<遠距離恋愛の秘訣>
高校時代に3年間つき合った女性と、遠距離恋愛3ヶ月で別れる。
大学時代に4年間つき合った女性と、遠距離恋愛3ヶ月で別れる。
若い頃の悲しい経験から、私の場合、「遠距離恋愛はうまくいかない」と結論づけています。
いちばんそばにいてほしいときに、いない。
今すぐ会いたくても、どんなに無茶をしても、行くまでに数時間以上はかかる。
電話をしても出ないと、妄想が膨らむ。
「他の異性と楽しく遊んでるんじゃないか」
「私がこんなに寂しい思いをしているのに」
今はどうなんでしょう。
私の時代は、携帯もポケベルもありませんでしたから。
おまけに学生アパートには電話がなく、大家さんの取次ぎでした(泣)。
手紙を出しても、相手に届くまで3日間。
相手がすぐ返事を書いてくれても、それが届くまでに3日間。
ざっと1週間はかかる、「待ちの恋愛」だったのです。
今の若い人は、携帯メールの返事がすぐ返ってこないだけでイライラ。
「待てない恋愛」のような気がします。
だから昔と比べて、すぐつき合ってすぐ別れるのでは?
電話をしても、「相手の親」という関所があります。
彼女に電話をしても、怖そうな父親から「娘はいない」と切られる。
彼氏に電話をしても、母親から嫌そうな声で取り次がれる。
遠距離恋愛に話を戻します。
遠距離恋愛について相談されると、私はズバリ「難しい」と答えます。
うまくいった例は、今までの人生でわずか一組しか知りません。
その「うまくいったカップル」について書きます。
私が新卒時代の先輩教師と、その奥さんです。
彼らは、たしか東京と宮崎の遠距離恋愛を5年以上続けて、結婚に至りました。
男性が高校卒業後、宮崎から東京の大学に進学。
そこで出会った東京の女性と卒業まで交際して、男だけ宮崎に帰る。
5年間の遠距離恋愛を経て、女性は東京での仕事を辞め、周囲の反対を押し切って宮崎へ単身移住。
彼女は20代後半にして短大に入学、教員免許を取得して、小学校教諭の採用試験に合格。
そこまでやって周囲に意志の強さを認めさせて、最終的には祝福されて結婚。
披露宴での二人の涙を思い出すたびに、今でも胸が熱くなります。
「どうして遠距離でうまくいったんですか?」
その先輩に、ズバリ聞いたことがあります。
答えはひとこと。
「がんばらないことだね、特に最初」
彼が言うには、ほとんどの遠距離カップルは、最初に頑張り過ぎて失敗する。
毎日のように手紙を書き、電話をかける(今ならメール?)。
しかしその恋愛中心の情熱的な日々は、新しい生活の多忙さの中で、いずれ続かなくなる。
つまり、最初が100点満点で、徐々にマイナスになっていく。
悪気はなくても。
そこに、小さな寂しさや疑いが生まれる。
彼らは、距離が離れるにあたって「何年後に結婚する」と決めていたそうです。
それを信じて、相手のことばかり考えず、淡々と生活するように「意識」した。
しかし多くの人は、とにかく目先の恋愛の炎をさらに燃やそうと「頑張って」しまう。
ここに、大きな差があったわけです。
はじめにゴールを設定して、あとは静かに一歩ずつ進むだけ。
ゴールから逆算しているから、そのプロセスで起こることは予測されていて、動揺しない。
「がんばらない」ことの意味が、クローズアップされてきますね。
(2007/7/26)