■シティ・オブ・エンジェル
死者を天国へと導く天使、セス(ニコラス・ケイジ)は、医師のマギー(メグ・ライアン)に恋をする。
患者の死を悲しむマギーもまた、ときどき姿を現して彼女を励ますセスに惹かれていく。
2人が結ばれる方法はただ1つ。
セスが天使の永遠の命を捨て、人間になることだった。
マギー:Why are you doing this?
セス:Because I'm in love with you.
マギー:どうしてこんなことするのよ?
セス:君を愛してしまったから。
マギー:What are you doing?
ジョーダン:I'm spending time with you.
マギー:何してるの?
ジョーダン:君といっしょに時を過ごしているんだ。
カシエル:If you'd known this was going to happen, would you have done it?
セス:I would rather have had one breath of her hair, one kiss of her mouth,
one touch of her hand, than an eternity without it. One.
カシエル:もしこうなるって(マギーが死ぬと)わかってても、そうしたか?
セス:一瞬でも彼女の髪の香りを感じて、唇にキスして、手にふれたんだ。それのない「永遠」よりよかったよ。たとえほんの一瞬でも。
(2000/3/17)
*****
■ノッティングヒルの恋人
イギリスのノッティングヒルで、小さな書店を経営しているバツイチ男性、ウィリアム(ヒュー・グラント)。
ある日彼は街角で、ハリウッド映画スターのアナ(ジュリア・ロバーツ)とぶつかる。
華やかな世界に疲れ、平凡で常識的なウィリアムに惹かれるアナ。
ウィリアムは、アナの気持ちを受け入れることができるのか?
アナ:Busy tomorrow?
ウィリアムス:I thought you were leaving.
アナ:I was.
アナ:明日は忙しいの?
ウィリアムス:帰ってしまうんだと思ってたよ。
アナ:そのつもりだったわ。
アナ:The fame isn't really real, you know. Don't forget − I'm also just a girl. Standing in front of a boy. Asking him to love her.
アナ:名声なんて、実態のないものだわ。忘れないで − 私だって1人の女の子よ。男の子の前に立って、私を愛してと頼んでいるの。
質問者:Yes−Anna−how long are you intending to stay here in Britain?
アナ:Indefinitely.
質問者:はい−アナさん−イギリスにはあとどれくらい滞在される予定ですか。
アナ:永遠に。
(2000/3/17)
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■ショーシャンクの空に
インテリで銀行の副頭取だったアンディーは、不倫をした妻とその愛人を殺したという無実の罪で、ショーシャンク刑務所に無期刑で服役している。
ここで彼は徹底的に痛めつけられ、いじめ抜かれる。
しかしアンディーは決して希望を捨てず、年月をかけて非人間的な看守たちや卑劣な刑務所長に、彼がいかに税務署対策や財産管理に役立つ知識を持っているかを認識させ、信用させていく。
そしてある嵐の夜、彼はついに自由を求めて脱獄を企てる…。
<長いですが、私の大好きな場面です。日本語とアンディーのセリフだけでもぜひ読んでみてください>
(放送室に立てこもり、刑務所に「フィガロの結婚」のレコードを流したアンディーは、2週間の監禁罰を終え、仲間たちのもとに戻る)
男1:Hey, look who's here! Maestro.
男2:Andy!
男3:Hey! You couldn't play somethin' good, huh? Hank Williams or something?
アンディー:They broke the door before I could take requests.
男1:おい、お出ましだぜ! マエストロだ!
男2:アンディー!
男3:もっとましなものがかけられなかったのか? ハンクウィリアムスか何かさ?
アンディー:リクエストを聞く前にドアが破られたからね。
男4:Was it worth it? Two weeks in the hole?
アンディー:Easiest time I've ever had.
男4:そんなに値打ちがあったのか? 2週間も穴蔵に入れられてよ?
アンディー:今まででいちばん楽だったよ。
男5:Bullshit. No such thing as easy time in the hole.
男1:Actually, a week in the hole is like a year.
男5:Damn strait.
アンディー:I had Mr. Mozart to keep me company.
男5:うそつけ。穴蔵が楽なわけあるもんか。
男1:まったく、穴蔵の1週間は1年にも感じるぜ。
男6:まったくだ。
アンディー:モーツアルトさんといっしょにいたからね。
男7:So, they let you tote that record player down there, huh?
アンディー:It was in here...and here. That's the beauty of music. They can't get that from you. Haven't you ever felt that way about music?
男7:じゃあ、連中があのレコードプレーヤーの持ち込みを許可したってわけかい?
アンディー:ここ(頭)と…ここ(胸)にあったのさ。そこが音楽のすばらしさなんだ。誰にも奪うことなんかできやしない。音楽をそんなふうに感じたことはないかい?
男2:I played a mean harmonica as a younger man. Lost interest in it though,
didn't make much sense in here.
アンディー:Here's where it makes the most sense. You need it so you don't forget.
男2:若い頃ちっぽけなハーモニカなら吹いたけどな。興味をなくしちまったよ。ここじゃ意味がないからな。
アンディー:ここでこそ、いちばん意味を持つんだよ。忘れないためにも必要なんだ。
男2:Forget?
アンディー:Forget that there are places in the world that aren't made out of stone. That there's something inside that they can't get to, that they can't touch. That's yours.
男2:忘れるって?
アンディー:世の中が石でできた場所ばかりじゃないってことを。連中にも手の届かない、触れることもできないものが心の中にあるっていうことをさ。それが君だけのものなんだ。
男2:What are you talking about?
アンディー:Hope.
男2:何の話をしてるんだ?
アンディー:「希望」だよ。
(2000/4/1)
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■ローマの休日
言わずと知れた、あの永遠の美女オードリー・ヘップバーンの名作中の名作。
何回くり返して見たことでしょう。
有名な「スペイン広場」での会話と、最後の記者会見の場面(「ノッティングヒルの恋人」のラストシーンでも同じ手法が使われていましたね)を英語で読んでみましょう。
王女:Now I'd better get a taxi and go back.
ジョー:Well, look, before you do, why don't you take a little time for yourself?
王女:もう私、タクシーに乗って帰らなければ…。
ジョー:ねえ、帰る前に、もう少しゆっくりしていったらどう?
王女:Maybe another hour...
ジョー:Live dangerously, take the hole day.
王女:もう1時間くらいなら…。
ジョー:思いきって、まる一日にしようよ。
王女:I could do some of the things I've always wanted to.
ジョー:Like what?
王女:そうしたら、いつも私がしたいと思っていたことをいくつか実現できるでしょうね。
ジョー:たとえば?
王女:Oh, you can't imagine. I'd like to do just whatever Iliked - the
whole day long.
ジョー:You mean, things like having your hair cut, and eating gelati.
王女:あなたは想像できないと思うわ。私 − 一日中 − ただ私のやりたいことをやってみたいの。
ジョー:髪を切ったり、アイスクリームを食べたり、ね。
王女:Yes, and I'd like to sit in a sidewalk cafe and - look in shop windows
- walk in the rain! Have fun and maybe some excitement. It doesn't seem
much to you, does it?
ジョー:It's great! Tell you what. Why don't we do all those things - together?
王女:ええ、そしてカフェテラスに座ったり − ウインドー・ショッピングをしたり
− 雨の中を歩いたりしてみたいの!楽しくて、何かどきどきするようなことを。あなたにはたいしたことではないでしょうね。
ジョー:素晴らしいよ!ねえ、どうかな。そういうことを全部やってみないか
− いっしょにさ。
王女:But don't you have to work?
ジョー:Work? Nah! Today's gonna be a holiday.
王女:でも、お仕事があるんでしょう?
ジョー:仕事? いや! 今日は休みにするんだ。
王女:But you don't want to do a lot of silly things.
ジョー:Don't I? First wish - one sidewalk cafe - coming right up! I know just the place - Rocca's.
王女:でも、あなたはこんなばかげたこと、したくないでしょう?
ジョー:そうかな? 最初の望みは − カフェテラスだね − かしこまりました!ぼくがいいところを知っているんだ
− ロッカズというところだよ。
+++++
通信員:Which of the cities visited did Your Royal Highness enjoyed the most?
将軍:Each in its own way...
王女:Each in its own way was...unforgetable...It woud be difficult to...Rome!
By all means, Rome. I will cherish my visit here in memory, as long as
I live.
通信員:ご訪問された中で、妃殿下はどこがいちばんお気に召されましたか?
将軍:(王女に耳打ち)どこもそれぞれ…。
王女:どこもそれぞれ…忘れがたく…どこと決めるのは困難…ローマです! なんといっても、ローマです。この地を訪れたことを、思い出として大切にするでしょう。私が生きているかぎり。
通信員:Despite your indisposition, Your Highness?
王女:Despite that.
通信員:ご病気になられたにもかかわらず、ですか。
王女:それでもです。
(2000/4/7)
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■フラッシュダンス
この映画に特別な思い入れがあるのは、学生時代に失恋をして落ち込んでいたときに見たからでしょう。
昼間は溶接工、夜はナイトクラブのダンサーとして夢を求めて頑張る、主人公アレックスに励まされて、私も深夜レストランのウエイターをやりながら、自分の目標に一歩ずつ前進を始めました。
ダンスが好きになったのも、この映画の影響です。
出会いの場面。
アレックスの上司ニックは、アレックスのダンスを見て彼女に一目惚れをしていた。
しかしアレックスはそっけない。アレックスのジョークもいい。
ニック:I saw you dance last night. I just wanted to say hi.
アレックス:Hi.
ニック:You're Alex.
アレックス:I know.
ニック:I'm Nick Hurley.
アレックス:Really? I've seen your name on my pay checks. ...Uh, listen. I gotta get to work. You never know when the boss is gonna be around.
ニック:昨夜、君が踊るのを見たよ。「Hi」が言いたかっただけなんだけど。
アレックス:「Hi」
ニック:君はアレックスだ。
アレックス:知ってるわ。
ニック:ぼくはニック・ハーレイ。
アレックス:そうなの。給料の小切手にあなたの名前がある。…さ、仕事しなくちゃ。ボス(ニック)に見つかるとやばいでしょ。
+++++
アレックスが頼っている、往年の名バレリーナ、ハンナとの会話。
バレエのオーディションをためらうアレックスを、ハンナは単純だがいい言葉で励ます。
アレックス:I know. I know but sometimes...
ハンナ:Alexandra, you are eighteen years old. Do it now! Do it!
アレックス:わかってるわ。わかってるけどときどき…。
ハンナ:アレクサンドラ、あなたは18歳よ。やるのは今! やりなさい!
+++++
デートに誘おうとするニックを断ろうとするが、ニックはジョークで返し、デートの約束をとりつける。
さすがのアレックスも苦笑。
アレックス:Nick, I told you. I don't think it's a good idea to go out with the boss.
ニック:Okay, have it your way. You're fired. And I'll pick you up tomorrow at eight.
アレックス:ニック、前にも言ったでしょ。ボスとはデートしないって。
ニック:わかった、好きにしろ。君はクビだ。明日8時に迎えに来る。
+++++
部屋にニックを招いたアレックスが、亡くなった父の言葉を話す。
その後、キスシーン。
アレックス:He said to me, "If you close your eyes, you can see the music." You can, too. Did you ever try? See the music? Come on, try. Close your eyes.
アレックス:父が言ったわ。「目を閉じれば、音楽が見える」って。あなたにもできるわ。やったことある? 音楽を見るのよ。さあ、やってみて。目を閉じて。
+++++
ダンサーになる夢に挫折し、ヌードで金を稼ぐジェニファーを、店から引っぱり出したアレックス。
雨の降る夜の街の場面。
アレックス:Look at you. I thought you wanted to be a dancer. You call that dancing?!
ジェニファー:Yeah!
アレックス:So what's this shit, huh?!
ジェニファー:Stop it! That's mine! ...Why did you come here?
アレックス:Because you're my friend...Jerk.
ジェニファー:I'm cold.
アレックス:So am I. ...Come on. It's okay.
アレックス:情けない。ダンサーになりたかったんじゃないの? あれがダンス?
ジェニファー:そうよ!
アレックス:なによ、これ!(客のチップを雨の中に投げ捨てる)
ジェニファー:やめて! 私のものよ! (泣きながら)…どうして来たのよ?
アレックス:(やさしく肩を抱いて)友だちだからよ…バカ。
ジェニファー:寒いわ。
アレックス:私もよ。…行きましょ。だいじょうぶよ。
+++++
バレエのオーディションに自信を失い、言い訳をして逃げているアレックスに、ニックが言った言葉。
ニック:Don't you understand? When ya give up your dream, ya die. See ya.
ニック:わからないのか? 夢をあきらめたら、君は終わりだ。じゃあな。
(2000/4/23)
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■アメリカン・ビューティー
いかにもアメリカ人、いかにもアメリカのファミリー。
登場人物の一人一人が、それぞれが「美」と信じるものが、現在のアメリカに蔓延する病理を象徴しているかのような映画です。
和魂洋才。
日本の文化を見直しましょう。
印象に残った場面を紹介します。
主人公の中年の父親レスターと雑談している、アルバイト中の少年リッキーを、雇い主が叱りつける。
リッキーはまったく怯まず、「いいよ、ぼくは辞めるから、給料を払う必要はない。
だからぼくに干渉しないでもらおうか」と応じる。
その態度に感動したレスターの言葉。
レスター:I think you just became my personal hero. Doesn't that make you nervous, just quitting your job like that? Well, I guess when you're all of, what? Sixteen?
レスター:君はたった今、ぼくにとってのヒーローになったぜ。そんなふうに仕事をやめて、心配にはならないかい?まあ、君のような年頃だったらそうでもないのかな。いくつだっけ?16?
+++++
娘の友だちに一目惚れしたレスターは、彼女好みの男になるために、筋肉トレーニングを始める。
妻の浮気や娘の反抗により、自分のための人生をやり直そうと、彼は今までの自分の仮面を脱ぎ捨てて仕事をやめる。
上司のスキャンダルで会社側を恐喝し、法外な退職金を求める。
ブラッド:Man. You are one twisted fuck.
レスター:Nope. I'm just an ordinary guy with nothing to lose.
ブラッド:まったくおまえは、ひねくれ者のクソ野郎だよ。
レスター:いいや。おれはごく普通の、失うものが何もない男さ。
+++++
妻との仲を昔のように戻そうと、彼女を抱こうとするレスター。
妻はそれより4000ドルしたソファーの上にレスターの持つビールがこぼれないかが気になる。
激怒するレスター。
レスター:This isn't life. This is just stuff. And it's become more important to you than living. Well, honey, that's just nuts.
レスター:これは生活なんかじゃない。こんなのはただのモノだ。そして、君にとってモノが生活より大切になってきている。ああ、ハニー、どこか狂ってるよ。
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自分の死を暗示するような、最後のレスターの語り。
レスター:Remember those posters that said, "Today is the first day of the rest of your life? Well, that's true of every day except one. The day you die.
レスター:「今日はあなたの残りの人生の最初の日」と書いたポスターを見たことがあるかい?それは毎日についていえる。たった1日を除いては。君が死ぬ日を。
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いかにもアメリカ人の好きな自己啓発のテープを聞いて、自己暗示をかけようとする妻キャロリン。
私も一時期ハマりましたが、「私にはできる…」などといった方法は、和を以て尊しとなす日本人には不向きですね。
キャロリンも、常に実力以上に背伸びして目標を達成しようと無理をして、最後はキレてしまった。
キャロリン:I refuse to be a victim. I refuse to be a victim. I refuse to be a victim...
キャロリン:私は他人の犠牲にならない、私は他人の犠牲にならない、私は他人の犠牲にならない…。
+++++
殺されたレスターが、死の瞬間に、今までの人生を走馬灯のように回想するシーン。
次々にさまざまな場面が現れては消え、最後に頭をよぎったのが、反抗的で父親を憎むようになった娘ジェイニーの、幼く素直だった頃の姿。
そして、若くてやさしかったかつての妻の姿…。
泣きました、私。
レスター:And Janie... And... Carolyn.
レスター:そして、ジェイニー…。そして…キャロリン。
(2000/5/15)