<1000の風> 作者不詳
私の墓の前に立って、涙を流さないでください。
私はそこにはいません。
眠ってはいません。
私は1000の風になって吹いています。
雪の上で、ダイアモンドのように輝いています。
実った穀物の上に、太陽の光となってふりそそいでいます。
秋には、やさしい雨になります。
朝の静けさの中であなたが目ざめるとき、
私はすばやい風となって空に上り、
鳥たちを静かに舞わせています。
夜には星になって、そっと光っています。
私の墓の前に立って、泣かないでください。
私はそこにはいません。
消えてなくなったわけではないのです。
(訳:中元康夫)
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つぶやき:
愛する人を亡くした人に、この詩を送った。
いつか私の死を悲しむ人のために、この詩を残しておく。
その人の笑顔を思い出したら、本当にあなたに微笑みかけているのだという。
肉体はなくなっても、記憶に残るかぎり、その人はあなたの心の中に生き続ける。
人は生まれた瞬間から、「死に向かって生きる旅」を始める。
いかなる死も、この世での役目を終えて、再び自然に帰る現象である。
ひとしきり泣いたら、また生きていこう。
英語バージョン:
<A Thousand Winds> author unknown
Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I don not sleep.
I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn’s rain.
When you awake in the morning hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.
Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.
(2003/12)