<成功者と成幸者>

成功者は結果だけが大切で、
成幸者はプロセスも大切にする。

成功者は得ることに興味があり、
成幸者は与えることに興味がある。

成功者は奪い合い、
成幸者は分かち合う。

成功者は人を型にはめたがり、
成幸者は外したがる。

成功者は人生を戦いと考え、
成幸者は人生を学びだと考える。

成功者はお金がたくさんあると幸せで、
成幸者は友だちがたくさんいると幸せ。

成功者は自分のおかげと思い、
成幸者はみんなのおかげと思う。

成功者は無理をして成長しようとし、
成幸者は無理のない範囲で成長する。

成功者は価値観の違いにいらだち、
成幸者は価値観の違いを楽しむ。

成功者は人の成功を悔しがり、
成幸者は人の成功を喜ぶ。

成功者は忙しく、
成幸者はゆったり。

成功者は怖い人が多く、
成幸者は笑顔の人が多い。

成功者はしゃべる人が多く、
成幸者は聴く人が多い。

成功者は計画を練り、
成幸者は今、ここを楽しむ。

成功者は暑くなるとクーラーをつけ、
成幸者は風鈴をつける。

成功者の周囲には依存心の強い人が集まり、
成幸者の周囲には自立心の強い人が集まる。

成功者は人を修正することが教育と考え、
成幸者は個性を伸ばすことが教育と考える。

成功者は手つかずの自然を見ると開発したがり、
成幸者は保護したがる。

成功者は勝ち負けを大切にし、
成幸者は自分の成長度を大切にする。

成功者は失敗した人を叱り、
成幸者は励ます。

*****

成功者と成幸者」(上村光弼/PHP研究所)より。
生き方は人それぞれでいいのだが、私の好みは、成功者よりも「成幸者」のイメージだ。
「功を成す」よりも、「幸せに成る」ことのほうが、自分の人生では大切だと思うから。

大学時代に「マーフィーの法則」(上智大学教授の渡部昇一氏が大島淳一のペンネームで書いていた)に出合って以来、潜在意識を使った願望達成法を実践してきた。
英語教師になる、本を出版する、高級マンションに住む、外車に乗る、テレビに出演する、ビジネスで成功するなど、当時紙に書いた夢はすべて実現した。
しかしそれらの中に、永続的な幸せはなかった。

書店に並ぶ本を見るとわかるように、最近は明らかな「成功法則ブーム」だ。
「成功=お金」の定義がほとんどなのは、不景気が影響しているのだろう。
独立起業したり、ネットワークビジネスを始める人も増えてきた。

その一方で、競走社会から少し距離を置き、自分の身の丈に合った「足るを知る」生活を楽しんでいる人たちもいる。
「勝ち組」と言われる成功者から見ると、彼らは明らかな「負け組」であるはずなのだが、実は十分に満たされた成幸者だったりするからおもしろい。
まだないものを必死で求め続けるか、すでにあるものに感謝して笑って過ごすか。

(2004/12/26)

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