<南の島の青年>
ある南の島での話。
ヤシの木の下で昼寝をしている青年に、仕事で来ていた日本のサラリーマンが言った。
「学校に行って、真面目に勉強したらどうだい?」
青年は答えた。
「何のために勉強するの?」
「いい大学に入るためさ」
「どうしていい大学に入るの?」
「いい会社に就職して、一生懸命働いて、お金を貯めるんだ」
「お金を貯めて、どうするの?」
「そうだな・・・。南の島に行って、ゆっくり昼寝でもしようか」
青年は、不思議そうな顔で言った。
「昼寝なら、もうしてるよ」
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人が最終的に得たい結果は、実はお金や物ではなく、幸せで豊かな「気持ち」なのではないでしょうか。
今必死で追い求めているものは、世間体や常識に影響されているだけで、自分自身にとって絶対に必要な条件ではないのかもしれません。
子どもの頃は、「ブランコで遊びたい」と思ったら、迷わずにブランコまで走っていきました。
ところが大人になると、遠回りして苦労してからでないと、やりたいことをしてはいけないような気がします。
条件がそろってからでないと、幸せにはなれないのだと思い込んでいます。
人よりもいい大学に入って、人よりもいい会社に就職して、人よりもたくさんお金を貯めて、人よりもいいお墓を作るとでもいうのでしょうか。
「昼寝なら、もうしてるよ」
私の大好きな話です。
「いつか」ボーッとしたいと思うなら、「今すぐ」ボーッとすればいい。
「そのうち」ゆっくりしたいと思うなら、「今すぐ」ゆっくりすればいい。
One
of these days is none of these
days.
(いつの日かという日はこない)
自分が本当に望む「結果」をつきつめてみれば、夢は意外とすぐにかなうものなのかもしれません。
(2003/11)