夢の中の旅


夢の中の旅・・・・・

誰でも経験があるでしょうが、夢の中では、スーパーマンになったり、
女性にもてたり、億万長者になったり、恐ろしい目にあったり・・・・
そうです 夢は眠っている間のつかの間の旅といってもいいのかも

そういえば、夏目漱石の短編集「夢十夜」や、黒沢明監督の
そのものズバリの題名がついた映画「夢」なども、彼らが
みた夢を題材にしたと聞いてます。

自分のみた夢を後で思い返してみると、荒唐無稽な反面、
大げさに言えば、時空を超えた、既成概念に一切縛られない
旅の話にもなると思いませんか?                         

それでは、私のみた夢の中の“おかしな世界”にしばしご案内しましょう


                     
CONTENTS 
第22夢 40万円!
  第21夢  エレベーター
第20夢 会議を終えて
第19夢   夜の運動場にて
第18夢    ナンマイダニ
第17夢 議事堂にて
第16夢 おんな占い師
第15夢 寿司屋にて
第14夢 旅先で女優と・・・
第13夢 成金とスズメバチ
第12夢 結 核
第11夢 再 会
第10夢 ダムと診療所
第9夢 えっ! 唄うの?
第8夢 招かれざる客
第7夢 虫たち
第6夢 まるで花と竜
第5夢 まるで火事では・・・
第4夢 演歌歌手
第3夢 大牛退治
第2夢 記者公表
第1夢 機 長



第22夢 40万円!

総菜屋に一人で来ている。

コロッケと出し巻き卵ときんぴらを買って包んでもらったあと、店員が

「そうそう、○○さん(私の名)は電話でカレイの丸揚げあんかけを注文されてましたね。」

と言って奥に入っていった。

(電話でそんな注文したっけ?)と思いつつ待っていると、彼女が重そうに大皿を抱えて持ってきた。

1mはありそうな揚げ立てのカレイに、たっぷりと中華風のあんがかけられホカホカと湯気を立てている・・・

喉がゴクリと鳴り、よだれが出そうになった。

大きなビニールの風呂敷にこのカレイを包む店員の横で、店のオヤジがレジを打つ。

「えーっと、消費税込みで、コロッケ、出し巻き、きんぴらが1350円、カレイが40万円・・・」

「よっ、よんじゅうまんえん?!」


思わず大きな声を上げた私に、オヤジは不思議そうな顔をしながら、

「これだけのカレイだもの・・・そしてさっき電話で注文があったとき、値段を申し上げてますよね。」

(値段、聞いてたかなあ?)

私はその記憶が無いが、何となくそうだったのかという気にもなってきた。

「これだけのカレイだもの」オヤジはまた繰り返す。

「今朝、枕崎であがった上物ですよ」

(枕崎ってカレイじゃなくてカツオだったような気もするが・・・)

と思いつつサイフを見ると3000円しか入っていない。

「あのう・・・カレイはキャンセルは無理ですか?」

おそるおそる尋ねると

「何言ってるの!できるわけ無いだろう!」と、オヤジがとたんにタメぐちで怒鳴る。

こめかみがピクピクと震えている。

「じゃ、カードでお願いします。」と答えながら私はケータイで妻に電話をかけ、子細を説明すると

「どうして、そんな注文したの? バッカじゃない? それとカードはやめて。あなたの洋服や旅行の費用で、

今月は限度額を超えてるから無理よ。」と妻がほとんど悲鳴のような声で怒鳴っている。

電話を終えた私を、店のオヤジ、店員、まわりの買い物客みんなが黙って厳しい視線を浴びせてくる。

(どうしよう・・・)

うなだれ、黙りこくっていると、店のドアのチャイムが鳴って、髪を振り乱し、

つっかけにエプロン姿の妻が駆け込んできた。

ふだん外出にはとりわけ身なりに気を使う彼女だが、今日はスッピンのままである。

「すみません、主人が迷惑をかけたようで・・・とりあえずお金を持ってきました。」

妻はカウンターの上に持ってきた風呂敷包みを広げると、郵便ポスト型の貯金箱、

妻の手作りのパッチワークの袋、封筒・・・色んなものから現金を取り出し始める。

福沢さんの万札はあまり無くて、殆どが500円玉、100円玉、しわくちゃの千円札など、

明らかに家中の現金をかき集めてきたことがわかる。とても40万円はありそうにない。

「奥さん、こんなダンナを持つと苦労するね」

金の勘定を始める店のオヤジを見つめる妻の目から、涙がひとすじ流れた。

居ても立ってもいられない気持ちになりながら、冷え切ったカレイを見つめていると目が覚めた。



第21夢 エレベーター 

古くて薄暗い校舎の2階にいる。明治時代の建築らしく、とにかく古い。

長い、長い廊下がずっと向こうまで続いている。

私の横には何故か娘が立っていて、

「お父さん、気味が悪いから早く出ようよ!」と、しきりに私の手を引っ張る。



たしかにそうだ、とにかく外に出ようと廊下の先をめざして歩き始める。

やっと階段に来たと思ったら急にシャッターが降り始めた。

錆びついていたらしく、激しく軋みながら出口をふさいでしまった。

仕方なく反対側の階段に歩いていくとこちらもシャッターが閉まっている。

娘の顔が今にも泣き出しそうだ。



(弱ったな、どうしよう?)と近くの教室の中を見ると

「エレベーター」と書かれた案内板が目についた。

でもエレベーターのドアらしきものはどこにもない・・・・・

「お父さん、たぶんここだよ」と娘が教室の中に入って呼ぶ。

見ると部屋の中には机や椅子は一つもなく、床は何故か一面の芝生で覆われていて

真ん中に四角く溝が切られており、「下へ」と書いたボタンがついている。



「たぶん、ここに乗ってこのボタンを押すと下に降りられるんだよ・・・」

娘が言うので、私も一緒にこの四角の中に立った。

娘がボタンを押そうとしたその時、

「故障中 危険!」

と書かれた看板が私の目に飛び込んできた。



「○○ちゃん(娘の名)、ちょっと待て!」私は大声で叫んだが、

娘はすでにボタン押していた。

「ギギーッ・・・」

いや〜な音を立てて

四角い床が50cmほど降りたところで止まった。



・・・・・・・・

一瞬の間があって突然、ガターーーンと床が外れ、

私と娘の体が大きく傾く。

あわてて、2人ともそばの手すり(何故かあった)にしがみつく。

1カ所だけ五寸釘で留められただけで四角い床はダランと下にぶら下がっている。

我々も手すりにしがみついてぶら下がっている。



下を見ると、校舎の2階にいたはずなのに何故か、千尋の谷底が見える。

娘は私のそばで泣き叫んでいる。

「お父さんの肩につかまれ!」 私が言うと、娘がしがみついてきた。

(・・か、かなり重い・・・)

ことし大学に入って少し太ったな・・

こんな状況なのに

娘にもっとダイエットをさせとけばよかったと、私は妙な後悔をしていた。



私がしがみついた手すりが今にも外れそうだ。

これが映画「ダイハード」の主人公だったら

娘を肩に背負ったままよじ登るかもと、ふと思ったが、

非力の悲しさ、だんだんと腕が疲れてくる。

これ以上は無理かもと 思ったところで目が覚めた。





第20夢 会議を終えて 


前いた職場のようでもあるし、新しいところのような気もする。

とにかく転勤したらしいその職場で、会議が始まろうとしている。


社会的に問題になっている「有毒な魚介類がスーパーマーケットで

売られているということ」についてどうやって取り締まるかという会議らしい。

(最近の鳥インフルエンザとガス湯沸かし器の問題が

ゴッチャになってこんな夢になったのかも・・・・・)


集まったメンバーは、かつての私の上司や同僚など、多種多彩である。

私も含め、何故こんな所でこんな協議をしているんだろうという

顔ぶればかりである。


会議はかなり紛糾している。私たちのグループだけで、

スーパーの有毒な魚介類を見分けられるのかどうか、

また見分けたあと、どうやって店側に指導するのかということが

なかなか決まらない。

現実世界では色々喋りまくる私だが、今回はチンプンカンプンなので

発言を控えていると、突然誰かが別の話を始めた。

かつて行った中国旅行の楽しかった思い出を、長々と喋っている。


早く対策をまとめないといけないのに、そして早く職場に戻らないといけないのにと思うが、

ダラダラ話は続き、みんなも適当にあいづちをうっていて、いっこうに本題に戻らない。


頭に来た私は(もうやってられないよ)という気になり、

失礼します」と吐き捨てるように行って会議室を出た。

仕事もたまっている。


自分の職場に戻らなければと歩き始めると、

ここでチェックをお願いします。」と

警備員らしい制服を着た中年女性に制止された。


横にあるゲートをくぐれと言う。

そう、まるで空港の出発ゲートの金属探知みたいだ。

くぐると案の定「ピンポン」となる。何度通っても「ピンポン」は止まらない。

どうも腰のベルトのようですね」と

警備員の女性に言われ見てみると、

オフの日に履くジーンズのベルトが目にとまった。

確かに金属の輪っかが付いている。

(実際に空港で、このベルトをつけてチェックされたことがあった。)

仕方なくベルトを取るとチェックはOKだったが、

この女性、「ベルトは預からせていただきます。」と

向こうに持って行ってしまった。

冗談じゃないよ!)と思ったが、急ぎの用事を思いだし、

とにかく職場まで帰らねばと落ちそうなズボンを押さえつつ走り始める。


階下におりようとエレベータの所まで来ると、

何とこのエレベータ、ドアが開くといったん上によじ登って入る仕組みになっている。

スーツ姿の女性や、作業着の男性たちが

みんな手荷物を持ったまま必死によじ登っている。


私も登ろうとするが、落ちそうなズボンが邪魔になって、なかなか登れない。

他の人たちは乗り終えて「早くしてよ、」と口々に言っている。

とうとうズボンは脱げ、エレベータのすき間から落ちていった。


パンツ一つになった私は、仕方なく隣の女性から

タオルを借りて腰に巻き、エレベータは動き始める。


1階まで降り、外に出て、職場のあるビルまで歩き出そうとすると、

オーイ、スエさ〜ん」という声がする。

上を見ると、さっきの会議場にいた同僚が窓から身を乗り出して呼んでいる。

○○さん(上司の名)が、もう一回戻って来いって言ってるよ。聞きたいことがあるんだって・・・・・


タオルを巻いたパンツ姿で、またあの会議の場に戻らないといけないのか? 

でも○○さんには世話になってるしなあ


仕方なく戻り始めたところで目が覚めた。





第19夢 夜の運動場にて 


夕食をすまし、妻といつもの日課のウォーキングに出かけた。

何となく快適に歩けたので子ども達の母校であるM小学校まで来てしまった。


「久しぶりに運動場に行ってみようよ」と妻が言うので、裏門から入る。

鉄棒、うんてい、砂場・・・昔のままの風景がそこにあった。

運動会の時に一生懸命走る子ども達を応援した小さな盛り土の上に

妻と寝ころび、夜空を見上げる。

星がきれいだ。


(実際は夜の校庭なんて「学校の怪談」を想像していただくとわかるように、

気味悪くて入れるもんじゃないが、そこが夢の夢たるところか・・・・)


しばらく、子育て真っ最中だったころの思い出を妻と話していると、

いきなり爆音が響いてきた。

見上げると巨大なヘリコプターが夜空をサーチライトで照らしながら私たちの上空を旋回している。


(何で夜中にヘリがこんな所を?)と不思議に思いつつ見ていると、

機体が大きく揺らいできた。

「危ない!」と妻が叫んだ次の瞬間、ヘリはもんどり打って、

M小学校の時計台(実際に運動場にある時計台)にぶつかった。


閃光が走り、耳をつんざくような爆発音がして、あたりは一面火の海となる。

(大変だ、消防と警察に知らせなきゃ)ポケットを探るが、

いつも持っているはずのケータイが無い。

「仕方ないから、私たちで中の人たちを助けようよ!」

と言うや否や、妻が火の海をめがけて走り出す。

臆病な私は現実世界と同じく妻のあとをノコノコとついていく。


二人で炎の中に飛び込んだが、何故か全然熱くない。

ヘリのドアをあけると、何人もの老若男女が咳をしながらうずくまっている。

一人ずつ引きずり出して校庭に寝かせる。

いつも腰痛に悩まされている妻なのに、軽々と小錦のような女性を抱えて運んでいる。


やっと最後の一人になった。小柄な70台くらいの男性なので、

楽だろうと思い両脇を抱えて運ぼうとすると、

「痛い! 熱い! もっと丁寧に運べ」と怒鳴り始めた。

「非常事態ですよ、我慢しなさい」とかまわず運ぼうとしたが、

この爺さん、怒鳴るのをやめない。


「だいたい、お前たちは何だ、私を火の海の中にほっておいて、

最後に運び出すとは何事だ。

私は○○の△△(何かの肩書きを言った)だぞ!

お前たち下々の人間にこんな扱いを受けるいわれは無い!」


とたんに私と妻の堪忍袋がプッツリ切れた。


妻がしきりに私に目くばせをする。

(よし、このジジイをもう一度火の海に投げ込もうか・・・)

恐ろしいことを考え始めたところで目が覚めた。





第18夢 ナンマイダニ 


何となく怪しげな学術講演会の会場に来て座っている。

講師は温厚、誠実を絵に描いたようなかっぷくのいい中年男性だ。

彼の講演を聴きたいという聴衆がおおぜい私のまわりに座っている。

研究テーマは「仏の奇跡の証明」とのこと。



「皆さん、これが嫌われ者のダニです。」

講師が重々しく語りかけ始めると

電子顕微鏡写真のスライドがスクリーンに映し出される。

たしかに何かの雑誌で見たことのあるダニの姿が映っている。

「社会のダニといった例えもされるほど嫌われ者のダニですが、

仏様はちゃんとこんなダニにも祝福を与えていたのです。

私の長年の研究の結果、そのことが明らかになりました。」

そういって彼はダニの足の部分をレーザーのポインタで指す。

すぐに足の画像が拡大される。



「ここを見てください。」演者が指したところに小さな突起物が見える。

「これは何だと思いますか?」

私たち聴衆は必死に写真を見つめるが、どう見てもただの突起物だ。

「この出っ張りは耳の部分です。」

(???)

聴衆がいっせいにけげんな顔を示す。

「私はここを剥がしてみました。すると・・・」スクリーンいっぱいに

映し出された足の突起物が剥がされる・・・・・

「オーッ!」

会場に大きなどよめきが生まれる。

先ほどの突起物の裏から何と・・・

神々しい仏像の姿が現れたではないか。



以前 上野の美術館で公開された「弥勒菩薩」の顔だ。

金色に輝きながら穏やかな微笑で会場の私たちを見つめている。

「ありがたい、ありがたい」私の隣に座っているおばあさんは

バッグから数珠を取り出して必死に手を合わせている。

そして泣きじゃくっている。



「いかがですか? 

これが私の数十年に及ぶ研究の成果です。」

発表を締めくくる演者の声もかき消されるほど

会場には祈りの声がこだましている。



ナンマイ
ダニ・・・・・・ナンマイダニ

ほとんどの人がぼうだの涙を流して、祈りの言葉を唱えている。

そしていつのまにか演壇に置かれたさいせん箱に、

1万円札、千円札を次々と放り込み始めた。

(何か違う 何かおかしい)私はどこかにカラクリがあるのではないかと

必死にスクリーンの電子顕微鏡写真を見つめるが、よくわからない。



ふと私を見つめる壇上の演者の視線に気づく。

ありがたがっていない私を見つめながら彼が何か指示を出すと、

数名の屈強な黒服たちが私に迫ってきた。

(ヤバい! 洗脳されていない私を消すつもりだ・・・)

必死に会場を出ようとするが体が思うように動かない。



ナンマイダニ・・・・・・ナンマイダニ

会場ではまだ祈りの言葉が続いている。

黒服たちに両脇をかかえられ、もがいているところで目が覚めた。





第17夢 国会にて 



国会議事堂の中にいる。

ある代議士が演説しているそばで私は彼の補佐官として座っている。

演説が薬物の化学反応などをテーマにしているために私が呼ばれているらしい。

ひとこと喋るたびに代議士が(これでいいのか?)というふうに目くばせで確認を求めてくる。

私は休むひまなく資料と首っ引きで対応に努めている。



ふと見回すと、議員たちは広い議場の中にパラパラと数人が座っているだけである。

(たしか議員の定足数があるはずだがこれで会議は成立しているのかな?)と忙しい頭の中でふと思ってしまう。

出席議員たちも退屈さをあらわにし、漫画を読んだり居眠りしたり・・・

大事な議題なのでちゃんと聞いてください!」頭上の議長席から声がした。

見上げると現実世界と同じく衆議院議長として河野洋平氏(当時)が座っている。



やがて演説していた代議士が「皆さん どうもご退屈のようですね

ちょっと一息入れましょうアトラクションを用意しています」

というと議場入り口の守衛に合図した。

守衛が議場のドアをあける。

そのとたん、オッフェンバッハの、あの「天国と地獄(クリック!)」が大音響で流れ、

お馴染みの衣装でフレンチカンカンの美女軍団が走り込んできた。

国会空転時の「牛歩戦術」でよく目にする議長席前の登壇路のところで、

定番の「スカートまくり上げ」が始まる。

数人しかいない議員たちは大喜び。

TV中継のマスコミの記者たちがカメラを抱えて必死に彼女たちを追い回す。



議場の外から欠席していた議員たちまで何事かとのぞきに来て

びっくりしつつも拍手喝采を送っている。

だが、民主党の菅直人代表(当時)や社民党の福島瑞穂党首(当時)などは

険しい顔をしながらこの乱痴気騒ぎを眺めている。



やがて自民党の安倍晋三幹事長代理(当時)がつかつかと私のほうに歩み寄ってきた。

彼をそそのかしてこんな下品な企てをしたのは君か!」えらいな剣幕でまくしたてる。

身に覚えのないことなので何とか申し開きをしようとしていると

私も安倍氏もカンカンの踊りの渦に巻き込まれていってしまった。

(まっ いいか)と一緒になって議場で踊り始めたところで目が覚めた。





第16夢 おんな占い師 



飲み会が終わって、ネオン街の裏通りを自宅に向かって歩いている。

ふと見るとアラビア風の衣装をまとった若い女性がしきりと手招きをしている。

(何となくポン引き風だな・・)と不安に思いながら立っていると

いきなりスタスタと近寄ってきた。

「お疲れのようですね、あなたの人生を占ってあげましょう」と、

これまた怪しげなイルミネーションが瞬く店に引き込もうとする。

普通ならその手を振り切って逃げ出すのだがこの女性、大ファンの女優「戸田菜穂さん」に

すごく似ていたので、スケベ心半分で店の中に入ってしまった。



オリエンタルな香料が漂う薄暗い部屋の中、

戸田菜穂さん風占い師が座ったテーブルに白い玉が2つ皿に載って並んでいる。

「どちらかを選んで火をつけてください。燃え残った白い粉を・・・」と

部屋の隅にあるTOTOの便器を指さし、

「この便器の中に入れて掃除してください。

汚れが取れたらあなたには素晴らしい将来が約束されます。もし取れなかったら・・・」

途中で私は最後まで聞かずに尋ねた。

「汚れが取れたら私の友だちになってくれますか?」

「ええ、もちろんいいですよ」



戸田菜穂さん風占い師の言葉を聞くやいなや

「じゃあ始めましょう」とスケベ心の私はマッチをとった。

仕事柄、化学の知識がある私は必死で考える。

(たぶん2種の白い粉というのはクエン酸と重曹だ。)

(トイレの汚れはたしかアルカリ性のはずだから、

苦みのある重曹ではなく、酸性の酸っぱいクエン酸でよく落ちるはずだ・・)

私は2つの玉をなめてみた。

たしかに苦い味と酸っぱい味がした。

迷わず酸っぱい玉に火をつけ残った白い粉を便器に放り込み

そばにあったタワシでゴシゴシこすった・・・・が、茶色の汚れはいっこうに落ちない。



「どうも駄目ですね。となると・・・」背中越しに占い師が声をかける。

「あなたは最後まで私の話を聞きませんでしたが、もし汚れが取れなかったら、

あなたの命をいただきますというのがこの占いだったんですよ。」

あわてて振り向くと、戸田菜穂さん風の顔が、すごい形相の青木さやか風になっており、

しかも手にはでっかい青龍刀(中国の刀)が握られている。

(やばい!)私はあわてて店を飛び出す。



「※△◎☆▼・・・・」

わけのわからない中国語風の言葉で叫びながら青木さやか風が追いかけてくる。

一生懸命走ろうとするがなかなか前へ進めない。

そのうち目の前の空の雲が怪しげな動きを始め、何と龍の姿になって迫ってきた。

特撮映画でゴジラが口から出すような殺人光線を吐いている。

しかも龍の足下には、ニュース映像で見た上海などの反日デモ隊が群がり

大挙して私の方に押し寄せてくる。

プラカードには「抗日××」、「日製不買※※」と難しい漢字だらけの真っ赤な文字が書かれている。



ふと私の体を見るといつのまにか、大きな日の丸が巻き付けられている。

背後には相変わらず青木さやか風占い師がカン高い「キレ声」を上げておいかけてくる。

(仕方ない、日の丸ごと焼かれるかもしれない)と覚悟を決めたところで目が覚めた。





第15夢 寿司屋にて

仕事関係の団体の会合に出ている。

お昼になり会員たちは食事をしに三々五々と散り始める。

ラーメンでも食べようと食堂街をブラブラしていると、

団体の役員の方から一緒にメシを食おうと誘われ、

彼の行きつけらしい寿司屋に連れて行かれた。

もちろんクルクル寿司ではない、ちゃんとしたお好み注文の寿司屋である。

しかもかなり高級の部類に属する高そうな寿司屋である。

いい香りのおしぼりを使い、メニューを開けてみると、

案の定

「季節限定の鰹 ひとカン 五千円」

「明石鯛と大トロのちらし 二万円」

といったふだん目にしたことのない信じられないような値段がズラズラと並べられている。

(えらいな所に入っちゃったな・・)と後悔の念しきりで、ふと隣をみると

私を連れ込んだ役員は次々に注文してパクパク食っている。

彼に対する怒りの念がムクムクとわき上がってくる。

「ご注文は何にしましょう?」もみあげを伸ばし、いかにもそれ風の板前がしきりと注文を促す。

やっとメニューのすみに「健康にぎり 1,150円」

という項目を見つけ出して渡りに船で注文する。

くだんの板前はつまらなさそうにシャリをひとすくい取ったあと、

何と私の目の前にあった壺から2,3枚のガリをとりだしてシャリとあわせ、

海苔でしばって私の目の前に置いた。

「はい お待ちー!}

「・・・・・・・・・・」

言葉もなく目の前に置かれた「生姜付き酢めし」を眺めながら、私はもう一つ大変なことに気づいた。

(そういえば財布の中には千円しかない!)

これは本当の話で、前の日に通勤車のガソリンをいれるため

財布をのぞいたら実際に千円しかなく、仕方なく消費税込みの「千円給油」を

スタンドにお願いしたところだった。

(どうしよう。あと150円足りない、

いや消費税があるからもうちょっとかな)

・・・・・・・・・・・・・・

(そういえばカードがあった!)あわてて店内のカードの表示を探したが、

「当店ではクレジットカードの取り扱いはいたしておりません。支払いは必ず現金でお願いします。」

という無情の張り紙が目に入った。

(仕方ない、私を連れ込んだ人に立て替えてもらおう)と隣を見ると、彼の姿はもうない。

「先にお帰りになりましたよ」と女性従業員がニコニコと言う。

(あの野郎! 戻ったら叩き回してやろう)

彼に対する怒りが最高潮に達する。

それにしても、この店からどうやって出ようか。こうなったら食い逃げしかないか・・・・・

コワモテの板前さんの目をみないようにして、自分の席と、店の出口の間合いを計り、

タイミングをうかがっているところで目がさめた。







第14夢 旅先で女優と・・

東北のどこかの県を旅している。

連れは、私より年上の男性1名と同年配の女性1名・・・

かつての職場の同僚HさんとSさんだったような気もするが、よく覚えていない。

大きな湖の岸辺で船に乗り、その湖から流れ出す急流の川を下っていく。

水かさが増している川はこわいほど揺れて、今にも転覆しそうである。

流れが二股に分かれる瀬にきたとき、

「船頭さん、あっちのほうが緩やかですよ」と船首の船頭に叫ぶと、

「やかましい! 黙って乗ってろ」と怒鳴り返された。

やがて川幅が広く、流れも緩やかになり船はどこかの町中をスムーズに進み

ゴツンという衝撃とともに急勾配の石段になった船着き場に着いた。



やれやれという気持ちで船をおり、そのまま石段を少し登ると、

同伴の女性が3人で写真を撮ろうと言い出した。

(誰かにシャッターを切ってもらおう)

あたりを見渡し、近くにいたおじさんに頼むと東北弁で「俺はダメだ」と断られた。

やっと修学旅行らしい高校生に頼んで撮影しようとしたら、何と電池切れでシャッターが降りない!

仕方なく撮影をあきらめ、石段をそのまま登って予約してあった安宿に入る。

温泉が評判の宿らしく、連れの2人はさっさと風呂に行ってしまった。

私は町中を少し見て回ろうと思い、なにがしかの現金をポケットに入れ宿のゲタをはいて外に出る。



数日前からかなりの洪水だったらしく平地の部分はほとんど水に覆われている。

宿の側の神社の階段だけがポツリと水面に出ていたので、

そこをヘッピリ腰で降りていき、境内らしい少し広い場所に出る。

昼間だと思っていたのにあたりはすっかり暗くなり

提灯がいくつも灯った広場に数軒のみやげ物屋らしい店が連なっている。

うら寂しく幻想的な光景にいつものようにカメラをかまえる。

そういえばさっき電池が切れていたのを思いだし、

買い求めようとするが、なかなか希望の電池を出してくれない。

電池のあとはフィルムを買おうとすると店の対応があまりに遅いために、

私の後ろに並んでいたオバさんがいかにもイライラした様子で

「まだなの? 早くしてよ!」と大きな声でブツブツ言っている。



ようやくその店を出て隣の店をのぞくと

地元の特産品らしいお菓子が試食コーナーに並べられている。

どうやら作り損ないらしく鮎の頭にクリームせんべいをまぶしたくず状のお菓子である。

食べてみると以外にうまい。

「これってホントにおいしいですね。」という若い女性の声に振り向くと、

何と女優の石田ゆり子さん(クリック!)が華やかだけど少し寂しげな

あの笑顔で立っているではないか。

「オフになったのでお忍びで旅してるんですよ」

彼女はニコニコしながら話しかけてくる。



私は思いきって、

「私も東北が好きでよく来るんですよ。よかったら一緒に回りませんか?」

と誘いかけると何と、

「うれしい! ぜひお願いします。」と答えるではないか。

(美人女優と東北の見知らぬ町を散策できる!)

彼女の笑顔をながめ、ワクワクしながら一緒に歩き出したところで目がさめた。







第13夢 成金とスズメバチ

大きなデパートの1階にいる。

あたりにはおおぜいの女子従業員が集まり、

リーダーらしい年輩の女性から給料らしい袋をそれぞれもらっている。

「きびしいなァ  でもしょうがないか。」

「不況だし、リストラされずにすんでいるんだから」

あたりには、ため息まじりのこんな声が満ちている。


私だけは、なぜか派手な紫色のスーツを着て立っている。

シャツの袖口には直径5センチほどの大きな金のカフスがついている。

十本の指全てに色とりどりの宝石がのった指輪がはめられている。

鏡に映った顔はちょび髭を生やし見るからに成金風のキザ男である。


(そういえばふところに・・・)と思って手をやると

ふだんは二千円ぐらいしか入っていない私の財布は、

ぎっしりと数百万円の札束でパンパンにふくれている。。


やがて、アイシャドウやマスカラをめいっぱい使って、

タヌキのような顔をした小太りの女が近づいてきた。

パンフレットのようなものを差し出し、「いかがでしょうか」という。


私は急ぎの用があったのを思いだし、あとで検討するからと言って、

パンフだけを受け取りその場を立ち去ろうとするが、女はしつこくついてくる。

「パンフに目だけでも通してください。お願いします。」

 (この人も不況で必死なんだろう)


やっと振り切って中央までいくと2階へ上がる階段があり、急いで登り始める。

ある歌(聞き覚えのあるメロディーだったが思い出せない)を私が口ずさんでいると、

一緒に歌う声がする。

振り返ると見知らぬ中年の男が2人ついてくる。

しきりと私にニコニコと話しかけてこようとする。

階段を登ると、いつのまにか景色は一面の荒れ野原になっている。

遠くに戦争か何かで壊されたような建物の廃墟が見える。

地面には立ち入りを拒むかのように、

割れたビール瓶の破片がそこらじゅうに突き刺さってる。

「危ないですよ。一緒に行きましょう。」と言って男たちがついて来ようとする。

「一人で大丈夫です」と言って私は足場の悪い道を少しずつ歩いていく。

歩くたびに地面がボコボコと沈み、アリやムカデのような小さな虫が無数にうごめいている。


やがて後ろからいやな羽音が聞こえるので振り向くと、

何匹かの大きなスズメバチが追ってきている。

これはヤバイと思って走り始める。

ハチはますます増えて追ってくる。

 
前にテレビの特命リサーチで、

「ハチに追いかけられたときは、体を低くすればやり過ごせることがある」

といっていたのを思いだし、その場に伏せてみるが効果がない。
 
再び走って逃げ始める。


(刺されたらすごく痛いだろうな。ひょっしたら死ぬかもしれないな。)

(札束かかえてひっくり返るなんてイヤだな。)

逃げながら必死に考えているところで目がさめた。







第12夢 結 核

映画館か、ダンスホールか、それともキャバレーだったか

思い出せないが、

そういった建物の受付のところに私は座っている。

受付窓口で経営者らしい2人のおばさん(姉妹らしい)がおおぜいのお客さんをさばいている。

そして私の方をしきりと見たり、指さしたりして耳打ちをしている。



「あのね、スエさん」

おばさんの1人が私の所にきて話し始めたが、何か話が切り出しにくそうなようすである。

 「スエさんは役所で、“はやりやまい”の仕事をされているときいたんだけど・・・・」

(ははあ、感染症の相談かな?)と思い、
 
「感染症のことを聞きたいのですか?」ときくと、

「そうなのよ」との返事。

 「そうですね。

おばさんたちのように大勢の人を相手にするお仕事では、

感染症は最も気を付けないといけない病気ですが、

中でも結核には注意が必要ですね。今でも・・・・」


私は結核患者の数を言おうとするが、なかなか数値を思い出せない。
 
「全国で1年に4万人、宮崎でも400人が結核にかかっているんですよ。」


やっと思い出して説明すると、

「実はね。うちの嫁がね・・・」

(やっぱり、身内の話だ。)
 
「長いこと変な咳をしているものだから、心配で、心配で・・・」


「だったら、病院か保健所に連れていらっしゃい。

すぐ調べて必要なら入院できる病院を紹介してくれますよ。

治療費も補助がありますから・・・」


するとおばさんは言いにくそうに、
 
「でも嫁は今動けないんですよ。

孫がおもちゃのピストルを欲しがっていてね、作ってやるんだといって

なかなかいうことをきかないんですよ。

今も奥でブリキを切り抜いたり、フェルト布のミシンがけをしたりで

こんをつめているんですよ。」

 
「早く医者に診せないと大変なことになるかもしれませんよ。」

 
「だからね、もし結核だったとしても、お目こぼししていただいて、

何とか入院せずにすむ方法をね・・・」

おばさんは、しきりにすがるような目で言う。
 

「だめですよ。入院するかどうかは

お医者さんの診察を受けないとわかりません。

お嫁さんから、もしおばさんたちに移っていたら、

次に大勢のお客さんたちに移るでしょう? 

そのお客さんたちが家族や周囲の人たちに移したら

大変なことになるじゃないですか。」


私は懸命に説得してお嫁さんを受診させようとするが、

おばさんはのらりくらりと孫やおもちゃのピストルの話をして、とりあわない。


そのうち、受付にいたもう1人のおばさんが咳こみだして、

いきなり大量の喀血をした。

 
(やばい! もうすでに移っていたんだ。

もう何人もやられているかもしれないな。)とあせっているところで目がさめた。







第11夢 再会



夢の中で、亡き父に会った。



私は、見知らぬ民家に寝ている。隣には妻がいる。

夜があけて、すっかり部屋が明るくなったころ、廊下のところで何か音がする。

顔を出してみると、父が一心に拭き掃除をしている。

なつかしい白髪頭で、せっせと体を動かしている。

「父さん、どうしたとね。」と声をかけると、

「おう! 目がさめたか、久しぶりじゃね」

あのなつかしい笑顔で応えてくれた。

私には、父がすでに死んでしまったという意識はあるが

ただなつかしく、嬉しいという気持ちで一杯になっている。



「お父さん、隣でお茶でもどうですか。」

妻が誘うと、ニコニコ笑ってこたつの前に座った。

妻がいれたお茶を、いかにもうまそうに飲む父・・・・・

死の床にあった父が、

「茶を飲みたい。熱い茶を飲ませてほしい。」と言ったにもかかわらず、

医師の指示を守って、とうとう飲ませないまま死なせたことを、ふと思い出した。

胸がチクリと痛んだ。



「父さん、俺ね、家を建てたんだよ」

一番父に報告したかったことを話すと、

「そうか、お前も自分の家を持ったか。よかった、よかった」

満面の笑みで喜んでくれた。



父の後ろに座って肩を揉んでやる。

(そういえば、生きてる頃肩揉みなんて、あまりしてやらなかったな)

またチクリと後悔の念が湧いてくる。

父の背中は生前と同じように温かかった。

私が子どもの頃のように広かった。

いつのまにか私自身が子どもに戻っていた。

そして小さい頃よくしたように、父の背中によりかかり、首に腕をまきつけて甘えていた。

涙があふれ出したところで目が覚めた。

(涙だけは本当に出ていた)







第10夢 ダムと診療所

妻と二人で大きなダムのそばに来ている。

ダムの上流では、地元の村主催の祭りが開かれていて、土地の名産品の試食会や、ふるまい酒などで賑やかである。

そのとき、突然サイレンが鳴り響き、ダムから水しぶきがあがり、すさまじい放流が始まる。

「危ないぞーっ!」

誰かが叫んだので見ると、

学校帰りの赤いランドセルを背負った少女が

なぜかダムの下にいたらしく、

必死に襲いかかってくる水から逃げようと走り回っている。

そのうち、流れに巻き込まれ、赤いランドセルだけ浮いた格好になってしまった。

私はあわてて飛び込み、冷たい激流の中を泳ぐ。

岸辺で妻が大声をあげてあっちだ、こっちだと指図するがどうしても行方がわからない。

やっと見つけてランドセルをつかんで引き寄せ、少女を岸に抱え上げる。

彼女の体はゾッとするほど冷たい。

真っ青な顔は生気一つなかったが、妻が口から息をいっきに吹き込むと

ピクリと体が動き、大声をあげて泣き始めた。

すぐ病院へ運ぼうとまわりの人に聞くと、村の役場の15階(!)に村立の診療所があるという。

私は少女をおぶって役場まで行き、受付の人にいうと、

「あちらのエレベータにのってください」という。

見ると、荒縄で上からつり下げられた粗末な数十センチ四方の板があるだけだ。

(えっ!これがエレベータ?)と思うが、

少女を早く連れて行きたいので仕方なくその上に乗る。

やがて板は上にあがり始める。

少女を背負った上に、板がユラユラと揺れるものだから、私はバランスを取るのに必死だ。

15階に上がっているはずなのに、下をみると霞がかかっていて、千尋の谷底になっている。

「○○ちゃん(少女の名)、落ちないようにしっかり捕まれよ。」と

言ってる私自身が恐くてたまらない。

「おじちゃん、寒い。」

少女がガタガタ震える。

私が不安になっているところに、ようやく診療所に着いた。

板から飛び移るようにしてフロアに立つと、何やらさわがしい。

大きな怒鳴り声が聞こえる。

近くにいた看護師に聞いてみると、

ふだんから仲の悪い内科の医師と眼科の医師が大げんかを始めたとのこと

なかなか少女を診てくれない。

(せっかく助かった命なのに、そして必死の思いで連れてきたのに・・・・)

猛烈な怒りがこみあげてきて、

ケンカなんかしてる場合じゃないだろう!」と

叫んだところで目が覚めた。







第9夢 えっ! 唄うの?

知人の身内が亡くなったとの知らせで、葬式の場に来ている。

受付の前に立つと、香典を包んでこなかったことに気づく。
 
あわてて近くの売店にのし袋を買いに行こうとすると、

故人の親戚の方が寄ってきて、何と私に「葬式の場で唄をうたってほしい」と頼まれる。

はて、葬式で唄なんてことがあったかな?としばし考えるが、

そういえば美空ひばりさんの告別式で、

出席者の方たちが「川の流れのように」を唄っているのをテレビで見たなと思い出し、

まっいいかと、気にせずに安請け合いをしてしまう。



売店(何故か私の職場にある売店だった)に行ってみると、

普通の「御仏前」とか「御霊前」とか書かれたものは一つもなく、
 
いま風の茶髪の男の子のイラストと、
 
「イェーイ 亡くなって寂しいけど 元気出そうぜぃ」

という言葉が書かれたものや、

グラマラスな女性がウィンクしている写真を撫でると
 
「悲しいネ 私が慰めて  あっ・げっ・るぅ  ウッフーン」

という声が流れる不謹慎なものしか置かれていない。

仕方なく、普通の封筒を買い、その中になにがしかのお金を入れて香典にする。
 


再び受付に戻ると式はすでに始まっており、読経が聞こえる。

中をのぞくと葬儀会場は妙な造りになっている。

祭壇と僧侶は左側のこじんまりしたところに押しやられ、

通常祭壇が置かれるべき正面のひな壇に何と弔問客がズラリと並んでいる。

一番上の段には、エラそうな顔をした連中がふんぞり返っており

段が下がるに従って年若い連中や、ヒラ社員のような人たちが窮屈そうに座っている。
 


記帳をしていると、受付の年配の男性がそれを見ながら 

「ホホー ○○にお住まいで・・・ ヘエーお仕事は△△ですか・・・」と

会場に聞こえるような大きな声で読み上げる。

あげくの果てには、私から渡された香典をあろうことかその場で広げ、

「●●円でっか・・もう少しお気張りやしたらよろしいのに」と、なぜかここだけ関西弁でのたまう。
 
やっとの思いで会場に入っていくと、ひな段から全員の視線が浴びせられる。

やがて読経が終わり、司会者の

「それではスエ様に唄をうたっていただきます。」という声にうながされ、

立ちマイクの前に進む。



「しまった、曲名を決めていなかった。」

すぐさま司会の男性がカラオケの曲名集を差し出す。

パラパラとめくっていくが、

「祝い船」、「てんとう虫のサンバ」、

花笠音頭(クリック!)」など

おめでたい唄しか目に入ってこない。

そもそも葬式の唄って・・・・・

必死に考えているところで目が覚めた。







第8夢 招かれざる客

私の家のリビングルームにおおぜいの男たちが集まっている。

仕事や趣味の話に興じているが、内容がよくわからない。

妻や私の母、親戚のおばさんまでいて、一生懸命まかないをしている。

 (こいつら、俺とどういう関係だったかな)といぶかしく思うが、仕方なく私も接待に努めている。
 
やがて妻が美容院に行って来るといって、母たちを連れて出かけてしまう。
 
客の中のとりわけ人相の悪い男がいきなりタバコを吸い始める。

他の男たちも見習って一斉にスパスパやり始める。

部屋中煙だらけになり、けむくてたまらない。
 
隣の部屋に避難するように逃げると、そこに伯父のTが座っている。

(伯父は、実際に連れ合いのS伯母を先日亡くしたばかりである。) 

「おじちゃん、よく宮崎まで運転してきたね、疲れたでしょう。」とねぎらうと、
 
「まだまだ、運転はできるが、S(伯母の名)がおった頃のようなわけにはいかん。

あれが横に乗って道案内をしたり世話を焼いてくれとったから・・・・」と話してくれた。
 
(T伯父もS伯母が亡くなって淋しいのだろう。S伯母の声で喋るカーナビを車に着けてあげられないかな)

と本気で思った。
 
やがて、妻が美容院から帰って来る。

黒地の着物に紫色の袴を着けて明治の女学生か、成人式のお嬢様スタイルになっている。

髪は栗色でウェーブがかかっていて、ボリュームがあり、腰のところまで長く伸びている。
 
まるでアニメの「ハイカラさん」のような感じだ。

年も考えずにと思う反面、俺の嫁さんもまだまだ捨てたもんじゃないぞとつい思ってしまった。
 
元の部屋に戻ると、すでに電気が消え、男たちがあちこちに寝ている。

私は急に用事を思い出し、2階の書斎に上がろうとするが階段が見つからない。

あちこち探し、やっともう一つ向こうの部屋の奥に見つけた。

(あーあ、とうとう階段も忘れるようになった。いよいよボケの始まりだろうか。)

とがっくりしながら階段を登っていくと、

ここでも男たちがあちこちに布団を敷いてゴロゴロと寝ている。

 (こいつら早く帰ればいいのに)と思いながら男たちを押しのけているところで目がさめた。







第7夢 虫たち

もと居たマンションの部屋ようでもあり、別の場所のようでもある我が家に、

親戚のY夫婦の長男T君と長女Mちゃんが遊びに来ていてはしゃいでいる。
 
窓の外を見ると、高いマンションの屋上でスイミングスクールのイベントが開かれているらしく、

大勢の水着姿の子供たちと若い男女のコーチたちが色々なゲームに興じている。
 
そのうち、それぞれのコーチが子供たちを一人ずつおぶって、細いはしご階段を登り高架水槽の上へと上がろうとし始めた。

どうやら紅白に分かれてて、どこまで高く登れるかを競っているらしい。

(危ないな。やめさせよう。)と思って窓を開けたところ、

一人の男の子がコーチの背中ではしゃいでそりかえったと思うと

20〜30mの高さをまっさかさまに落ちていき、なんとも言えない「グシャッ」といった音で

コンクリートの地面に叩きつけられた。

子どもは一瞬だけ体をピクンとふるわせたが、そのまま動かなくなってしまった。

屋上の人達には、一瞬のどよめきとその後の沈黙があったが、何もなかったかのように再びゲームに熱中し始めた。

(何やってんだ!子供が死んだかもしれないのに)と思うが、私もT君やMちゃんの相手で、我が家を離れられない。

そのうち、屋上の子供たちが次々と飛び降り始める。

(あーっ)と思っていると、こんどは地面の上に大きな水槽がおいてあり、

すさまじい水しぶきをあげながら次々と子供たちが落ちていく。

突然Mちゃんが

「おじちゃん、隣の部屋に行こう」と私をしきりに誘うので行ってみると、

隣の畳の上では珍しい形のカブト虫やクワガタ虫などが無数にうごめいている。

(きっとY夫婦がT君に買ってあげたんだろう。

それにしてもこんなにウジャウジャになるほど買うなんて親バカにもほどがある。)と思っていると

虫たちが一斉に羽を広げて部屋の外に飛んでいこうとし始めた。

「Mゃん。虫がいなくなるよ。捕まえないといけないから速くお父さんとT君を呼んで来なさい。」

と言うが、Mちゃんはいうことをきかず、窓際の私の机の上でニコニコととんだりはねたりしている。

今にも開いた窓から飛び出しそうだ。

私はさきほどの子供の転落事故を思いだし気が気ではない。

Mちゃんから目を離さずに、一方では飛びだそうとする虫も一匹ずつ袋に入れなければならない。

あせっているところで目がさめた。







第6夢 まるで花と竜

何人かの土木作業員とともに、M建設(高校時代の友人M氏の経営する会社)のトラックに乗って、

作業現場に向かっている。
 
現場は崩れかけた険しい山の斜面である。

M君自ら、腹にさらしを巻いて、黒い半纏をはおりおおぜいの作業員を指揮している。

何かの工事か、あるいは災害復旧作業らしいが、とにかく私たちは懸命に働いている。
 
やがてM建設のライバル会社とケンカになったりするが、私が仲裁に入って事を収め、どうにか作業が終了した。

(まるで「火野葦平の「花と竜」の世界である)

全員がトラックに乗って帰路につく。
 
M社長が、今からみんなの慰労のためにキャバレーに連れていくという。

私は早く帰りたいので断ろうとするが、何故か今の職場の部下のH君が出てきて

「○○長(私の現実の職名)、つきあいですから行きましょうよ。」と行って無理に私の手を引いて連れていく。
 
キャバレーのドアを開けて入ると、暗い店内はいくつかの部屋に分かれており、

還暦をとうに過ぎたような、自称「美人ママ」が着物姿で出迎えてくれる。

笑うと見事に無数の「カラスの足跡」ができるので、私はつい珍しそうにのぞき込んでしまう。
 
ママの案内で地下の一室に連れていかれるが、

20〜30m下まで険しい階段(縄ばしごだったような気もする。)をへっぴり腰で降りていかねばならない。

階段の途中で下から登ってくる美人姉妹と会い、あいさつを交わす。

子供のPTAで一緒だった人たちのようにも思えるが、誰だか判らない。
 
ようやく地下の部屋に入ると、おおぜい人たちがゲームに興じている。

部屋に丸い円が描かれ、数か所にそれぞれの陣地があり、

円の真ん中のライトが点くと、各陣地の人たちがミニのオートバイに乗って、

他人の陣地の旗を奪い合うというゲームだった。
 
しばらく眺めていたが、全然おもしろくない。

「帰る。」といって店を出る。

途中まであのママが追ってくるが、引き留める手をふりほどいて足早に歩いていく。

 途中で、前の職場の上司K氏と出会う。

「どう?しばらく会わないけど頑張ってる?」

といつものやさしい笑顔で話しかけてくれる。

Kさんは手にいっぱい景品らしい品物を持っており、聞くとボウリングで優勝したのだという。

 Kさんと別れ、暗くなり始めた田んぼのあぜ道をてくてくと歩いていく。

両側は一面の実り始めた早稲の稲穂が緑の波となってうねっている。

(本当にきれいだった。)
 
そのとき携帯が鳴った・・と思ったら目覚まし時計の音で目が覚めた。





第5夢 まるで火事では・・・



家に帰ろうとしている。

高い石の階段を下りていくと、季節はずれだが桜の木が満開の花を咲かせている。

白っぽい色だが、何という種類の桜かよくわからない。
 
階段を下りてしまうと、向こうから妻がよそ行きの恰好で歩いてくる。

私を見つけるとニコニコと手をふって近づいてくる。
 
「ちょうどよかった。今でかけるところだったの。今夜は帰らないから。

そうそう、家で火を焚いてきたから、ちゃんと消してから寝てね。もう一度説明しておくわ。」

といって一緒に家路をたどり始める。



ふるぼけた我が家(明らかに私たちの家ではなく、何百年もたったような旧家だ。)に帰り着くと、

裏側の廊下のところがパキパキと燃えている。

(火を焚いてきたって、これじゃまるで火事じゃないか。消防署呼んだほうがいいかも)

と思うが妻はかまわずニコニコと説明を始める。
 
「裏のほうと、奥の押入のところを燃やしているの。

裏は、鐘つき堂(よく見ると確かに古い鐘楼が燃えている)が焼け落ちたら消して。

奥は押入の天袋まで焼いてから消して。

あなたはときどき忘れて寝てしまうことがあるから、気を付けてね。」
 
奥のほうに廻ると、こちらもすごい勢いで燃えている。



様子を見に押入の上にあがろうと、たてかけてあったはしご階段を登ろうとすると、

熱い火の粉が肩先に降ってくる。

「どうやって消せばいいの?」ときくと、妻は庭のホースを指さす。

いつも彼女が花に水をやっているホースだが、出してみると水はチョロチョロとしか出ない。
 
「じゃあ私は出かけるから、よろしくね。」と妻は出ていった。
 
裏に行ってみると、すでに鐘楼は焼け落ち、火はものすごい勢いになっている。

火の粉が干してあった布団に燃え移っている。

私はあわててホースの水をかけようとするが、チョロチョロ水でうまく消せず、ただ布団が濡れるだけだ。

(今夜寝る布団が台無しだ。また妻から怒られるかな)と思ったところで目がさめた。







第4夢 演歌歌手

どこかの安っぽいヘルスセンターの宴会場らしい大広間にいる。

私は、三波春男ばりのキンキラキンの着物を着て舞台のそでに立っている。

舞台には、「演歌の星!歌謡ショー」という看板がかかっている。

どうやら今から歌を披露するところらしい。
 
司会は、何と仕事仲間のMH氏が、これまたキンキラキンの背広に蝶ネクタイをしめて務めている。
 
「さあ、それではお迎えしましょう。永遠の美声、スエさんの登場です。」

MH氏の紹介の声と共に、メロディーが流れ出し、俺は誰かに背中を押され舞台の中央に出て行く。

割れんばかりの拍手である。
 
(さて、何を歌うんだったっけ?)と思って、イントロを聞いていると、曲に聞き覚えのあることに気づく。

(そうだ、水前寺清子のあの曲だ。)

と思うやいなや、俺の口から自分でもびっくりするほどの美声が流れ出る。
 
「ひとこぇ〜〜 ないてわぁ〜〜 旅から旅ぃへ」

こぶしも、節回しもすばらしい。

(俺ってこんなに歌がうまかったんだ・・・・・・)

うれしくて、適当にフリもつけながら歌っていると、会場は更に盛り上がってくる。

いつのまにか、水前寺清子が歌うときのあのかけ声が、客席の至る所からかけられる。

 「チィター! チィータァー!!」
 
俺はますますノッて、舞台をところせましと歌いまくる。

そのうち、客席のかけ声が微妙に変わってきたのに気づく。

最初は小さな声だったが、

「チィター!」が「ブゥータァー! ブーター!」となり、

だんだんと、

「豚ぁーっ! 豚ぁーっ!」

とはっきり聞き取れるかけ声になっていった。

(そうか、こいつら俺の歌を聞きにきたのじゃなくて、
    
単に肥満体の男をちゃかしに来ただけだったのだ。)
と気づく。

早く舞台から引っ込みたいと思うが、曲はまだ終わらない。

かけ声はますます高くなる。

恥ずかしくてたまらなくなったところで目が覚めた。







第3夢 大牛退治

時代劇の設定である。時は戦国時代か江戸時代。

私は武家の長男で、頭にチョンマゲを乗せている。
 
とてつもなく広い野原の真ん中にある古い城に来て、長い城壁の上を家族と歩いている。

あるじの男(私の父らしいが、見たこともない顔で、大きなひげを生やしている。)が、城壁の下を流れる川につり糸をおろしている。
 
「父上、その川には魚はおりませぬ。」

私が言うと、
 
「わかっておる。わしが釣ろうというのはあれじゃよ。」と夢の中の父が指さす。

指の先には、通常の3倍はあろうかという赤毛の筋骨隆々とした牛が、のんびりと草を食べている。

頭にはどでかいツノが生え、ひと突きで、数人の人間を殺せそうである。
 
父が、何かのエサがついた釣り針をこの牛の鼻先に持っていくと、すぐにカプリと食いついた。

父はつり糸をたぐり寄せる。

牛は暴れ始める。

父はそのまま巧みにつり糸を操って、数百メートルほどある城壁のまわりを走り回らせる。
 
怒った牛は、城壁を登り私たちに襲いかかろうとする。

そのうち牛が、家族の中の1〜2才の私の弟(?)にねらいを定めたのが判った。

(何故か判った。)

あわてて、母(これも見たこともない女だった。)がその弟を城壁のしたに投げおろし、

 「○○(私の名らしい)よ、※※(弟の名)を守ってたもれ。」

と悲痛な叫びをあげる。
 
私は急いで城壁の石垣を駆け下りる。

あとから、これも幼い妹がついてくる。

弟と妹を両脇にかかえ、私は逃げる。

牛の巨体がすぐ背後に迫る。

ハァハァいう牛の息づかいが背中に感じられる。

今にもツノを突きかけられそうだ。怖くてたまらない。

やっと城壁の裏側に逃げ込み隠れていると、
 
「やぁやぁ! 我は、鳥居原城(この城の名前らしい。)に巣くう魔物の牛を討ち取ったりい・・・」

という父の大音声が聞こえてきた。

おそるおそる出ていくと、

父に頭を落とされた大牛の屍が横たわっている。
 
そのうち役人がかけつけて来た。

取り調べの後、この城を父に与えるという。

何でもこの時代の法律では、城に住む魔物を退治した者に、身分に関係なくその城が与えられるのだそうだ。
 
「これでわしも城持ち大名ぞ。そちたちは、城の若様、姫様じゃ。」

父がうれしそうに言う。
 
城に入る準備をしているところへ、何故か私の娘(現実世界の人間として初めて登場)がやってきて、
 
「皆様のこの城入りの件は沙汰やみになり、あらためて隣の△△城が与えられることになりました。」

と言ったところで目がさめた。







第2夢 記者公表(※2)

役所の環境担当の課長(名前も顔も知らない人だった)が記者公表をするので、サポートについてこいという。
 
「スエ係長(私は前にいた課の係長ということらしい)が僕のサポートなの? まあ、いいか」

とくだんの課長が私に失礼なことを言って記者室で発表のコメントを読もうとする。
 
「係長、君のノートからメモ用の紙を2,3枚ちょうだいよ。」と課長が言う。

私の目の前には黒い表紙のファイル用のノートが置いてある。

大学の時から使っているノートだ。
 
このノートを開けて紙の白そうなところを破って課長に渡す。
 
「エ−・・」と言ったところで、課長の目が点になっている。

まゆをひそめて小さな声で

「何だよ、これは」と私が渡した紙を示すと、そこには豊満な女性のヌード写真が貼ってある。

私には全然覚えがない。
 
あわてて代わりの紙を渡そうとノートのページをくっていくと、

どのページもヌード写真やひわいな文言がのった紙が貼り付けられている。

私の向かい側にいる女性記者にしっかりと見られてしまった。

すごい形相で私を睨み付けている。
 
そのそばにはなぜか、元同僚のA子さんやB子さんらが座っていて、ヒソヒソと話をしている。
 
「スエさんって優しくてまじめな人だと思っていたのに、あんな人だったんだ。」

と言っているのが唇の動きで判る。
 
私はあせって更にノートをめくっていくが、至るところがひわいなページだ。

そして何と最後のページには特大グラビアのヘアヌード写真が貼られていた。

あわててノートを閉じたが、会場はざわめき、もう記者公表どころではなくなっている。

(たしか環境関係の公表だったはずだ。)と思った。
  
一瞬「公務員が記者らの前でひわいなノートを見せ、会場の女性にセクハラ!」

という翌日の朝刊の記事が頭に浮かんだところで目がさめた。

(※2:県や市などの行政機関がマスコミに情報提供する目的で記者クラブ等で行う発表)







第1夢 機長

妻、子どもたち、父、母など一族郎党を連れて、青島(※1)に海水浴にいくことになった。

行き先は宮崎空港。

何でも空の旅を楽しみながら青島に着くのだという。
 
(空港と青島は歩いても行けるほどの距離だし、青島に飛行機が着陸できる場所があったかなあ?)

と思うが、みんなはうれしそうにニコニコしている。  

空港に着くと、1人のスチュワーデス(きりりとした感じのすごい美人だった)が現れ、

私に優雅にお辞儀しつつ 

「スエ様、本日のフライトのお相手をさせていただきます○×と申します。

早速事前の打ち合わせを行いたいのですが・・・」と満面の笑顔で言う。
 
「えっ!打ち合わせ? なぜ私が打ち合わせをしないといけないの?」ときくと、
 
「本日のフライトのキャプテンはスエ様です。もうクルーが揃って、お越しをお待ちしているんですよ。

本日の搭乗便はジャンボジェットですので、入念な打ち合わせをお願いします。」と答える。
 
そういえば、一度航空機の操縦を習ったことがあった。(という気に夢の中ではなっていた。)

何が何かわからないまま、小さな会議室に連れて行かれると、

副操縦士、機関士、そして数名のスチュワーデスがおり、私の姿を見るといっせいに立ち上がった。
 
「キャプテン、よろしくお願いします。」
 
打ち合わせがいつのまにか終わり、機長の制服に身を固めた私は、

ドラマ「大和撫子」のようなスチュワーデスの美女軍団を引き連れ、さっそうと搭乗便に向かう。

客室には私の家族のほか、100人を超える乗客が乗っている。
 
広いコックピットの機長席に座ると、わけのわからない計器が目の前にいっぱい並んでいる。

やがてスチュワーデスのアナウンスが流れる。
 
「皆様、本日は青島行き○○便にご搭乗いただきまことにありがとうございます。

本日の機長はスエ、チーフパーサーは※※でございます。

本日の青島の天候は晴れ、飛行時間はおよそ1分(!)を予定しております。

まもなく離陸しますのでシートベルトはしっかりとお締め下さい。」
 
「キャプテン、イグニッションキーをオンにしてください。」

副操縦士に言われるままキー(車のキーと同じ場所にあった)を回すと、

プロペラ(ジャンボジェット便だったはずが、なぜかプロペラ機になっている)が回り始めた。 
 
機は少しずつ滑走路を走り始める。

滑走路の向こうに目的地の青島が見える。

離陸しながら、(どうやって青島に着陸させようか?)と必死に考えているところで目がさめた。 

(※1:宮崎市の南部にある亜熱帯植物の繁る島 夏は海水浴でにぎわう 宮崎空港とは目と鼻の先)



wiz_a.gif 192x260 7.10KB



BGM:「夢見る人」 by HP音楽研究室さん
挿入MIDI:「天国と地獄」by Love Pianoさん
挿入MIDI:「花笠音頭」by 日本民謡の世界さん
一部のアイコン:by 牛飼いとアイコンの部屋さん