ふるさとの風景
−秋祭り・四ッ太鼓−
南郡の秋祭りは11月3日です。
秋風の吹く中を祝い歌を唄いながら練り歩く四ツ太鼓を「よいわせ」と呼びます。村の氏子「梶屋敷組、日ノ平組、北原組、脇田組」が、四ツ太鼓、牛鬼、唐獅子、五ツ鹿踊りなどの練り物を出し、神輿を先頭に各戸を練り歩きます。 
この「よいわせ」は、地域の幼い男の子たちを乗せて太鼓をにぎやかに打たせながら各戸を廻ります。担ぎ手の不足などで今は梶屋敷組だけが登場しています。

村史によると明治34年に 「和霊神社」から神輿を供与されたとあります。古老の話では、大正時代は二階建ての「山車」も登場 し、それに髪結を乗せて若衆が浜まで曳いた盛況であったと…。娯楽の少なかった当時の最大の豊作祈願イベントでありました。
私の子供の頃の写真を見ると、婦人たちは着飾って浜辺で写っており、記憶では、そこで車座になって弁当を食べたような…。
 

変貌する「ふるさとの風景」の中で、祭りだけは伝統の形を残す貴重な心の文化財といえます。都会で暮らしている人も、11月3日は、ふと田舎の祭りの情景を思い浮かべる人が多い。  
                                   (撮影は平成5年11月)
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