おままごと
こだまちゃんの声がします。「きゃっきゃ」大きな笑い声も聞こえます。
「ひいばあちゃーん どうぞ〜」「これもどーぞ〜」
「ひいじいちゃーん どうぞ〜」「これもどうぞ〜」
庭で植木の手入れをしていたお向かいさんは「なになに??」と、こだまちゃんのお家がきになりました。
声は日当たりの良いデッキから聞こえてきます。デッキには色とりどりのおさらが並んで、葉っぱやお花が
のっていました。そうして、にこにこして嬉しそうなおばあちゃんとおじいちゃんが並んで座っていました。
「おいしい〜?」「う〜ん おいしいわ〜」 「ね〜 おいしい?」「う〜ん おいしいよう〜」
あ〜そうか〜、こだまちゃんには大好きなお客様が来ていたのです。 丁度おもてなしの最中でした。
お皿や茶わんに盛られたご馳走はお庭の草花たちで、こだまちゃんは精一杯おもてなしをしているようです。
のぞき込んだお向かいさんは、仲のいい3人組に見とれていました。 そして、おなじようににこにこ顔になりました。
それから、思い出したように走って家に帰り、すぐに出てきました。 ビニールの袋に何かを入れて、デッキにやってきました。「おーこだまちゃん 楽しそうだね〜 おじちゃんも入れてくれないかな〜」「うん! いいよう〜」
そういって小さなお茶碗にいっぱいの葉っぱをのせて「おじちゃん どうぞ〜」「おーアリガト アリガト」おむかいさんは目を細めながら、アイスクリームの入ったビニール袋をこだまちゃんに持たせました。
「お礼にこれをあげようね」そういってバイバイをしながら又お庭へ帰っていきました。