<2005年2月>

【コーチング講座4】

コーチングには、自分やのタイプを「コントローラー」「プロモーター」「サポーター」「アナライザー」の4つに分けて、コミュニケーションの対応を変える技術がある。
今日はその診断テストを受けて、参加者はそれぞれのタイプを知った。

私はやや「プロモーター(企画好きで人に影響を与えたがる)」の点数が高かったものの、他の3つもほとんど同じだった。
多重人格か(笑)、それとも柔軟性があるというか。
この数年間さまざまなものの見方を学んできたので、単純に良い悪いがつけられなくなったようだ。

人に何かを依頼するときなど、内容が同じでも相手のタイプによって違う表現を使う必要が出てくる。
こちらの言葉や態度、両者のタイプの組合せによって、相手の反応も変わってくるわけだ。
今までのミスコミュニケーションの原因がわかって、改めてコミュニケーション技術を学んでおくことの大切さがわかった。

南国宮崎に数年ぶりの雪が舞った夜、講師と参加者で美味しい釜揚げうどんを食べに街へ出た。
寒くて体が冷え切っていた分、熱いうどんが体にしみて幸せだった。

(2005/2/1)

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【優しい時間】

めったにテレビは見ないが、最近「優しい時間」というドラマだけは欠かさず見ている。
息子の起こした交通事故で妻を亡くした男が、商社を辞めて妻の故郷である北海道の富良野で、「森の時計」という喫茶店を始める。

マスターは、断絶した息子との微妙な関係や喫茶店で起こるさまざまな出来事に、けっこうウジウジと落ち込むのだ。
主人公がヒーローなどではなく、落ち着いているようですぐ動揺し、強そうに見えて弱くもろいところが、またいい。
それにしても寺尾聰、実にシブい老い方をしてるなあ、年を重ねるのが楽しみになる。

店を閉じたあとの夜、息子が焼いたとは知らない陶器で珈琲を飲みながら、妻の幻影としみじみ語るシーンが毎回のラスト。
このときの会話の、妻役である大竹しのぶの言葉が素敵で、癒される。

「森の時計」では、亡くなった妻が言っていたように、お客にミルを渡して珈琲豆を挽かせている。
このアイディア、将来の店でいただき!
ああ、また喫茶店がやりたくなってきた。

(2005/2/3)

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【新垣勉さん】

以前「言葉」に書いた、「1000の風 」。
これを作家の新井満氏が「千の風になって 」に再編集して、それがとうとう歌になった。
美しい声で歌っているのが、「さとうきび畑」などを歌っている新垣勉さん。
歌詞やメロディもすばらしいのだが、新垣さんの生きてきた背景を知ると、より深く聴こえてくる。

生後まもなく、助産婦の過ちで家畜を洗う劇薬を点眼され失明。
1歳のときに両親が離婚し、沖縄米軍兵だった父親はアメリカに帰国、母親が再婚したので祖母に預けられるが、祖母が他界して天涯孤独の身に。
両親や助産婦に強い憎しみを抱き、自殺を図ったこともある。

ある日ラジオで流れてきた賛美歌にひかれて、教会に足を運んだことがきっかけで、牧師に育てられる。
大学で日本人離れした歌声を賞賛され、「この声は父親からもらったものだ」と感謝できることに気づく。
今は「父親の前で歌いたい。自分の歌で一人でも元気になれば、自分は生きているだけでうれしい」と思っている。

私の歌が、少しでも皆様の励みや勇気となり、私の歌で、人や自分を愛すること、許すこと、そして、一人一人がかけがえのない存在だと感じて頂く事ができましたら幸いです

人と競い合って、ナンバーワンを目指す人生ではなく、ひとりひとりの輝きを持ったオンリーワンの人生を大切に

(2005/2/5)

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【テルミー】

整体と指圧をやってもらうのに、いい人たちと出会って助かっているが、最近ハマっているのが「テルミー」という温熱療法だ。
点火した線香を銅でできた筒状の器に入れ、2本で頭のてっぺんから足のつま先まで撫でたり圧したりしてくれて、メチャ気持ちがいい。

宮崎県串間市で開業しているNさんという女性にやってもらっているのだが(週末は「夢見が丘」でも営業)、実に上手くて一生懸命やってくれて、気持ちまで明るくしてくれる。
今日は彼女にわざわざ自宅まで来てもらって、両親にもじっくりやってもらった。
二人とも大喜びで、元親不孝者、現在孝行息子の私としては大満足だった。

特に母親は、残念な亡くなり方をした祖母から生前テルミーに似た温熱療法器を買ってもらったことがあり、不思議な縁を感じていたようだ。
Nさんとは小林正観さんの講演会がきっかけで知り合ったのだが、私にはどうも祖母が母に与えてくれた出会いのような気がする。
ばあちゃん、ありがとう。

(2005/2/6)

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【林英哲さん】

英語の授業で、世界的な和太鼓演奏者の林英哲さんのことを生徒たちと学んでいる。
林さんは伝統的な奏法の常識を超えて、観客に背を向けて太鼓を打つスタイルを確立した人だ。
初の和太鼓ソロ奏者として、ニューヨークのカーネギーホールでデビュー。
ジャズピアニストの山下洋輔さんとのセッションなど、日本人として個性爆発の活動を続けている。

林さんのおもしろいところは、もともとグラフィック・デザイナー志望で美術大学への進学をめざしていたこと。
浪人中に、深夜ラジオで憧れのデザイナー横尾忠則さんが来ると知り、佐渡の夏季学校に参加。
そこでたまたま和太鼓集団の創設にかかわり、そのまま無報酬で11年間、体力づくりと太鼓たたきに没頭していたそうだ。

生徒と黒柳徹子さんとの対談番組を見たが、二人とも世界で活躍しているさまざまな人との出会いを通して、わかったことがひとつあると言っていた。
それは、「人生こうなりたいと思っていたからこうなった、ということじゃない人が圧倒的に多い」ということ。
ほとんどの人は、まるで何かに導かれるように、予想もしなかったような仕事についていると。

林さんの転機は、小澤征爾さんのオーケストラで演奏する前に、長距離バスのグレイハウンドでアメリカ大陸を横断しているときのことだった。
グレイハウンドは運賃が安く、比較的貧しい人たちが乗るのだが、その人たちを見ながら、「この人たちはひょっとすると、一生自分のような大きな舞台に立つ機会を与えられることはないかもしれない」と感じたそうだ。
自分にはこんなチャンスが与えられているのだから、中途半端な気持ちではやるべきではないと、機関車の路線が「ガチャン!」と変わるような音が、頭の中に鳴り響いたという。

演奏の前は、「カーボローディング」の食事法を採用しているそうだ。
2日前は肉・卵・牛乳などのタンパク質中心にしておいて、でんぷん質が干上がったところで、翌日にごはん・パン・パスタなどを食べる。
そうすると、エネルギーとなる糖質が効果的に吸収され、体をガンガン動かしてもパワフルな状態が続き、疲れなくなる。

林さんを見て驚くのが、どう見ても30代にしか見えない若さなのに、なんと50代だということ。
自分の生活のほとんどを、大好きなことに集中しているからだろうか。
体の筋肉もすごいし、長くトレーニングを続けることの効果を見せつけられた。

「20代の頃より、筋力や体力は落ちているかもしれません。
しかし年を重ねることによって記憶した量、鍛えられた神経、経験の長さによってますます表現力が広がっているように感じます」
何もかもが、私の志す武道の世界と同じで興味深い。

(2005/2/7)

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【日野原重明さん】

生きかた上手 」でベストセラーを出した、93歳の現役医師、日野原重明さんの講演会に行く。
なんと違う場所で本日2回目の講演、しかもテーマはまったく別である。
3000人を前にして90分間しゃべりたおしで、ステージの上をガンガン動き回るスーパーじいちゃんだった。

「発想の転換をしなさい」「挫折は成長するチャンス」など、よく耳にする話でも、この人が言うと説得力が違う。
午前2時就寝、7時に飛び起きて牛乳を1本だけ飲み、毎日18時間は精力的に働く。
連れて行った両親もずいぶん刺激されたようで、帰りは4階の会場からエスカレーターを使わず、階段を歩いて降りた(笑)。

<行動がエネルギーを与える>

日野原さんは、空港などで動く歩道を使っている若者を、普通の通路で速歩きして追い抜くのが快感なのだそうだ(笑)。
その快感が、ますますエネルギーを与えてくれるという。
休んでエネルギーをチャージするのではなく、「自分の行動によって内的なエネルギーがわいてくる」。

悩み事があったら、じっと考えていても落ち込むだけだから、とにかく歩け、体を動かせと。
人間は速く歩いているときには悩めないようにできているので、どんどんスピードを速くするといい。
と言いながら実際に速歩を見せてもらったが、なんだこの老人は!?と驚くほどの元気さだった。

<行動力はどこからくるか>

(1)ある事件で目が覚めて、目からウロコ状態を経験する。
(2)理想のモデルに出会い、刺激とエネルギーをもらう。
(3)生活スタイルや環境が変わったとき(引越しなど)に、思い切って新しい発想で行動する。
(4)辛かったこと・困難な状況・不幸な体験によって感性が磨かれ、人の痛みがわかる温かい人間に成長できる。

<ハングリー健康法>

日野原さんは、朝食と昼食は牛乳1本とせいぜいクッキー2〜3枚。
夕食だけ普通に食べて、一日の摂取カロリーは1300にしている。
そして、毎日体重を量るのが健康のポイント。

常識では朝食はしっかり食べる、栄養バランスのいい食事をするということだが、実感としては必ずしもそうではないようだ。
動物実験でも、エサを少なくしたほうが明らかに長寿である。
特に年をとってきたら、食事は減らすほうが長生きできる。

<自分の時間をどう使うか>

人生=時間。

自分の時間の使い方を「選択」することが、人生の充実感につながる。
特に(1)環境、(2)仕事、(3)食品と嗜好品、(4)運動・趣味・レクレーション、(5)人やグループとの交わりは、より質の高い選択を心がけるべきである。
レベルの低い危険分子を除去し、どうでもいいような活動に時間つまり人生を切り売りしてはならない。

<希望(hope)と欲望(desire)>

希望は「在ること(Being)」、欲望は「持つこと(Having)」。
希望は「内なる我」、欲望は「外に飾る君」。
フロムの言葉だそうだが、心の幸せと物質的な成功との対比に似ている。

希望の光は、暗闇の中で見える。
「耐えて待つ」ことの中に、希望を抱く力を、人は持っている。
希望を持って生きること、人に希望を与えながら生きることが大切。

(2005/2/7)

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【コーチング講座5】

毎回新しい気づきがあって楽しみなこの講座も、5回目となった。
今日のテーマは、「依頼」。
人にものを頼むときのポイントを学んだ。

まずは前回の4つのタイプによって、どのように話をもちかけたらいいのか、具体的に話し合った。
自分が今頼みたいことを、参加者同士で演習してコーチにコメントしてもらう。
私は仮に「自分のやりたい活動に集中するために、事務を引き受けてくれる秘書がほしい」といったことを話してみたら、評価は75点だった。

あと25点は何だったのか。
それは、「熱意ある目的」と「具体的に描けるイメージ」が欠けていることだった。
何のために?そして、頼むほうも頼まれるほうも、頭の中にワクワクするような絵が描けることがポイント。

最後に、コーチの古賀さんが、「ぞうすいを食べに行こう」という提案を見本として実演。
寒い夜に店の戸を開けて、暖かい湯気の中で仲間で話をして盛り上がりながら、ハフハフと熱いぞうすいを食べて体も心も温まっているイメージがリアルに描けて、思わずよだれが出そうになった。
で、言っている本人もその気になってしまったようで(笑)、講座が終わってから本当にみんなでぞうすいを食べに行った。

(2005/2/8)

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【プロジェクトX】

一昨日に講演を聞いた日野原さんが出演した、NHKの「プロジェクトX」をビデオで見た。
サリン事件が起きたパニック状態の中で、被害者を無条件で全員受け入れたときの話だ。
今さらだが、このヒト本当にスゴイ人だ。

理事会の反対を押し切って、音楽ホールや礼拝堂のある超豪華な聖路加国際病院を作ると決めたのが、なんと81歳のとき。
戦時中に病院や医師が足りず、傷ついた人々が死んでいくのを見たとき、いつか大災害が起こっても対応できる病院を作ると決意していたそうだ。
夢の現実化にまったくためらわない生き方には敬服する。

それにしても、不思議だ。
私にはどうも、サリン事件のようなとんでもない「災害」が起きることがわかっていて、日野原さんのような規格外の人間を存在させたような気がしてならない。
逆に言えば、たとえば「私は本を書く」「セミナーをやる」などと決断した瞬間、同時にその読者や参加者も生まれるようにも感じるのだ。

(2005/2/9)

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【珈琲ボランティア】

最近、お年寄りの人たちに何かできることはないかと考えていた。
すると、さっそくシンクロニシティ。
施設に働く女性と話す機会があり、「老人ホームに慰問して、自慢の美味しい珈琲でもいれてあげれば?」とアドバイスしてもらった。
読者の方からもメールで「元気でいてもらうには、用事を頼むこと」と教えてもらって、最近見ているドラマ「優しい時間」の喫茶店のように、おじいちゃんおばあちゃんに珈琲豆をひいてもらうのもいいな、とひらめいたり。

最近特に感じるのだが、あることを考えて行動を始めると、必ずといっていいほどそれに関連する人や情報が集まり、それなりのムーブメントに展開していくようになった。
さらに、いいことをすればいいことが、悪いことをすれば悪いことが、原因と結果の法則として短時間のうちに自分にはね返ってくるのを実感する。
長年精神世界の研究をしている人から、「投げかけたものが返ってくるという自然法則の現実化が、短くなればなるほど、精神レベルが上がっている証拠」と言われたが、どうなのだろう。

まあ、それはそれとして。
インディアンの社会では、老人と子どもが尊重されるという。
老人は今までをつくってきてくれた知恵を持つ存在だから、そして、子どもはこれからをつくってくれる可能性に満ちた存在だから。
いちばん動かなくてはならないのが若者で、誰もがそれを自然なことだと考えている。

ところが日本では、街もイベントも人とのかかわり方も、すべてが健康な若者のために作られているように感じる。
お年寄りや社会的弱者が、小さくなって隅のほうを歩いている社会は、どこかおかしいのではないだろうか。
偉そうに言ったところで大したことはできないので、自分ができる小さなことから始めよう。

(2005/2/13)

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【新幹線乗り遅れ】

14日から修学旅行で関西・関東を回り、4泊5日で今夜帰ってきた。
とてもためになるハプニングを体験したので、書いておきたい。
京都から東京に向かう新幹線に、約190名の生徒と引率者全員が乗り遅れてしまったのだ。

原因は、旅行業者も教員もJRも旅館も、みんなが好意で一生懸命やったことが、たまたますべて裏目に出てしまったこと。
しかし、生徒も含めて全員が協力して、その状況の中でできるベストの対応をした結果、次の新幹線の自由席に乗車することができた。
といっても、全員は座ることができないので、女子生徒を優先的に座らせていった。

ここで見直したのが、日頃よく教師から注意を受ける、元気な男子生徒たち。
一言も文句を言うことなく、車両のつなぎの部分に東京まで立ち続けた。
途中の駅で席が空いたから座らせようとしても、「一般のお客さんが優先だから」と、すぐに戻ってくる。

「おまえら、男だ!(笑)」と全員にジュースをおごり、約2時間半立ったまま、今回起きたことのいい面について話した。
誰もケガをしなかったこと、ブーイングが出なかったこと、お年寄りに席を譲る生徒がたくさんいたこと。
イザというときの態度で、生徒から教えられることがたくさんあって、座れなかったのはラッキーだった。

東京に着いたら、今度は観光バスが一般の車と接触事故。
昼食が1時間遅れたが、誰も文句を言わないどころか、「事件」の連続をみんなで笑いとばす雰囲気だった。
新幹線に乗り遅れるという前代未聞のできごとは、深刻なトラブルなどではなく、成長のためのハプニングだったのだ。

(2005/2/18)

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【昇段審査】

修学旅行から帰った翌日、道場生がテコンドーの昇段審査を受けるため、東京にトンボ返り。
テコンドーは「ただ強ければいい」という武道ではないので、大会試合と同じく型・組手・試割りなど、さまざまな面から審査される。
また、有段者は1対1の攻防だけではなく、相手が2人または3人といった状況でも組手をやらねばならない。

厳しい審査が終わると、いよいよ黒帯の授与式。
やめなかった者だけが味わえる、感動の瞬間だ。
紳士の武道らしく、賞状といっしょに師範から笑顔で赤いカーネーションが渡される場面もよかった。

(2005/2/20)

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【コーチング講座6】

今日ほどコーチング講座を受けてよかったと思ったことはない。
9回分の料金を、今日1回だけで支払っても惜しくない内容だった。
私のライフワークに直結する「教える」がテーマで、技術的なことに加えて、本質的なことに気づかせてもらった。

私も「英語教育達人セミナー」をやっているので、教師のもっていき方で、生徒の反応がガラリと変わることは実感している。
しかし残念ながら、ほとんどの学校では教師が教科書を淡々と教えて生徒は要点をノートにまとめるといった、何の工夫もない授業になっている。
今日はコーチング的な「質問→自分の答を引き出させる→興味をわかせる→教える→練習→学んだことを聞く」という展開法を見せてもらった。

以前、教師として「やさしさ」と「厳しさ」のバランスが難しいと思っていたことがある。
どちらのスタイルでいこうかと。
でも、目の前の生徒に対して「本気」でありさえすれば、どっちでもいいんだよね。

(2005/2/22)

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