碑(いしぶみ)の(歌碑をめぐる) 
 コーナー写真 ※名称

 旅先で、いろんな楽曲が刻まれた石碑を目にすることがあります。時にはその楽曲のメロディーが流れる仕掛けにしている場合もあります。
当然、その石碑が置かれた場所は刻まれた歌のゆかりの地です。その地をテーマにしたものだったり、歌手・作曲家・作詞家いずれかの
出身地だったり、舞台地のドラマの主題歌だったり・・・いずれにしても、関係した人たちの様々な熱い思いが、石(別の素材の場合もありますが)
の中に込められている気がします。
 スエさんはこれまで、そんな各地の歌碑とか、モニュメントというたぐいのものを旅先で漫然と撮りためていたんですが、ふと、実際の
楽曲とコラボして、その楽曲への私の思いといったものを添えてみたら面白いかも・・・と思い立ってこのページを開いてみました。

(北海道・東北エリア)

釧路の夜  (作詞作曲宇佐英雄/美川憲一)
 設置場所: 北海道/釧路川河畔
釧路湿原 (作詞木下龍太郎/作曲弦哲也/水島かおり)
設置場所:北海道/釧路フィッシャーマンズワーフ横
  宗谷岬 (作詞吉田弘/作曲船村徹/ダ・カーポ) 
設置場所:北海道/宗谷岬 
   
   前に立つと曲が流れ始めます。題名だけで歌詞は書かれてないので、厳密には歌碑と言えるか微妙ですが、昔から好きな曲なのでUpしました。
 柳ケ瀬ブルース、新潟ブルースなどと並ぶ美川憲一さんのご当地ソングのひとつです。
 ご当地ソングの女王、水島かおりさんの曲です。
 「荒野をめぐる迷い川」というフレーズがありますが、釧路湿原は荒れ地ではなく、我が国で初めてラムサール条約の登録を受けた貴重な動植物の生息地であることを、環境行政に携わった経験をもつ私は申し上げます((笑)
   宗谷岬から北の海を望むと、樺太の島影を眺めることができます
 この歌には、冬の厳しい寒さに耐え抜いて北の大地に生きる
人たちの春を迎える喜びがあふれています。


津軽海峡冬景色 (作詞阿久悠/作曲三木たかし/石川さゆり)  設置場所:青森/青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸前 みだれ髪  (作詞星野哲郎/作曲船村徹/美空ひばり) 
設置場所:福島/いわき市塩屋埼灯台下
  小樽のひとよ (作詞池田充男/作曲鶴岡雅義/鶴岡雅義と東京ロマンチカ)   設置場所:北海道/小樽運河沿道  
   
 この歌だけでなく北帰行、海峡など演歌には、「北へ帰る」という内容のものが多いですよね。失恋・失意といったつらい気持ちを表す場所として、雪の季節の津軽海峡はぴったりなんだろうと思います。
 石川さゆりさんの切ない歌声がこの碑から流れています。
 美空ひばりさんが不死鳥コンサートで歌った晩年の代表曲です。先日いわき市にある碑を撮ってきました。塩屋崎灯台と青い海原とこの碑から流れるひばりさんの歌声のコラボは最高でした。
 
   リーダーの鶴岡さんが奏でる華麗なレキントギターのイントロの
あとに、ボーカルの三條正人さんが歌い始める「小樽のひとよ」を
10代のころTVでよく見てました。北国の駅、粉雪、そして「しばれる」というフレーズに、まだ見ぬはるか遠い小樽の街を思っていました。 


都ぞ弥生  (作詞横山芳介/作曲赤木頭次/北大寮歌)
設置場所:北海道/札幌・北大キャンパス 
リンゴ追分(作詞小沢不二夫/作曲米山正夫/美空ひばり)
設置場所:青森/弘前りんご公園 
   
     
   札幌市内の北大キャンパス
には、クラーク博士の胸像や
ポプラ並木の道など観光名所
がけっこうあります。
 旧帝大の寮歌として有名な
この歌は、今も北大の後輩たち
に歌い継がれています。
 弘前市郊外の広大な    
りんご公園の真ん中に
建っています。
 あたり一面にリンゴの木が
植えられ、秋には真っ赤に
熟れた実の向こうに岩木山
が望めます。
 
     


(関東・東京エリア)

あゝ上野駅(作詞関口義朗/作曲荒井英一/歌井沢八郎) 
設置場所:東京/上野駅前 
銀座の恋の物語(銀恋の碑)  
(作詞大高ひさを/作曲鏑木創/石原裕次郎・牧村旬子)
設置場所:東京/銀座4丁目有楽町マリオン前 
  城ヶ島の雨 (作詞北原白秋/作曲梁田貞)   
設置場所:神奈川/三崎・城ヶ島大橋のたもと
   
   かつて、東京の玄関口上野駅には、東北・北関東方面からの
就職列車が、たくさんの中学での少年少女を乗せて到着して
ました。この歌のように、十五の春から苦労を重ねた若者たちによって日本経済は発展をとげたのだと、改めて思います。
    男女で歌うカラオケデュエットの定番曲です。
 自分でも何度か歌う機会がありましたが、相手の女性と見つめあって交互に掛け合いながら歌っていくので、照れくさいながらも、けっこう盛り上がれる歌だと思います。
   小さいころ、作曲家、梁田貞(やなだただし)の伝記映画「音楽教師」を見たことがあります。
 劇中に登場する「どんぐりころころ」、「マイボニー」といった曲とともに、この「城ヶ島の雨」があり、こども心にズンと響いたのを覚えています。


  (作詞武島羽衣  作曲滝廉太郎) 
設置場所:東京/隅田川河畔隅田公園内
渡良瀬橋  (作詞・歌森高千里 作曲斉藤英夫)
設置場所:栃木/足利・渡良瀬川河畔
  鉄道唱歌  (作詞大和田建樹ほか 作曲多梅稚)
設置場所:東京/新橋駅東口 
   
   小学校か中学校の音楽の教科書に載っていた滝廉太郎の名曲です。
 一度桜が満開の頃、隅田川周辺を歩いたことがありますが、武島羽衣の格調高い七五調の詞のとおりの景色でした。
 「北風が強くて風邪をひいちゃいました」という歌詞どおりの寒さが、実感できました。
 訪ねてみると小さな町の何気ない川と堤防と橋の景色なんですが、たしかに橋の向こうに沈む夕日がとてもきれいです。
    歌詞が400番近くある日本一長い歌の記念すべき第1番の「汽笛一声新橋を・・」の歌詞が刻まれていて、そばにSLの車輪が置かれています。
 左の歌は全部聞けば30分かかります。気の長い方は最後までどうぞ。


有楽町で逢いましょう (作詞佐伯孝夫  作曲吉田正 フランク永井) 設置場所:東京/有楽町マリオン広場公園内  箱根八里 (作詞鳥居 忱  作曲滝廉太郎) 
設置場所:神奈川/恩賜箱根公園内 
     
     
昭和30年代の大ヒット曲です。
 当時有楽町にあった「そごう」というデパートのCМソングとして作られたんだそうです。
 小さくて、植木の中に囲まれたこの碑を探し出すのに苦労しました。 
   滝廉太郎のテンポのいい曲です。箱根のこの碑が建っているあたりにいくと、今でもうっそうとした杉並木がうねうねと続いています。
 むかしの旅する人たちは大変な苦労をしたのでしょうね。
     


(甲信越・東海エリア)

砂山 (作詞北原白秋/作曲中山晋平・山田耕筰)   
設置場所:新潟/新潟市西海岸公園 
初恋 (作詞島崎藤村/作曲若松甲/歌舟木一夫)
設置場所:長野/馬籠・藤村記念館 
  花嫁人形 (作詞蕗谷虹児/作曲杉山長谷夫)   
設置場所:新潟/新潟市・ホテルイタリア軒前  
 
   もうかれこれ30年前、出張で新潟に行った際に海岸付近の公園で見つけた碑です。
 北原白秋の詩に中山晋平、山田耕筰がそれぞれに曲をつけました。フォレスタの歌は、1,3番が
中山版、2番が山田版です。私的には山田版が好きです。
 馬籠出身の文豪、島崎藤村の詩に曲がつけられ、映画化もされました。
 初恋のときめきをリンゴという甘く酸っぱい果物に託して歌い上げています。
   この歌をはじめ、花かげ、
十五夜お月さんといった童謡
には、めでたいはずの結婚に
臨む花嫁の、深い悲しみが
描かれています。
 当時の結婚は、親の決めた
相手、嫁いびり、つらい労働
など必ずしも幸せな状況では
無かったのかもですね。。


侍ニッポン(作詞西条八十/作曲松平信博/徳山環) 
設置場所:愛知/松平郷・松平東照宮前
     
       
   桜田門外の変をテーマにした映画の主題歌です。徳川家のルーツといわれる松平郷になぜこの碑が・・・?実は作曲の松平信博さんは家康の9代前の松平親氏の末裔なんだそうです。
 曲は美空ひばりさんのものを
Upしました。
         


(近畿エリア)

あゝ新撰組(作詞横井弘/作曲中野忠晴/三橋美智也)  設置場所:京都/壬生寺境内  大阪ぐらし (作詞石濱恒夫/作曲大野正雄/フランク永井)  設置場所:大阪/法善寺水掛不動尊前   月の法善寺横丁  (作詞十二村哲/作曲飯田景応/藤島恒夫)  設置場所:大阪/法善寺横丁道沿い)
   
   京都の壬生には新撰組の屯所があり、壬生寺では隊士の軍事訓練が行われてました。 小説、映画などによく描かれる新撰組ですが、「士道ニ背クマジキ事」という隊規をかかげ、ラストサムライとして幕末を必死に駆けていったように思います。  「低音の魅力」フランク永井さんの大阪ロマンと並ぶ大阪物のひとつです。 法善寺にあるので、当然、法善寺をテーマにした2番の歌詞が刻まれています。
 「がたろ」は河童のことで、狭い路地に沿って建てられたゴミゴミした長屋のことなんだそうです。
   初めてこの歌を聞いたのは
小学生くらいだったと思います。
 「コイサン」、「ミズカケフドー」、
「ミョートゼンザイ」、「イタバ」といった耳慣れない言葉の意味が全くわからず、包丁をふところに忍ばせて旅に出るぶっそうなイメージだけが印象に残ってました。


宮津節 (民謡)   設置場所:京都/宮津  城崎恋歌 (作詞柚木由柚/作曲弦哲也/細川たかし)  設置場所:兵庫/城崎温泉駅前     女ひとり (作詞永六輔/作曲いずみたく/デュークエイセス)  設置場所:京都/大原来迎院町 
   
   宮津は、むかし北前船航路の港として栄え、多くの商人や船乗りたちが立ち寄る花街として賑わってました。
 散財してしまい、もう二度といくものかと思っても、またぞろ行きたくなる・・・男たちのどうしようもない気持ちが歌われています。
   先日、妻と城崎温泉にいったときに見つけた碑です。全く知らない歌でしたが、You Tubeで聞いてみると、旅情を誘ういい曲です。作詞の柚木由柚(何て読むのかしら?)さんは、細川たかしさんの子供さんなのだそうです。    全国47都道府県それぞれをテーマに、永六輔、いずみたく、デュークエイセスというメンバーで作られた“にほんのうた”シリーズの京都編です。寺院にたたずむ女性の着物の柄と、周辺の情景がしっとりと描かれています。


(中四国・九州・沖縄エリア)

炭坑節  (民謡)  設置場所:福岡/田川市石炭・歴史博物館 鷲ぬ鳥節(わしぬとりぶし)  (民謡)  
設置場所:沖縄/石垣島・あやぱにモール内 
  詩吟 川中島(鞭声粛々・・・)頼山陽作
設置場所:広島/竹原・頼山陽広場  
 
   福岡の田川、直方、飯塚などの筑豊地方はかつて「黒ダイヤ」と呼ばれた石炭の産地で、多くの鉱夫やその家族たちが暮らした町です。
 明るくノリのいい民謡ですが、危険と隣り合わせのつらい毎日が刻まれているように思います。
 石垣島に伝わる民謡。全国的にはあまり知られてはいませんが、幼い鷲が親鳥のもとを離れ、たくましく飛び立つ状況を描いているため、地元では門出のときなどによく歌われるそうです。    歌碑・・・といっていいのか、詩吟の世界で有名な「鞭声粛々」の碑です。川中島をテーマにした漢詩が、何で甲信越ではなく広島の小さな町に?と思ってましたが、作者の江戸時代の思想家、頼山陽ゆかりの地が、ここ竹原なんだそうです。
田原坂  (民謡)  設置場所:熊本市北区田原坂公園     
   
西南戦争の激戦田原坂の
戦いは、冷たい雨の中での
死闘だったそうです。薩摩
軍も官軍も若い兵士たちは
何を思いながら死んで
いったのでしょうね。