熊野古道の旅
「熊野古道の旅」続編です。
民宿「月の家」のご主人から「本宮」に参拝するときの拍手(カシワ手)の正しい方法とやらを教えていただきました。いささかオーバーアクションでちょっと疑問の気もしましたが、土地の人が言うことですから素直にききました。翌朝の出発時にわさわざご主人が顔を出され、再度指導されました。(写真)
いよいよ今日は長丁場の徒歩コースです。中辺路ルートの山道は春風景で、緑の中に桃や桜の花が咲いていました。同窓生で山道を歩くのは「学校の遠足」以来です。「やけの」へ遠足に行ったことや、新田(しんでん)の浜に行ったこと、「ひなあらし」といって春の海辺へご馳走を持って家族で行ったこと、お釈迦さまの「花祭り」で甘茶をもらいにお寺へ行ったこと、中学時代、植物採集で私らのグループが観音岳から行方不明になって消防団が大騒ぎで捜索したことなど、ふるさとでの思い出をおしゃべりしながら歩きました。
あいかわらず速足の文ちゃんは先頭です。途中で山菜を取ったりしながら頑張って歩きました。途中の区間はバスに乗りました。

発心門王子で宮下さんと合流し、また歩いて熊野本宮大社へ向かいました。これが人家近くの野山を歩くのですが結構しんどいコースでした。畑の土手にはツクシがはえていました。伏拝王子という変わった名称の所がありました。これは本宮が近くなった感激で当時、伏して拝んだところからそのようにつけられたそうです。茶屋があったので休憩してコーヒーを飲みました。おしゃべり好きのおじさんがいて俳句の記帳をすすめられました。折りしも小雨がパラパラと降ってきたので、
「春の雨 花びら散らす 伏拝の里」 と書きました。
あとひと頑張りです。
森を抜けると突然のように本宮の裏手に出ました。ここはあの大げさな拍手(カシワデ)を打つところです。せっかく教えられたことでもあるので皆で頑張って派手に手を打ちました。
本宮は地味ながら歴史を感じさせる社(やしろ)で、丁度「本宮祭」が行なわれていました。夕方になったので長居をせずに宿に向かいました。

「木ノ国ホテル」は熊野川支流の大塔川ぞいにあり、夜は河鹿(かじか)の鳴き声がきこえ川原では温泉が湧くという風雅なホテルでした。川湯は混浴もできるそうですが、混浴のときはユカタのまま入らなければならない規則でした。夕食は山海の珍味でした。食卓のお手伝いをしてくれた女性が同級生の山本トミエさんにそっくりで、それが話題になりました。
食事をしながら皆で話し合い、来年は5月第3土日に尾瀬を訪れることを決めました。
翌日は熊野川を川舟で下り、旅の終着、熊野速玉大社(新宮市)まで行きます。
ややオーバーな気もするが… 爆笑が熊野の空にこだます
春の熊野古道。緋桃の花が咲いていた。
桜の下で文ちゃん 桜の下で中島さん
桜の下で小林さん かっちゃん
中島さん 桜の下で藤本さん
世界遺産を示す石碑 伏拝王子にて
三人娘 熊野本宮
夕食はこんなご馳走でした。 「お疲れさま〜!」木の国ホテルで
ホテルそばの川原(温泉がある) 朝食の席です。
熊野川を川舟で下る…
熊野は山青く水清き聖地なり
速玉大社へ到着した一行 熊野速玉大社(新宮市)
私たちの熊野古道の旅は、熊野川を舟で下り新宮市の速玉大社が終着地です。川舟は船頭さん以外に案内の語り部みたいなおじさんが同行して、熊野のいわれを語ってくれました。よくわかりました。比丘尼転がし、という難所がありました。これは熊野のお札(ふだ)を各地に売りさばいてそのお金を納めに熊野本宮をめざした尼が、熊野川の難所で転落して亡くなった場所とか、山の神は田植え時期には平地に降りてきて「田の神」になる…とか興味深い話がありました。熊野川というのは川幅が広い大きな川です。岸辺の柳や周囲の山々の緑を見ながらのんびり下りました。

到着地は川口に近いところです。速玉大社は川のそばにありました。景行天皇が創建したと伝えられるこの神社は伊邪那岐ノ神を祭り、全国熊野神社の総本山です。社殿が新しいのは明治16年に火災に遭い再建したためです。
今回私たちは霊験あらたかな熊野本宮大社や速玉大社を参拝したので、今後かならずや無病息災、女性はより美しく、男性はより壮健になるご利益があるに違いありません。

速玉大社からしばらく街路を歩くとJR新宮駅でした。プラットフォームにいたら、ある婦人がとても愛想がいいので訳をきいてみたら、(私が)親戚の人にそっくりだ…と言い、あれこれおしゃべりをしました。熊野古道は風景も人も素朴で心やすらぐ旅でした。還暦を過ぎた柏中学の同窓生の旅、気持はホントに中学生気分にかえりました。無事に旅を完了できたのは熊野の神々のご加護があったためと信じながら《もと女子中学生と行く熊野古道の旅》報告を終ります。
最後に、旅の計画や現地で二泊三日先導役をしてくれた藤本さんには全員が感謝です。
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