<2004年6月>
仕事帰りに、サラリーマンをやめて喫茶店を始めた人のところに立ち寄った。
まだ1ヶ月なので不慣れな面もあるようだが、なかなか繁盛している。
カウンターに座って珈琲を飲みながら、マスターとあれこれ話をした。
いつか、小さな喫茶店を持ちたい。
美味しい珈琲と本で、ゆったりとした時間を過ごせる空間を。
はじめの一歩をふみ出そう。
(2004/6/1)
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ここしばらくの無理がたたって、久しぶりに風邪をひいた。
今日はずっと部屋にいて、レンタルビデオで「僕の生きる道」を見た。
ガンで余命1年と診断された高校教師の、最後の日までの生き方を描いた人気ドラマだ。
「あなたが過ごした無駄な今日は、昨日死んだ人が痛切に生きたかった明日である」
今日一日を、もっと本音で生きよう。
将来のためだと思って、今を犠牲にするのはやめよう。
(2004/6/12)
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今日は、離れて暮らしている娘の、10歳の誕生日。
そして、僕が生まれて初めて父親となった、10回目の記念日だ。
会うことができなくても、血のつながった子どもを10年間毎日愛し続けた心の絆は、決して断ち切ることはできない。
本人が知っているかどうかはわからないが、最近はずっと図書券を贈っている。
「いい本をたくさん読みなさい」というメッセージが、今の僕にできる最高の教育だと信じているから。
離婚で父親に会えなくなった女性の、「子どもにとっては、あきらめの悪い親が、いい親なんです」という言葉を支えに。
(2004/6/15)
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風邪と思っていたら、「マイコプラズマ肺炎」だった。
市販の風邪薬が効かないはずだ。
咳をしてうつすといけないので、珍しく2日連続で仕事を休んだ。
病気というのは、「ちょっと頑張りすぎだよ」というサインかもしれないな。
トラブルや悩み事も同じで、きっと軌道修正のアドバイスなのだ。
今よりずっとハッピーに生きられる「前兆」だと思えば、ワクワクしてくるぞ。
(2004/6/16)
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体調が少し回復したので、飼い犬を「ドッグラン」に連れて行った。
全天候型の広々とした人工芝なので、犬が思い切り走ることができる。
他の犬ともうまく遊んで、楽しそうだった。
それにしても、若いスタッフたちのシステマチックで献身的な仕事ぶりには脱帽した。
しつけからシャンプー、グルーミングまで、犬の反応を見ていると次元が違う。
どんな世界でも、プロはすごいと思い知らされた。
(2004/6/19)
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この10日間で初めて、夜に咳き込むことなく眠ることができた。
しつこかった微熱もようやく抜けて、普通に生活できるようになった。
ごくあたりまえのことなのに、朝起きたときに「幸せ」を感じた。
「健康がすべてではないが、健康がなければすべてがない」という言葉がある。
幸せとは本人の心の持ち方次第だから、たとえ不治の病にあっても、「すべてがない」ということはないはずだ。
しかし、今まであたりまえと思っていたことが、実はとんでもなく恵まれて幸せなことだったのだ、という視点は忘れたくない。
(2004/6/20)
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ある女性からのメールに、私が「巨人の星」の父親のイメージだと書いてあって笑った。
「文武両道」という堅いサイト名と、生真面目そうな?文章のせいだろうか。
実際の私は、皇太子などと呼ばれる典型的なマイルド系なのに(笑)。
人からどう思われようと気にする歳ではないが、他の読者が抱くイメージがどんなものか、興味はある。
後天的な努力と、たぶん離婚によるトラウマで頑張ってきたから、ちょっと武装してしまったかな。
もともとは人見知りの引きこもり、低血圧で病弱、面倒くさがり屋、他人にも自分にも甘い男なのだが。
(2004/6/21)
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病み上がりで職場に復帰すると、膨大な仕事量と厳しい管理体制に、つくづくサラリーマン社会が「強者の論理」で成り立っていることを実感する。
弱者はドロップアウトせざるをえないが、無理して頑張ってストレスで倒れるくらいなら、まだ窓際のほうがマシかなと思う。
他人からの評価が、自分の心身の健康より大切、なんてことはありえないから。
病気やいろいろな出来事を通じて、自分の生き方をガイドしてもらっているように感じる。
今までは目標達成に向けて突っ走ってきたが、これからは流れに身をまかせて「がんばらない」ことにする。
弱い人、落ち込んでいる人、悩んでいる人のために語り、文を書いていこう。
(2004/6/22)
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県立高校の教師を定年退職して、家族でジャズ喫茶を始めた人の記事を読んで、さっそくその店に行ってきた。
やられた〜!
禁煙であること(絶対条件)、シブい内装とBGM、料理のきめ細かさ、器のセンス、美味しい珈琲、どれをとっても完璧だ。
できるものなら、今すぐにでも仕事を辞めて、理想の喫茶店を始めたい。
しかし、定年まで働いたあとでもこれだけのことができるんだ、と教えられる面もあった。
今後は毎週この店に通って、夢のイメージをより鮮明にしていこう。
(2004/6/24)