<読まなかった本の話>
ここに、1冊の本があります。
この本の持ち主は、この本を読みたいと思ったので、買いました。
しかし、今度読もうと思いつつ、すでに1年が経ちました。
この本の持ち主は、これを読む時間がなかったのでしょうか。
いえ、たぶん違います。
読もうとしなかった。
それだけです。
そのことに気づかない限り、5年経っても10年経っても、持ち主が、この本を読むことはないでしょう。
受験まであと1年です。
皆さんの中にはあと1年しかないと思っている人もいるかもしれません。
でも、あと1年しかないと思って何もしない人は、5年あっても10年あっても何もしないと思います。
だから、1年しかないなんて言ってないで、やってみましょう。
この1年、やれるだけのことをやってみましょう。
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つぶやき:
「僕の生きる道」より。
余命1年と宣告された28歳の高校教師が、残された時間を精一杯生きようと決心する。
今まで地味で無難に過ごしてきたが、死を意識したことで幼い頃に思い描いた人生を生きてこなかったことを後悔し、積極的な人間に変わっていく。
ラテン語に「メメント・モリ」(死を思え)という言葉がある。
人は生まれた瞬間、死に向かって歩きはじめるのだが、その絶対的事実を意識して生きる人は少ない。
タイムリミットを意識して、あなたはその決断や行動を選択しているだろうか。
「余命1年と宣告されたら、自分の生活をどのように変えるだろうか?」
そう考えたとき、他人の目を気にしながらビクビク生きてきた自分の姿が浮き彫りになる。
本当にやるべきことを、言い訳をしながら避けてきた事実をつきつけられる。
「あと3日で人生が終わるとわかっていたら、何をしておくだろうか?」
この質問への答えを、今すぐ紙に書いてみてほしい。
といっても、本当に書く人は100人に1人くらいだろうが、実行することを勧める。
いくつかの最優先事項が、リストアップされたことだろう。
ではここで、再度質問。
「たった3日でできる人生でいちばん大切なことを、なぜ今日から始めないのですか?」
「もし明日世界が滅びるとしたら、今日あなたは何をするだろうか?」
この答えも、ぜひ紙に書きとめてもらいたい。
「自分のやりたいことがわからない」などと言う人は、人生が有限であることを真面目に考えたことがないのだろう。
「僕の生きる道」はビデオで見たのだが、本のあとがきに原作者が興味深いことを書いている。
夫と親子ほど歳が離れていて、結婚を決めるまでには老後や子どものことで悩んだが、ある日ふと思った。
「それじゃあ私は、彼が長生きするなら結婚して、長生きできないなら結婚したくないと思ってるってこと?」
「夫が先に死ぬとは限らない。私が先に死ぬかもしれない。人は、いつ死ぬかわからないのだから」
まるで超能力者のように、自分の未来が見える秘密の方法があるのだが、知っているだろうか。
これを教えてもらったときには、ちょっと衝撃を受けた。
「今の自分を見ること」
今の自分は、過去の結果である。
今の自分が、未来の原因である。
ただじっと待っていても、何も変わらないまま死を迎えるだけだ。
「1冊の本」を、今すぐ読み始めよう。
(2004/8/1)