかまわない。とにかく面倒な作業だった。T10ソケットと基板はホットボンド=iグルーガン)を使用して接着した。これがまた慣れないと使えない。プラのスティックを熱で溶かして接着したり形成したりするものなのだが、硬化が早く溶けているときもゆっくりとたれる≠フで、なかなか扱いに苦労する。うまく接着できればそこそこの強度が稼げる。これで一応の完成なのだが、左右必要なのでもう1個作る必要がある。手順がわかっているとはいえ、自分としては根気がいった。

比較点灯昼間 比較点灯夜間  できあがった車幅灯の取付は簡単。プラスドライバーでケースをあけて、装着するだけ。ただ、極性があるのでチェックが必要。私の車は上方向がプラスで、下方向がマイナスだった。ほかの車がどうだかは知らない。比較のために運転席側にLED、反対側に従来のランプを装着して点灯させてみた。分かり辛いが、LEDのほうは集中した刺す≠謔、な光、従来のランプは光の分散が圧倒的に強い。夜間の撮影では、従来のランプのほうが強く見えるが、質が違うといったところ。ちょうど小雨で濡れている路面のほうを見ると光の広がり方の違いが分かると思う。従来のランプは橙色だが、LEDのほうは明るい黄色になっている。また、撮影はしてないが従来のランプの場合エンジン回転数が下がるに伴いその照度も少し落ちる、LEDではそれがない。LED4個とケチったのでインパクトは弱いが、分かる人には分かる、渋い違い。
2006.09追記。車検も通った。よしよし。

2006.06



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