<a littleとlittleの違い>
英語の授業で、「a fewとfewの違い」や「a littleとlittleの違い」というのを習ったことはありませんか。
a fewは数が「少しある」で、fewは数が「ほとんどない」。
a littleは量が「少しある」で、littleは量が「ほとんどない」。
英語の参考書には、そのように説明してあります。
数えられるものか、数えられないものか、という違いはありますが、aがつけば肯定的で、つかなければ否定的になります。
学校でも、教えるのはそこまでです。
では、「少しある」と「ほとんどない」を分ける基準は、いったいどこにあるのでしょう?
たとえば、コップに3分の1の水が入っているとき、a littleとlittleのどちらで表現すべきだと思いますか。
半分以下だからlittle?
それとも、のどがカラカラだったので、大喜びしてa little?
日曜日、用事があって学校や職場に出てきたとします。
すると、2人の人が来ていました。
「誰もいないだろう」と思っていたならa few、「5人は来ているだろう」と予測していた場合は、拍子抜けしてfewを使うでしょう。
同じ3分の1の水なのに、ある人は「少しある」、別の人は「ほとんどない」と言います。
同じ2人という数なのに、ある人は「少しいる」、別の人は「ほとんどいない」と言います。
まったく同じ人や出来事なのに、肯定的な見方をする人と、否定的な見方をする人がいます。
「多いか、少ないか」「正しいか、間違っているか」「好きか、嫌いか」を決定する数値的な基準は、実は存在しません。
目の前に起きてくる現象に「aをつけるか、つけないか」は、あなたの自由です。
どちらの見方のほうが、あなたにとって「楽しい」ですか、「豊か」ですか、「幸せ」ですか?
(2003/11)