作品創作の環境についてⅤ
創意と工夫・知恵と経験を共有する環境が大切です。
写真下はウッドバイス(30Cm挟み幅)。
バードカービングはじめた最初に購入したものです。
作業の安全性が第一と考えました。
写真下もバイスですが木製手作りです。
ある程度材料をつかみ幅や奥行きが必要ですから、
市販されていなければ自前で作るということもあります。
写真のような鑿や彫刻刀も使用しますが、
形態的に凸面で構成されている各部位の羽根を表現するのには
グラインダー(回転数35,000min)以上で切削力あるグラインダーが有効です。
中でもペパー類はよく使用します。KOUTAROU工房にて創作を楽しむ方で広末勝さんは、
グラインダーの構造に詳しいばかりでなく、ペパーなどの先端ビットへの作成等にも力量を発揮されています。
写真中央でペパーづくりの講習しているのが広末さん。右のコジュケイ・ツグミも広末さんの作品です。コジュケイの雛に鑑賞者が福岡土産の「ひよ子」を並べる。
ちなみに・・・広末さんは、彫刻刀などの手工具を使用されていません。
公民館でバードカービングを指導する人もいました。
退職教員で年金生活できることから指導の対価(月謝)は受け取らない。
「学校教育から社会教育」というわけで公民館利用は好条件のようです。
それ以前の1987年11月。
私は宮崎市中央公民館で「野鳥の木彫りを楽しむ会」を結成しました。
中央公民館は「工作室」という作業可能な場があったからです。
ノミや彫刻刀で野鳥彫刻を楽しむ共同研究でした。
とてもグラインダーを使っての作業は限界があったのです。
バードカービングだけでなく陶芸やら七宝焼きや等も活用する施設ですから・・
掃除をしてもグラインダー木屑はクレームがでます。
まして「工作室」でなく「会議室」ならなおさらでしょう。
バイスも作業机もなくグラインダーも使用せずに
公民館を創作環境としてバードカービングするなら
「自治体予算」でプラモデルのような「教材」を「期間限定の体験教室」となります。
多様な創作要求に応えた個性的・芸術的創作は、とてもできるとは思いません。
写真(左)の材料は実物大の野鳥です。 写真(右)はその中からコシジロヤマドリを完成させた甲斐さんです。
鳥の形態や生態を本気になって創作するなら、どんな道具や環境を整えるべきか?!
これまでの知恵・体験・創意・工夫は伊達でありません。・・・・Ⅵへつづく