<ねばならない症候群>

あなたの悩みの99%は、「ねばならない症候群」です。
1%くらいは例外があるかもしれないので、99%としましたが、たぶん100%です。

「〜しなければならない」
「〜でなければならない」

「人間関係に悩んでいるんです」
「他人の目が気になります」
そういう人は、たいてい次のような「信念」の持ち主です。

・すべての人と、うまくいかねばならない。
・すべての人に、好かれなければならない。

そんなことは無理ですよね。
あなただって、すべての人を受け入れてなんかいないんだから。
自分の好き嫌いは棚に上げて、他人の好き嫌いは許せないなんて、勝手すぎる(笑)。

「心を傷つけられました」
「絶対許せません」
次のような「思い込み」をしている人です。

・すべての人は私に対して、笑顔でやさしい言葉をかけねばならない。
・すべての人は私に対して、私の望み通りの態度を取らねばならない。

これまた無茶ですよね。
あなたは、自分の感情さえまともににコントロールできないでしょう。
ましてや他人の感情など、自由にコントロールできるわけがありません。

試してみてください。
どんな悩みであれ、突き詰めれば「ねばならない」から発生しているはずです。
それに気づくことができれば、今の悩みの半分は解決したようなものです。

では、自分にとって望ましくない出来事に対して、どう考えればいいのでしょう。
「ねばならない」ではなく、どんな「言葉」で受け止めれば視点が変わるでしょうか。
あとで答えを書くので、しばらく考えてみてください。

さて、「ねばならない症候群」の治療法として、効果的なワークがあります。
仮に今、あなたが職場の人間関係に悩んでいるとします。
そして、あなたの根本的な「ねばならない」が、次のようなものだったとします。

「すべての人に、好かれなければならない」

あなたの前に友人を一人座らせて、
「すべての人に、好かれなければならない」
と言わせます。
適当な人がいなければ、仮想の相手でも構いません。

そう言い張る友人を、あなたはどうにか説得してください。
「そんなこと、人気タレントでも不可能だよ」
「あなただって、すべての人を好きじゃないだろう」

友人には、こちらが何と言っても、同じことをくり返すように頼んであります。
あなたがいくら言い聞かせようとしても、頑として言い張るのです。
「すべての人に、好かれなければならない…」
「すべての人に、好かれなければならない…」

それでもあなたは、ありとあらゆる表現で、相手を説得ようとします。
ところが、返ってくるのはこの言葉だけ。
「すべての人に、好かれなければならない!」
「すべての人に、好かれなければならない!」

「ちょっと、いいかげんにしない?」
「じゃあ、ずっと悩んでたら?」
「もう知らない!」
イライラしたあなたは、そう言ってしまいそうになるでしょう。

現実離れした望みを、頑固に訴えるだけ。
人の意見も聞かないし、自分は変わらずに状況だけ良くなれと訴える。
まるで、駄々っ子です。

でもその人は、あなたです。

でしょ?

悩んでいる人は、悩みの中にどっぷりつかっているので、客観的に見ることができません。
なので、友人なり仮想の相手なりを、目の前に持ってくる必要があります。
あり得ない考えにとらわれている自分の姿を、第三者の目でしっかりと見つめるのです。
そしてそれをどう感じるのか、じっくり味わってみてください。

「〜でなければならない」を、どういう「言葉」に書きかえたらいいか?
それは、「〜にこしたことはない」です。

・すべての人と、うまくいくにこしたことはない。
・すべての人に、好かれるにこしたことはない。
・すべての人が、笑顔でやさしい言葉をかけてくれるにこしたことはない。
・すべての人が、私の望み通りの態度を取ってくれるにこしたことはない。

そういうのが理想だけれども、まあ、そこまで本気で望むのは現実的じゃないよな。
その程度に考えられるようになると、落ち込み度も低くなるものです。

「ねばならない」から、「にこしたことはない」へ、シフトチェンジしませんか?
このことを「知っている」のと「している(実践している)」のは別なので、ぜひ実践を。

また今日も、自分に言い聞かせてしまいました(笑)。

(2007/10/11)

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