Page17    心模様      2006年7月31日 峰響子

 

すぐ横に遠くを見つめて座る人 視線の先は御岳の峰

 

仲間8人で 鹿児島県の高隈山縦走をしました 

次々に頂を越えて 足は棒に 身体は汗まみれ 

岩に腰掛け 遠くを見る人に言葉はありません

御岳を見つめる横顔が 「どきっ」とするほど美しく 心に残りました 

 

日は高く抜けるような蒼い空 汗にまみれて草原を泳ぐ 

 

真っ青な空 白い雲が浮かんで 日差しは強く 草は深く

なにも言うことはありません

黙々と峰から峰へ 草原の海を泳いで行きました  

 

梅雨明けて焼けた道路に立ち上る 熱き魂の行く先はどこ?

 

やっと梅雨が明けました

とたんに道路が焼けて 下から熱気が立ち上っています

抑圧された情熱が じわじわと満ちてくるようです

空気の膨満感は 熱き魂が溢れているからに違い有りません

その魂は今からどこへ向かうのでしょうか?

 

夏草の木立を分けて焦がるるを 知るや知らずや彼方の山よ

 

夏草の茂る中 目指す山は遠い

燃え立つ草いきれを思いっきり吸い込み かき分けかき分け前に進むと

ずっと向こうに 憧れの山が見える

一心不乱に その山を目指す者を あの山は知っているのだろうか?

 

ほつれ毛が頬に涙で貼り付いて どんな夢を見ていることやら

 

生きていることは夢また夢・・・そんな気になる時がある

眠っている幼子を見ている私もまた 一瞬の夢のような存在か・・

頬に涙の乾いたあとが残り 細い髪の毛が貼り付いている

これから いくつの悲しみを越えていくやら

貼りつく髪を 指で解く私も もうこの年齢 

この子の夢の中なかで消えていくことだろう・・・

せめて 楽しい夢を見て欲しいと願いつつ

 

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