<プラスマイナス思考>
「絶好のチャンスは、最悪のタイミングでやってくる」
「経験とは、それを必要としたあとで得られるものである」
「思いがけない収入があると、思いがけない同額の支出がある」
「他の列のほうが早く進み、そちらに移動すると、元いた列のほうが早く動き出す」
「トーストのバターをぬった面が下を向いて落ちる確率は、カーペットの値段に比例する」
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「プラス思考」という言葉をよく聞きます。
何事も前向きな発想をしよう。
常にポジティブに生きよう。
とてもいいことだと思いますが、物事にはバランスというものがあります。
プラス思考を学ぶ自己啓発セミナーなどでは、一時的なハイテンション状態の反動で、その後に落ち込むケースも増えているようです。
そもそも、「プラス・前向き・ポジティブ」と必死で唱えること自体、「マイナス・後ろ向き・ネガティブ」が存在していることを認めているわけですから。
「マーフィーの法則」(アーサー・ブロック)という本を読んで、大笑いしたことがあります。
これは、潜在意識を活用すれば夢が実現する、といった成功哲学の類いではなく、上にいくつかあげたような、徹底した「マイナス思考」の本です。
「そもそも人生にはろくなことが起きないよ」と、シニカルに笑い飛ばす内容です。
マイナス思考のよさとは、何でしょうか。
そう、はじめからたいして期待をしないので、小さなことに喜んて、ちょっとしたことに感謝して、ささやかな幸せを感じられることです。
失敗してガッカリするようなことが起きたときに、深刻にならずニヤリとして「ほらね」とつぶやきます。
マイナスがあるから、プラスが楽しい。
空腹のあとの美味しさ、寒い冬のあとの暖かい春、暑い夏のあとの涼しい秋、病気をしてわかる健康のありがたさ。
均等に行ったり来たりする振り子と同じく、一方だけに偏りすぎると、自然界のバランスが崩れてしまうのです。
プラスを楽しみ、マイナスを楽しみましょう。
「プラスマイナス思考」でいきましょう。
(2004/1/3)