<2009年3月>

【学校と家庭の価値観】 3月29日(日)

ある教育評論家が、講演で「お父さんが毎日、子どもに勉強を教えてはいけません」と言って、参加者を驚かせたそうだ。
「学校の価値観と、家庭の価値観が同じになったらダメですよ。
 親が学校の先生と同じことをしたら、やがて金属バットで殴られますよ」

こんな話を聞くと、すぐ二者択一に陥って、「しまった、自分は家で教えている」と悩む人が出てくる。
別に教えてもいいじゃない、子どもが望むんだったら。
要は、「まったく同じ価値観になってはいけない」ということだろう。

会社と家庭の関係にも、同じことがいえる。
ある意味、学校も会社も「戦場」なのだから。
「家庭」がゆったりとくつろげる場になっていなかったら、親も子も気が休まる暇がない。

不登校の生徒から、「家でも親に責められて、居場所がない」という話をよく聞く。
そういう生徒たちは、やがて「街」や「ネット」に姿を隠そうとするようになるだろう。
家庭に安らぎがなくなった親が、家族に内緒でよろしくないことをするように。

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【ボコボコ】 3月28日(土)

お笑い番組を何時間見ても、ピクリとも笑えない私が、数ページ読んだだけで大爆笑が止まらなくなった本と出合った。
その本が、これだ(ワンツースリー)。
竹原慎二のボコボコ相談室

帯に、「日本で一番救いのない悩み相談室」とある。
竹原慎二さんは、ボクシングで日本人初のミドル級王座を獲得した人。
引退後は不遇が続いたが、テレビの「ガチンコ!ファイトクラブ」で一躍脚光を浴びた。

「小せぇことで、いちいち悩んでんじゃねーよ。
 お前らは足元ばっかり見とるけえ、小せぇことでぐちゃぐちゃ悩むんじゃ」

読者から寄せられる悩み相談に、自分なりの回答を考えてから竹原さんのページをめくると、毎回見事に裏切られる。

読者「仕事を辞めたいけど、自分が抜けたら回らなくなる」
竹原「お前なんかいなくたって、会社も地球もぐるぐる回るわ」

読者「もう辞めたい…、今のままだと、自分が消えそう…」
竹原「とっとと消えろや」

なんでこんなにおもしろいのかといえば、カウンセラーとしては絶対にありえない答えだから。
しかし実際には、「愛のムチ」こそ必要な、親に甘やかされた若者がますます増えている。
ちなみに、この悩み相談にクレームがくることは、ほとんどないそうである。

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【不登校】 3月27日(金)

昔講演を聞いたことのある人の本を、たまたま本屋で見かけてパッと開いた。
「不登校」という見出しで、ユニークなことが書いてあった。
よく人生相談を受ける著者から、学校へ行こうとしない生徒の母親への提言だった。

仮に学校でいじめられて、教師に相談すると、教師は相手に事情を聞くだろう。
すると相手は「チクッた」と怒って、ますます陰でのいじめが激しくなる。
親にも言ってもどうにもならないので、不登校や引き込もりになる。

そこで親が慌てるのは、考え方がズレているのだという。
ひょっとして自殺したかもしれない子どもが、安心して、落ち着いて、逃げ込める場所として家を選んだ。
「死なないでいてくれて、最後にうちを選んでくれてありがとう」と、手を合わせて感謝する方法もあると。

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【WBC】 3月26日(木)

日本の野球が、世界一になったそうだ。
チームが宮崎でキャンプしなかったら、たぶん聞き流していただろう。
格闘技派にとってWBCといえば、世界ボクシング評議会(World Boxing Council)しかないから。

野球音痴の私には、何度か負けても優勝できるシステムがうまく理解できない。
武道では「負け=死」を意味するし、格闘技トーナメントでも一度負けたらすべてを失う。
しかし敗者が復活できるスポーツのほうが、人に優しくて、現実生活に合っているのだろう。

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【1%の感動】 3月25日(水)

一時期「ヤンキー先生」とかで話題になった義家弘介さんが、次のように言っていた。
「教育とは9割が悪夢だ。
 けれどその9割に本気で向き合えば、残りの1割がとてつもない感動になる」

教師にもカウンセラーにも徹しきれない「教育相談」では、むしろ99%が悪夢といえるかもしれない。
しかしその99%に本気で向き合えば、残りの1%が感動になることもある。
そのひとつが今日だった。

進級が非常に難しかった生徒が、補講科目の1つである家庭科の調理実習で、親子丼を作って持ってきてくれた。
詳しくは書けないが、それ自体、ちょっと前までは想像もできなかった出来事なのだ。
本当によくがんばってくれた、君はもう大丈夫だ。

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【胎動】 3月24日(火)

夜寝るときに妻のお腹に手を当てると、初めて胎動が感じられた。
小さな足で「ポコッ」と蹴っているような感じ。
いろんな意味で、感動してしまったよ。

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【桜】 3月23日(月)

例年よりやや早く、自宅前の河原は桜がほぼ満開。
広がる青空と、薄桃色のコントラストが美しい。
先日行った西都原では、桜が菜の花を追いかけるように彩っている。

美しく咲き誇り、やがて散っていく桜。
そこにある種の「はかなさ」を感じる人もいるだろう。
だが、本当にそうだろうか?

我々人間なんかより、桜の木のほうがずっと寿命は長い。
「人間ってセミみたいに短命で、はかない存在やな〜」
なんて思っているのは、衣替え感覚しかない桜のほうかもしれない。

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【大きな幸せと小さな幸せ】 3月22日(日)

昨日は映画「イエスマン」で爆笑。
人づき合いの悪い男が、何にでも「イエス」と言う自己啓発セミナーで変わっていくコメディ。
ジム・キャリーは裏切らないなあ。

今日見たのは、DVD「ハンサム★スーツ」。
ブサイクな男が、不思議なスーツを着てハンサムな人気モデルに変身し、人生を変える。
こちらも爆笑の連続、そして最後はけっこう考えさせられる。

「僕は夢が叶って、ひとつの大きな幸せを手に入れました。
 でもその代わりに、たくさんの小さな幸せを失ってしまいました」

小さな幸せとは、何でもない日常の家族や友人たちとのふれあいや、儲からない仕事でお客さんの笑顔を見る喜び。
成功をめざす人は依然多いようだが、イコール幸せにならないのが、人生のおもしろいところ。
幸せの定義は、人それぞれなのだ。

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【お地蔵さま】 3月21日(土)



自宅の近くに、今どき珍しい「お地蔵さま」がある。
けっこう大きな通りに面していて、くり抜くように家の敷地があるので、昔からそこにあったと思われる。

車で通ると、たまに近所のおばあちゃんが手を合わせている。
お供え物も、いつも途切れることはない。
宮崎市内こういう風習が残っているのも、ほのぼのとしてていいなあ。

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【戌の日】 3月20日(金)

戌の日の安産祈願ということで、両親も一緒にお参りとお祝いの食事会。
まあ今までいろいろあったというか、人生わからないというか、とにかく感慨深いのひとこと。
これからどうなるのかも、まったく予想がつかないが、とにかく家族のために生きていこうと思う。

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【ありふれた奇跡】 3月19日(木)



山田太一さん最後の連続ドラマ、「ありふれた奇跡」の最終回。
このドラマのテーマは、山田さんによると、「マイナスを持っている人のお話」。
マイナスというのは、「かつて死のうとしたことがある人」のことだそうだ。

加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)の関係より、藤本(陣内孝則)がどうなるのかが楽しみだった。
藤本は交通事故で一瞬に妻と娘を亡くし、自殺までしかけた病的な中年男。
ラストのセリフ「オレ、独りじゃないよ」は、予想してなかっただけに、「やられた〜(涙)」。

戦争を体験した山田さんから見ると、多くの人が奇跡のように元気に生きている。
平和、便利さ、楽しみがあふれているのに、みんなそれを奇跡だと思っていない。
それどころか、日本の自殺者数は年間3万人を超えている。

私は日々悩み相談を受けて、落ち込んだ表情や、暗い話ばかりと接している。
「傷ついた」彼らは、自分がどれだけ恵まれた時代を生きているか、まったく見ようとしない。
甘えといえばそれまでだが、それ以前に「情報不足」や「体験不足」なのだろう。

「君には二つの生き方がある。
 奇跡など起こらないと信じて生きるか、すべてが奇跡だと信じて生きるかだ」
(アインシュタイン)

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【縁と縁】 3月18日(水)

仏教の「縁」の考え方について。
次のことが昨日と同じ小冊子に書かれていて、妙にしっくりきた。

原因の「因」、結果の「果」、つまり「因果」。
因果の間には、必ず「縁」がある。
ものごとはすべて、「縁」と「縁」で成り立っている。

「善い人」も「悪い人」も、たまたま「縁」でそうなっただけ。
悪いことをしていないのは、人間ができているからではなくて、そういう「縁」だったということ。
現在の生活を失い、路頭に迷う「縁」になったら、同じ人でも生きるために悪事を働くかもしれない。

朝起きて、焼きたてのパンにバターをたっぷりぬって、熱い紅茶をいれるような生活も、また「縁」。
たまたまそんな「縁」にめぐり合ったのだから、今それを楽しむのは自由である。
その中で「縁」のあった人や出来事に、自分の「縁」の中でできるだけのことをすればよい。

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【拍子木を叩いて】 3月17日(火)

図書館でパラパラとめくった小冊子で目に止まった、シンガー・ソングライターみなみらんぼうさんの言葉。
まったくその通りだと、特に最近実感しているので、コメントなしで。

「僕らは短い期間で大金持ちになったり、名声を得たりした人を幾人も知っている。
 そうした人を見ると、成功につり合いがとれるほど幸せかというと、そうでないことも実は知っている。
 拍子木を叩いて、町内の安寧を守るほうが、億万長者より幸せだというのは皮肉でも何でもない。
 本当なのだ」

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【三分坊主】 3月16日(月)

英語学習やウェイトトレーニングについて、「どうしたら継続できるか」とよく聞かれる。
「継続力がなくて、三日坊主なので」と。

「三日坊主を何回も続ければ、継続してるのといっしょだ」
そんな気休めの言葉をよく聞く。

でも私なんか三日坊主どころか、一日しか続かなかったことも多い。
そこで、こう開き直ってはどうだろう。

「一日坊主を何十回も続ければ、継続してるのといっしょだ」

「なんなら三時間坊主、三十分坊主でもいいじゃないか」

「いっそのこと三分坊主、三秒坊主でも、やらんよりマシだ」

実際、部屋の掃除でも最初の3分ほどやれば、体がのってきて最後までやったりする。
掃除に手をつけるまでの心理的エネルギーを100とすれば、そこから終わるまでは10くらいではないだろうか。
それだけ、行動に移す抵抗力は大きいということだ。

そこで、最初の質問である「どうしたら継続できるか」の答え。
(1)英語学習 → 「一日一個だけ、単語を覚える」
(2)筋トレ → 「一日一回だけ、腕立て伏せをする」

それでも続かなかったら?
それは、あなたにとってまったく続ける必要のないことに違いない。
そこまで意地になって「続けないことを続けている」、自分の「継続力」のすごさに感動したらいい。

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【黄色】 3月15日(水)



菜の花を見に、妻と西都原を散歩。
桜はまだだったが、一面に広がる黄色がまぶしかった。

いつも思うのだが、花ってよくこんな鮮やかな色が出せるよな〜。
神様がつくったとしか思えない。

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【どつかれろ!】 3月9日(月)

3月4日に紹介した「誰も知らない泣ける歌」に出演した桑島さんから、番組を録画したDVDが送られてきた。
「まだまだお互い中年パワーで頑張りましょう。押忍(オス)」

さっそく見せてもらって、そのエネルギーに打たれた。
『一撃〜もう一度一歩から〜』という曲だが、まさにその迫力に一撃をくらった。
娘さんとの映像も出て、泣けた。

桑島さんの信念は、シンプル。
「一生懸命に生きるということが大事」

インタビューでは、次のように語っていた。
「ガタガタ講釈をたれたりとか、理論じゃなくて、一発どつかれろ!と」

この一言で思い出した。
当時の自分を。
オレは極真空手をやって、どつかれながら、「一撃」のために熱く生きていたんだと。

なんかもう最近、ひ弱さをごまかす屁理屈ば〜っかり聞いて、嫌気がさしていたところ。
そして自分もいつの間にか、泥臭さを避けてスマートに生きようとしていた。
どつきどつかれの極真魂に火をつけて、真正面から堂々と立ち向かう気概が湧き上がってきたぞ。

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【生きる】 3月8日(日)

2月24日の「落書き」にで紹介した、「君に贈る最後の手紙」。
原書も購入して、何度も読み返している。
その中で、いちばん心に引っかかっている言葉。

ぼくは自分の半生を通して人に生きることを教えてきた。
 しかし思い返してみると、ぼくは駆けずり回っていたせいで『生きる』ことをしてこなかったのだと気づいたんだ


(I spent half of my life trying to teach others to be ‘present’ but, looking back, my own hurrying kept me from being as present as I might have been.)

こう書いた3年後、作者のリチャード・カールソンさんは、仕事に向かう飛行機の中で急死する。
この事実はショックだった。
自分もやりかねないな、と思って。

毎日人の世話で走り回ってばかりで、私も自分が「生きて」いなかったかもしれない。
カウンセラーとしてもそうだし、授業も、ある意味このホームページにしても。
何の反応も示さない相手、実体のない人々に向かって、「生きよう」と訴え続けてきたようなものだ。

膨大な時間とエネルギーを消費してきた。
もちろん「浪費」とは思っていないが。
それなのにその内容なんてCD-ROM1枚分にも満たず、ワンクリックで瞬間消去できる程度の量に過ぎないのだ。

これからは、「自分が」ちゃんと生きよう。
何よりも、家族との時間を大切にしよう。

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【アラフォー】 3月7日(土)

「アラフォー(Around 40)」という言葉がある(あった?)そうだ。
どうせ流行り言葉だろうから、後世のために書いておくと、「40歳前後の人たち」のことらしい。
まだそこそこ元気なんだけど、少々お疲れ気味で、青春はとっくに過ぎて、ノスタルジーだけ残ってるような。

それに関して、たまたまYouTubeでおもしろい歌を見つけた。
といっても芸能情報ゼロの私のことだから、みんな知ってるのかもしれないが。
同世代だから、懐かしくてしみじみした。

人生という名の列車」(馬場俊英)

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【もう一度一歩から】 3月4日(水)

大学時代、一緒に極真空手道場に通っていた北海道の俊也さんから、メールがあった。
西田敏行さん司会の日本テレビ「誰も知らない泣ける歌」に、当時の大先輩(現香川支部長)桑島保浩さんが出演していたと。
THE BLACK BELTS(黒帯)というバンドを率いて、道着姿で歌っていたそうだ(残念ながら宮崎では放映なし)。

歌は、『一撃〜もう一度一歩から〜』。
桑島さんはあのアンディ・フグと世界大会で闘い、道場を開いたあと、全日本チャンピオンにまで登りつめた人。
YouTubeでその様子を見たが、あいかわらず熱く、誰からも慕われそうないいオヤジになっていた。

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何でも手に入る時代 甘えた子供らは言う
欲しい物が やりたい事が わからない やる気がない

ビー玉の様な目をした若者が部屋にこもる
くだらない画面の情報で 汚されていく心

wowwow 一撃が俺を変えた
ど派手に殴られて目の前が闇になった
最後に光った星は 本当の神様みたいだったから

さぁボロぐつのひもを しっかり結び直して
白い吐息冬の空にはいて
もう一度一歩から もう一度一歩から

+++++

空手を教えながらバンド活動をする桑島さんのエネルギーの源は、脳性麻痺の娘さんらしい。
ブログでその心意気を読んで、目頭が熱くなった。
みんなそれぞれ、自分の人生で格闘し続けているんだなあ。

ライブ動画はいろいろアップされているが、ここでは個人的に懐かしいものを紹介する。
あれからもう20年以上も経ったのか…。

http://www.youtube.com/watch?v=USYaWZP9ZCo

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【三十九枚の年賀状】 3月3日(火)

ビックリした。
1月11日の「落書き」に書いた、昭和の宮崎が舞台の映画「三十九枚の年賀状」。
東国原知事も出演しているこの映画、なんと原作は母方の親戚だった。

平成16年度に九州電力の「お茶の間エッセー」で特選となった、松浦百合子さん。
これを読んだ弟で映像作家の図師三千男さんが、初めて映画監督として撮影した作品だという。
宮崎での先行上映が終わり、3月7日から全国の映画館で上映されるらしい。

http://m.kyuden.co.jp/essay_20_essey1

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【進化】 3月2日(月)

妻のお腹の中にいる子どもを、産婦人科のエコー映像で見せてもらう。
すっかり赤ん坊の形に育って、元気に動いていた。
豆粒みたいだった最初の頃と比べて、すごいスピードで「進化」している。

つくづく、女性はすごいと思う。
十月十日、お腹の中に別の生き物をかかえて生活するのだから。
お産も含めて、男にはとてもできないことだ。

親が嫌いとか、愛されてないとか言う人がいるが、そんなわけはない。
生むという決断をして、つわりに苦しみながら何ヶ月も気をつけて過ごす。
そして命がけで生む、それだけでも愛がなければ決してできないことなのに。

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【苦手な卒業式】 3月1日(日)

毎年この日になると、いたたまれないような気持ちになる。
何もしてやれなかったのに、「先生ありがとう」「お世話になりました」なんて言われるから。
式が終わったら、そそくさと昼食に出かけて身を隠す。

本当は一人一人に、いくら時間を使っても語りつくせない思いがある。
それだけに、直接面と向かわれたら、うまく言葉が出なくなる。
人生楽しめよ、幸せになれよ。

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