<夜回り先生>

「おれ、窃盗やってた」
いいんだよ。

「わたし、援助交際やってた」
いいんだよ。

「おれ、イジメやってた」
いいんだよ。

「わたし、シンナーやってた」
いいんだよ。

「おれ、暴走族やってた」
いいんだよ。

「わたし、リストカットやってた」
いいんだよ。

「おれ、カツアゲやってた」
いいんだよ。

「わたし、家に引きこもってた」
いいんだよ。

昨日までのことは、みんないいんだよ。

「おれ、死にたい」「わたし、死にたい」
でも、それだけはダメだよ。

まずは今日から、水谷と一緒に考えよう。

夜回り先生 」(水谷修)より

*****

つぶやき:

個性的な教師の本やテレビドラマが流行っているので、二番煎じかと思いきや、やはり話題になるだけあってすごい人だ。
暴力団とかかわった子どもの落し前をつけるために、利き腕の指を1本つめたという。
夜間高校の先生で、自主的に夜の街を回って若者に声をかけ、電話やメールの相談にも必ず答えている。

「そんな私が21年間の教員生活を振り返り、ただひとつだけ胸を張れることがある。それは、1回も生徒を叱ったり、殴ったことがないということだ。私は絶対に生徒を叱ることができない。なぜなら子どもたちはみんな「花の種」だと考えているからだ」

「生きてくれさえすれば、それでいいんだよ」

この一言が必要だった子どもが、いや、大人も、いったいどれくらいいるのだろう。
水谷氏はテレビにも出演しているが、メールアドレスや電話番号も公開しており、本気で対応しているのがわかる。
久しぶりに本物を見た気がした。

(2004/3/13)

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