創作の環境について 26
●バンドソーの目立て
●クラフト作家・清水和馬さん
工房に、バンドソーが3台あります。
汎用性あるのが、RYOBI製です。広葉樹ヘラノキを主材とすると、
鋸刃の幅10mmでピッチ8がちょうどいいと経験から学びました。
しかし周長1,855mmですから、ピッチ8の鋸刃を研ぐのは大変です。
かって摩耗して使えなくなったものは、廃棄もしていましたが、
グラインダーを工夫改良して研いで使うことにしました。
30年前、クラフト作家の清水和馬さんの工房に邪魔して、鋸刃の溶接をしてもらっていました。
そのころ自分は、中途半端でバードカービングかクラフトで実用性あるものを創るのか、
あいまいな時期がありました。しかし、同郷で同世代のクラフト作家として
生活している和馬さんには、羨望や生き方から学びを感じていました。
そして、「他者と同じでなくてよい!自分を構築する事が大切と感じた」ものでした。
私は、佐土原町に移住して25年になりますが、
当時、佐土原町で工房兼自宅にしていた和馬さんは入れ替わるように宮崎市の住宅地に引っ越すことになりました。
コンクリートの打ちっぱなしのモダンな建物で外から見ると、ここが創作工房であるなどとわかる人は少ないでしょう・・。
二人の娘さんも結婚して家から離れ、夫婦だけの住まいです。
時代に先駆けEV車に乗ってもいます。(素晴らしい!!)
当時、そんな彼が乗っていたジープを譲り受けたのも、彼のリスペクトからなのだと思います。
このページの取材のために伺った日(12・17)。
一番聞きたかったことは、「佐土原時代と比べ都市化した現在地。その自然環境の違いに創作的変化はないか・・?」でした。
しかし彼曰く、創作は引きこもりみたいな環境で創っているので影響ないという。
自分の作品が「売れるか否か」嗅覚鋭く、作品のあるべき今後を展望しているようです。
変わらぬ姿勢貫く「孤高のクラフト作家」と感じました。
これまで教室でなければ身分保障を得られなかった自分との生き方と矛盾するが、
確かに「創作は孤独」です。自然と対峙しながら作品に向き合うことで生まれます。
血圧高く糖尿の心配ありとのこと・・
健康に留意し作品創りを踏襲されることを祈っています。
最近作を見せてもらった。黒柿を彫刻したもの。
寄席木の華やかな彫刻とは違った。
帰宅すると菜園のハクサイ・キャベツ等も順調に育っています。妻が菜園に足を運んでいます。
「農芸一体」で、里山の自然と暮らすことが不可欠な要素となっています。
バードカービングKOUTAROU
gorosuke@miyazaki-catv.ne.jp