<感謝の歳>
そういえば、今日は自分の誕生日だった。午前0時を過ぎると、友人たちからたくさんのメールが携帯に入った。ズボラな私は、彼らに同じことをしていないのに。
年度当初で仕事が多い時期なので、毎年のことながら自分でもつい忘れそうになる。4月9日、「幸せが来る」と解釈している。昭和39年生まれで39歳になったので、今年のモットーはサンキューで「感謝」ということにしよう。(4/9)
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<キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン>
仕事を終えた金曜日の夜、一人で映画館に飛び込んだ。実話をもとにしたストーリーというのに驚かされる。感想。人生、何が幸いするか最後までわからない。だから、今の時点でいいか悪いかは安易に判断できないものだ。
主人公が詐欺師になったきっかけが、両親の離婚だったことに胸がチクリ。大好きな父親が死に、母親を頼っていけば再婚して新しい家庭をつくっており、絶望した表情のまま逮捕される彼。離れて暮らす娘に何かあったとき、彼女の居場所を残しておくためにも、このままずっと独身でいようかなんて思った。
映画の中でくり返し出てきた話。2匹のカエルが、コップのクリームの中で溺れていた。1匹はすぐあきらめて、コップの底に沈んだ。2匹目は、力をふり絞って泳ぎ続けていたところ、クリームはバターに変わって、コップの外に出ることができた。おれは、2匹目のカエルになる。(4/18)
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<成功の9ステップ・オーディオ・コース>
私の人生を変えた究極の自己啓発セミナーが、最近16枚のCDにまとめられた。さっそく購入申込みをしたところ、今日手元に届いた。
価格は3万円だが、1枚目を聞いてすでに投資回収済み。すごい迫力だ。ジェームス・スキナー氏の本気が伝わってくる。また基準が高くなってしまった。(4/18)
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<N先生の出版決定!>
先輩の英語教師N先生の出版が、正式に決定したというメールをもらう。「英検1級レベルの語彙を意味と音の関連で増やすというアイデアに思い至って丸3年、通勤列車の中で書き溜めた例文が1000を越え、中元先生の勧めでかけあった出版社の数は15社ほど」(N先生談)
あの世界的ベストセラー「かもめのジョナサン」は、出版に至るまでに20社から断られた。ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースは、定年後の65歳に年金生活を捨てて、レシピを持ってなんと1000社以上を訪問したという。成功の秘訣は始めること、そして決してやめないこと。(4/19)
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<休日の朝の喫茶店>
休日の朝は、近くの喫茶店にモーニングを食べに行く。学生時代からの習慣で、「成長と貢献」の活動で飛び回っている日々の中、珈琲を飲みながらゆっくりくつろげる大切なひとときだ。雑誌に目を通し、窓の外を眺めながらボーッとしているだけで、十分に癒される。将来は喫茶店のマスターになろうと決めたのも、学生時代のことだった。
帰りには書店に立ち寄り、新刊コーナーに目を通して、ピンときた本を2〜3冊(多くの場合4〜5冊)買って帰る。思えば週末の午前中は、いつも同じパターンで過ごしている。変化の多い私の生活で、いちばん安定しているのがこの喫茶店のモーニングと本屋通いだ。(4/19)
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<郷ひろみ>
喫茶店で読んだ雑誌に、郷ひろみの記事が載っていた。娘に会える約束でアメリカから一時帰国したのに、元妻の二谷友里恵がドタキャンしたというのだ。連絡不通。ひどい。娘たちの小学校まで行って待っても会えず、ストーカー扱い。ずいぶん落ち込んで旅立ったらしい。
同じ境遇なので、彼の気持ちがよくわかる。私も約束が守られておらず、もう数年間娘に会わせてもらっていない。私は我慢できても、祖父母である両親がかわいそうでしかたがない。せめて両親にくらい、たまには会わせてやってくれないかなあ。(4/19)
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<大人のピアノ演奏会>
2月から通い始めたヤマハの「大人のためのピアノ教室」で、ちょっとした演奏会があった。いつもは練習しているだけだが、数ヶ月に1回みんなの前でピアノを弾いて、お互いに聞き合おうというものだ。
ちょっと感動したのが、たぶん80過ぎのおじいちゃんが一生懸命に弾いていたこと。上手いとはいえないけど、かっこよかった。私もピアノの弾けるシブいおじいちゃんになりたい。それにしても、最後に1曲弾いてくれた先生はすごかった。手に精密機械か何か入ってるんじゃないか?(4/20)
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<達人のチャーハン>
毎日食べてもいいと思えるほど好きな食べ物は、カレーライスとチャーハン。NHKの「ためしてガッテン」で達人のチャーハンの作り方を紹介していたので、忘れないうちにメモしておこう。中華料理のプロが作る、パラパラしたチャーハンだ。スピードが命。
(1)余熱1分。鉄製の黒い中華鍋で、煙が出るくらい。(2)その時点で、ラード油大さじ2杯。(3)その10秒後に卵を入れる。(4)その8秒後に、温かいごはん(このタイミングを逃さない)。(5)卵を入れた1分後に、ネギと具。(6)その15秒後に、塩・コショウ。(7)さらに15秒後に、しょうゆ。(8)その10秒後(卵を入れた1分40秒後)ででき上がり!(4/22)
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<田村亮子>
NHKの「わたしはあきらめない」のインタビューと今までの映像を見て、もともと好感を持っていたが、すっかり大ファンになってしまった。バルセロナ、アトランタと銀メダル。「最高で金メダル、最低で金メダル」と自分にプレッシャーをかけ、見事シドニーで金メダルを取った舞台裏には、元コーチからもらった手紙の「神様は、試練を乗り越えられない者には試練を与えない」という言葉があった。。
試合前には、ライオンやトラにエサを与えて、野性動物が獲物を狩る勢いを感じ取るそうだ。以前宮崎に来たとき、彼女に駆け寄った私の娘の頭をなでながら「こんにちは!かわいいねぇ」と言ってくれた。あんな素敵な「九州の女」と出会ったことを、娘は覚えているだろうか。(4/22)
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<夏の気配>
最近急にむし暑くなり、宮崎はすでに日中の気温が30度を越している。仕事帰りに大阪出身のおっちゃんの店でお好み焼を食べながら、ふと子どもの頃の夏休みを思い出した。都城市、小林市、椎葉村と小学校時代を過ごしているので、田舎暮らしの醍醐味をいっぱい味わうことができた。
朝は早く起きてカブトムシやクワガタムシを取りに行き、セミにおしっこをかけられ、ラジオ体操でカードに印鑑をもらい、学校のプールで泳いだ。スイカ、風鈴、扇風機。青空と入道雲を見ながら、夏休みは永遠に続くように思われた。夕涼みをかねて、父と母と散歩に出かけたものだ。
最近の子どもは、自然と戯れることが少なくなっている。大人の責任とはいえ、かわいそうな気がする。自分たちの頃は、おたまじゃくしやミズスマシ、タガメ、ザリガニ、ドジョウと遊んでいた。いい時代を過ごせた、最後の世代だろう。(4/25)
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<フィットネスクラブ>
職場のすぐ近く、駅前に新しいフィットネスクラブができたので、さっそく会員になって今日がオリエンテーション。さすがに最新鋭のマシンがそろっている。もちろんエアロビクスのスタジオやプール、ジャグジーも。大きなサンドバッグが2つあって、ボクシングができるのがうれしい。
久しぶりに筋肉に本格的な刺激を与えたら、あっという間にパンプアップして体つきが変わった。これこれ。やっぱり筋肉がバシッと張った体でいるのが気持ちいい。庭に建てたプレハブの道場で孤独に鍛えていたが、華やかなのもいいなあ。これからは、仕事帰りに週2〜3回は来よう。今年はブルース・リーの肉体をめざす。(4/27)
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<武蔵>
今のところ唯一見ているテレビ番組は、NHK大河ドラマの「武蔵」。学生時代から坂本竜馬派だったが、武道家の間で支持者の多い宮本武蔵も、最近好きになった。剣の達人ながら、妻と子を養うために武芸者としての誇りを捨てた男に、「大樹に寄りかかり、風をよけようとは思わない。おのれの心を曲げるくらいなら、私は独りで雨に打たれて歩きます!」という武蔵。サラリーマンに人気が出るのもわかる。
安定した生活環境と、いかにもよき夫になりそうな男のもとを去るときの、お通さんのセリフもよかった。「あの人(武蔵)は、今ごろ独りで強がって雨の中を歩いているような気がする。私は、あの人にに言いたいことがあるんです。人は一人で生きているんじゃない。あなたには、私がいると」。これこそ日本女性。惚れたね。(4/27)
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<ミスター・ルーキー>
気分転換に、長嶋一茂主演の「ミスター・ルーキー」を見た。なかなかどうして、中年男に夢を見せてくれる、いい映画じゃないか。平凡なサラリーマンが一念発起して、妻と息子に支えられながらトレーニングをするシーンには燃えた。阪神タイガースの優勝した年は大学生で大阪に住んでいたが、それはすごい騒ぎだった。エンディングで「六甲おろし」、懐かしかった。
長嶋一茂は、私の好きな人の一人だ。あの長嶋茂雄の息子というプレッシャーの中、野球では大成しなかったが、フリーになったあと極真空手を白帯から始めた。多忙な仕事の中、1回戦で負けても何回も試合にチャレンジした。有名人なのに、漢(おとこ)だ。彼の著書「三流」、これはオススメ。ある日、恋人の家で一晩中泣き続けた場面は、男なら感じるところあるはず。(4/27)
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<キューティー・ブロンド>
おもしろい!ラブコメ映画としては文句なし。女性にはバカウケ(死語?)だろう。見たら必ずハッピーになれるはず。こういうところ、アメリカは好きだ。ちなみにアメリカン・ジョークでは、ブロンド女は頭が悪いというのが前提。でも、こんな映画はいっしょに笑える相手と見たほうがいいな、やっぱ。(4/29)
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<キムチ>
久しぶりに焼肉屋に行った。ベジタリアンに近い食生活を実践しているので、ごくたまに特上ロースをほんの少し食べるくらいだが。それよりも楽しみなのは、キムチ。青春時代の思い出の味なのだ。
大学時代の夏、極真空手の夏合宿に参加した。砂浜をダッシュ、その後廻し蹴り3000本(300本ではない)、そして組手。食欲など失せるが、食べないと体がもたない。そこで3日間、キムチとめしだけ腹に詰め込んで耐え抜いたのだ。あれ以来、キムチを食べると元気が出るような気がする。
大阪の鶴橋で、朝鮮の人たちが作っているキムチがうまかった。宮崎ではまだ、あの味に迫るキムチと出会ったことがない。(4/29)
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<たそがれ清兵衛>
最後の場面の、娘が父親の生き方について語るところは泣けた。おれも人からどう思われてもいいよ、もう。娘のことを愛しているという真実さえ残れば。自分で幸せだと思える人生であれば。
エンディングで流れた井上陽水の「決められたリズム」は、この古い日本の家族の淡々とした生活とマッチしていて、言うことなし。カラオケで歌おう。(5/3)
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<引退試合>
K-1ラスベガス大会のメイン・イベントで、関西外大の先輩である角田信朗さんが、現日本チャンピオンの武蔵と引退試合を行った。年齢差12歳。リング上での体格差を見ても、無謀な挑戦だったことは明らかだ。しかし角田さんは、何回もダウンしながらも、最後まで仁王立ちだった。
42歳で実戦のリングに立った男には、どんな言葉も軽々しく聞こえるだろうが、角田さんにはまたしても気合と空手魂を見せてもらった。勝敗は見えていたのに、アメリカ人の観客をあれだけ熱くさせるとは。最後の英語での挨拶もすばらしかった。(5/3)
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<自然の中で>
天気がよかったので、田舎のほうに車を走らせた。川の近くの野外で美味しい焼肉を食べて、山の頂上にある花畑から遠くの海を眺めたあと、露天風呂に入った。数年前の秋、傷心で来たときには「最後の一葉」だった枯木も、今日は青々と茂っている。四季の意味を感じた。何事も変化していく。(5/4)
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<人生の「成幸」>
日系4世アメリカ人の親友と、久しぶりに会って話す。かつての仕事仲間で、今は独立して英会話学校をやりながら、経営コンサルタントとしても活躍している男だ。文筆家で太極拳をたしなみ、独自の人生哲学を持っているので、いつも時間を忘れて盛り上がる。今日は、こんなことを語り合った。
成功の法則やプラス思考について話したり書いたりすると、すぐ「金や物がすべてじゃない」「宗教じみてる」などと見当外れな誤解をする人がいる。たしかに目標の中には物質的なものも含まれるが、目的はそれ自体ではなく、何のためにそれが必要なのか、それを手に入れて何がしたいのかが大切であることは言うまでもない。
それに、誰でもそうだと思うが、究極の目標は「幸せになること」だろう。成功というより「成幸」だ。私が提案しているのは(決して押しつけない)、「成幸哲学」「成幸法則」「成幸技術」である。その第一条件が、健康や心のやすらぎだ。そしてそれは、今この瞬間にでも手に入れられるものだ。大金持ちや権力者、有名人が成幸者とは限らない。その証拠に、彼らの何人かは自殺する。(5/5)
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<脂肪を燃やす>
ジムではみんな頑張って運動しているんだけど、キツい割に脂肪は落ちないだろうなあ。脂肪の燃やし方を知らないから、ただ腹筋したり、ランニングマシーンで歩いたりしてる。まったく運動しないよりは、ずっと健康的だけど、ちょっと気の毒。サウナで脱水症状になるにいたっては、ほとんど自殺行為。
水分を十分とって、自分の最大心拍数の約60〜80%で20分以上の有酸素運動!これで脂肪(自由脂肪酸)はメラメラ燃えます。それ以下でもそれ以上でも、筋肉に貯蔵されているグリコーゲンを消費するのみで、ダイエットには効果なし。これにナチュラル・ハイジーンの食事法を実践すれば、やせるなんて簡単!体はどうにでもデザインできます。(5/14)
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<ピアノの指導>
今夜はピアノ。最近本の原稿を追いかけていて(追われてはいない)、なかなか思うようにピアノの練習ができない。一応1曲目の「別れの曲」はなんとか弾けるようになって、今は2曲目の「ノクターン(夜想曲)」に挑戦中。9月に発表会があるそうなので、恥をかかない程度には仕上げたい。
いつも感心するのが、我らおじさんクラスを指導してくれる先生。ほめ上手で、本当にやさしい。個人指導の時間でも、彼女の口からマイナスの言葉を聞いたことがない。そうなると、こちらも下手なりに練習するのが楽しくなってくる。この先生でよかった。私も指導者としてそう言われたいものだ。(5/15)
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<美しい体>
今日もジムで鍛える。ダンサーだろうか、美しい身体をした女性がいた。トレーニングの様子を見ても、素人ではないようだ。それぞれの分野で鍛えられた人の身体は、実に魅力的だと思う。逆に、ろくに運動していない人の体を見るとゲンナリする。私は「腹回りが胸囲を上回ったら切腹する」と公言しているので(笑)、死ぬまでその線だけは守ろうと思っている。(5/16)
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<失敗ダイエット>
世の中はあいかわらずインチキなダイエット商法だらけだ。正しい食事法と、適切な運動法。こんなに簡単で最高効果を得られる方法があるのに、なぜみんな次から次へとお金と時間を無駄にするんだろう。英会話とまったく同じ現象だ。必ず成功する原理原則があるのに。エステで他人に脂肪をもんでもらったり、妙なものを飲んだり食べたりしたって、失敗体験を重ねるだけなのに。
といっても、私も数年前まではバカだった。急激に筋肉をつけようと、プロテインを牛乳に溶かして飲んでいたのだ。その上、面白半分で日焼けサロンの機械で肌を焼いたりした。おかげで内臓がおかしくなり、全身にじんましんができて半年以上も悩まされることになった。今は健康や身体について正しい知識を得たので、病気ひとつしなくなった。(5/17)
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<チェンジングレーン>
感性を磨くため、週に1本は映画を見るようにしている(レンタルビデオ含む)。今週末は「チェンジングレーン」、当たりだ。ニューヨーク、マンハッタン。渋滞するハイウェイで、裁判所に急ぐ2人の男が接触事故を起こした。一人は若手の敏腕弁護士、もう一人はアルコール依存症で妻子と別居中で、子どもの親権をめぐる裁定に向かう男。まったく異なる人生を歩んでいる2人の人生が、運命のいたずらで交錯する…。
「おれは頼りにならない父親だった。女房は“子どもに会わせない”と。だが、いつか…会える。必ずね。1年後か2年後か…3年後に。オレゴンに行って、あの子たちの父親に戻る(I'll find the way to be their father again.)」。“…I'll find the way to be her father again!!!”(5/18)
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<分析的キュビズムとは?>
以下は美術室で見つけた、絵画の表現法についての説明だ。そのまま人生論として通るので、美術の先生からもらってきた。誰からでも、何からでも学べるいい例だ。これからは、ものの見方はピカソでいこう。
ピカソ以前の絵画表現では、一つの対象を描くのに、一定の視点、一定の距離、一定の視覚という原則を持っている。ピカソによる分析キュビズムでは、根本的に、形態を、面や線に分析する。たとえば、一つの物体に対する、多視的な視覚という考え方。一つの物体をあらゆる角度から見つめて、幾何学的な形態、面、線に還元してしまう。
さまざまな角度から見るということは、その人物や物の持つ特徴を、数多く発見できるということ。そして、その発見された形態は、画面に合成・構成された。ピカソは、すべての面において多角的・多視的にものをみつめる天才であったともいえる。※「キュビズム」とは、キュービック(立体)からきた言葉。(5/23)
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<アバウト・シュミット>
昨日と今日は、文武企画恒例イベントの整体施術会を行った。京都から整体の先生を招き、肩こりや腰の痛みに悩む人たちを速効で楽にしてあげようという、ボランティア活動である。今回もその成果は大好評で、みなさんうれしそうに帰っていかれた。先生の交通費や宿泊代は自腹なのでお金はかかるが、貢献することは喜びである。
合間をぬって、以前から見たかった「アバウト・シュミット」を見る。これはすばらしい映画だ。静かだが深いラストには、主人公に共感して涙がこぼれた。裏切られたり、傷ついたり、孤独になった経験がある人ならきっとわかるはずだ。人が生きる意味について、今日はひとつの答を与えられた。
私は毎月「あしなが育英会」にささやかな寄付をしているが、この映画を見て「フォスター・ペアレント」にもなろうと決めた。(5/25)
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<ラッキーな出会い>
シンクロニシティ(意味のある不思議な偶然)を、最近よく体験する。今日は君との初対面。私と同じ「成幸」というコンセプトで3つのホームページを持ち、ネット上で以前から注目していたのだが、なんと中学3年生、しかも地元宮崎の隣町に住んでいた!
彼を紹介してくれたのが、去年参加したジェームス・スキナー氏のセミナー「成功の9ステップ」関係で知り合った大学生、井口晃さん。T君は、日本一の大金持ち斉藤一人さんの関係者Hさんを紹介してくれて、いっしょに一人さんの写真やビデオを見て、24金「金持ち札」までもらってしまった。しかも、最近特に注目していた小林正観さんの著書を借りて、さらに7月に宮崎で講演会が行われるという情報をもらった。絶対行く!
T君の意識の高さと読書量、素直さ、行動力には圧倒された。薬局を経営されているHさんもさすが斉藤一人門下、とても貴重な情報を惜しみなく与えてくれるすばらしい人だ。私も彼らに気前よく与えないと、バランスがとれない。Hさん46歳、T君14歳、私39歳。同じテーマで、何時間も盛り上がって話すことができた。世代の違う同志が2人も増えた。ラッキーな出会いに感謝!(5/31)
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<セレンディピティ>
やられた〜!これは見事に私のロマンチック・ツボにはまった。セレンディピティ(SERENDIPITY)とは、幸せな偶然・思いがけない幸運、偶然にも思いがけない物を発見する能力、そしてNYに実在するカフェの名前。主役のサラ(ケイト・ベッキンセール)も美しすぎ。イギリス英語がまたいい。
先月、シンクロニシティについて書いたばかりだが、すべての出来事は意味のない偶然ではなく、ある目的のための必然なのだと感じる。男女間のゴタゴタも、運命の相手に出会うパスポートと考えたい。「サイン」を信じて、最後まであきらめずに求めたほうが、やらずに後悔するよりずっといい。男たちよ、本当に惚れたなら喜んで「イカレ野郎(jack ass)」になろう、人生は一度きりなんだから。(6/1)
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<木漏れ日>
木洩れ日を見上げて、寝転ぶのが大好きだ。今日は出張で天気がよかったので、昼休みに公園を散歩して、ベンチにごろり。風が心地よくて、木の葉がさわさわと鳴って、最高の気分だった。
脱サラ独立した人が、「何がうれしいって、自由であること。平日の日中に外に出て、公園でサンドイッチなんか食べてると、辞めてよかった〜!って思うんですよ」と言っていたのを思い出した。いいなあ、素直にうらやましい。
ただ、「幸せ」というのは、今ここですぐに実感できるものだと思う。条件がそろわないとハッピーになれないというのは、ちょっと厳しいルールだ。キーワードは「すべてに感謝」と「小さな工夫」。このことに気づいてよかった。木洩れ日の下で、ちょっと横になるだけでいいんだから。
夜は、県内でもトップレベルの英語の先生たちと飲み会。基準の高い人はみな、明るく元気で勉強好き、そして年齢に関係なく素直。このような人たちと語り合えるのも、またラッキーなことだ。(6/6)
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<教育実習>
3週間の教育実習が終わった。今年受け持った実習生は、私より10歳ほど年上で公務員を辞めて学生になった男性と、校則のない高校を卒業後、オーストラリアや沖縄で生活してから大学に入った女性の2人だった。どちらも魅力的な人で、こちらが学ばせてもらうことも多くてラッキーだった。話を聞くうちに、自分も4年間休職して宮崎国際大学に通いたくなった(かなり本気)。学べる環境の中にいるということが、どんなに幸せなことか。
私が教育実習をしたのは、母校の高校だった。転勤してきたばかりで、私と正反対のタイプの指導教官にはずいぶん厳しくされ、自分のカラーを出すことを許されなかった。本気で育てたいという、プロとしての気持ちから出た行為でなかったことは、今になってもよくわかる。生徒たちが支持してくれて、全員が空港まで見送りに来てくれたことが、当時の私を支えてくれた。教育実習では落第ギリギリの評価をされた私も、今の生徒たちのおかげで、なんとか英語教師を続けている。
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<フォトリーディング>
昨年の「成功の9ステップ」に続き、究極の速読法「フォトリーディング」の3日間集中講座に参加してきた。「あなたもいままでの10倍速く本が読める」(ポール・R・シーリィ著/神田昌典監訳)で知られ、1日1冊は本が読めるようになるという。9ステップ参加者の多くがフォトリーダーだった。
フォトリーディングというだけあって、まるで写真を撮るようにページをめくっていき、全体の情報を画像イメージとしてまず右脳にインプットする。それから目的に応じて他の速読テクニックを使い、マインド・マップにキーワードを整理していくのだ。今までの読書とは根本からコンセプトが異なり、知的活動全体がパラダイム・シフトを起こすほどの内容だった。
もちろん、フォトリーディング・ホールマインド・システムは読書を情報処理プロセスと割り切っているため、文章の美しさをじっくり味わうような読書もあっていいという柔軟性を持ちたい。私も自分の著書をフォトリーディングで片づけられたら、ちょっと寂しいし。
「9ステップ」と「フォトリーディング」で、たぶん日本では最高クラスの成功ツールが手に入ったと思う。あとは「実行」「実験」あるのみだ。知識や知恵は、使わなければ何の意味もないのだから。(6/15)
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<娘の誕生日>
今日は、離れて暮らす娘の誕生日。そして、父の日。複雑な気持ちで一日を過ごした。今年もプレゼントを送るのみで、また会えなかった。声も聞くことができなかった。夜には去年までと同じく、グラスにそそいだ赤ワインで静かなお祝い。夫婦関係の終わりは、親子関係の終わりではない。そう信じ続け、毎日のように娘のことを思いながら、会わせてほしいと伝え続けて、もう数年が過ぎた。
もし自分が逆の立場なら、離婚した相手には必ず会わせる。残念ながら自分とは別れる結果になったが、子どもにとっては世界でただ一人の母親なのだから。彼女の存在がなければ、決してこの世に生まれてこなかった子どもなのだから。
突然この子と会えなくなったら、自分はどう感じるだろう?孫に会えない自分の両親の悲しみを日々感じながら、平気でいられるだろうか?この子は、ひょっとしたら母親のことを気にしているのでは?などと想像してみると、電話の一本くらいはさせてあげたくなる。これは個人の問題ではなく、これからの日本の子どもたちにかかわること。しかしどうやら、日本にはそう考えない人のほうが多いようだ。
今は娘に会えないけれど、いつもハッピーでいよう。上機嫌で生きていこう。いつか娘が私を見かけた瞬間に、笑顔でいられるように。気軽に声がかけられるように。かっこいいパパになろう。自分の父親に誇りが持てるように。Happy birthday to you, Shelly!生まれてきてくれて、ありがとう。(6/15)
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<フォスター・ペアレント>
映画「アバウト・シュミット」を見て、さっそく「フォスター・ペアレント」になった。世界の成功者たちは、貧しい頃から収入の1割を慈善事業に寄付していたという。私もそれにならっただけだが、恵まれない環境にいる子どもたちのために、少しでも役に立てればうれしい。
私のフォスター・チャイルドは、ホセ・ヨナサンというエルサルバドルの小学1年生になった。写真を見ると、明るくて賢そうな少年のようだ。将来は警察官になりたいという夢があって、離婚した母親と妹の3人で暮らしているそうだ。これから手紙などで交流しながら、ささやかな援助を続けていきたい。(6/16)
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<125歳まで、私は生きる!>
数年前から注目していたTOEIC会長で弁護士の渡辺弥栄司さんが、ついに本を出された。「125歳まで、私は生きる!」(ソニーマガジンズ)。現在86歳、ますます元気で夢に燃える、心は青年のカッコイイおじいちゃんである。
県内最大級というふれ込みで今日オープンした書店に立ち寄ったら、真っ先に目に飛び込んできた。さっそく買って一気読み。62歳で剣道7段、自立のため65歳で司法試験突破、TOEIC900点達成を目標に69歳で英語学習を始める、85歳で真向法10段!バリバリの文武両道、こっちまでやる気にさせられる。
表紙の写真を見たらわかるように、真向法(鈴木前都知事のパフォーマンスで有名になった健康体操)で、若い人より柔軟な体をしておられる。体と心は連動しているので、弥栄司さんの心の柔軟性がよくわかる。86歳以下の人たちは、見習うべし。
<何かをやり遂げようとしたとき、答は「できる、できない」、つまり、「可能か不可能か」しかないのである。人はその中間に「困難」を置くが、困難は可能の範囲にある>
さすが、いいこと言うなあ。思わずストレッチを始めた私であった。(6/27)
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<憧れの人>
ラッキー!私の憧れの人である片岡鶴太郎さんが、来月からNHKの「趣味悠々」で墨彩画塾を担当することになった。さっそくテキストを購入。私は本気で、鶴太郎さんのような生き方がしたいと思っている。あんなシブい歳の重ね方が理想なのだ。ちなみに、将来は喫茶店のマスターになると決めたのも、鶴太郎さんが出演していたドラマ「季節外れの海岸物語」の影響だったりする。
20代でモノマネでお笑い界にデビュー、人気者になって「男女7人夏物語」などのドラマで俳優としても活躍し、ブクブク太った体では今後の人生を闘えないと、30代でボクシングを始めてプロのライセンスを取得。40代からは絵や書に取り組み、今や日本でも有数の芸術家である。小柄で無駄な贅肉がない肉体、経験を感じさせる適度な白髪とはげ、絵の対象を見つめる鋭い眼光、ユーモア。自分が女性だったら絶対惚れるというくらい、私にとってはカッコイイ中年男のモデルだ。(6/28)
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<さよなら「いなか食堂」>
職場前の「いなか食堂」が今日で店じまいをすると知って、最後の焼き飯を食べに行った。32年前に商売を始めたそうだから、その半分は昼ごはんを食べに通ったことになる。よく食べていたのが、焼き飯(メニューには「ピラフ」とあったが)、焼きそば、野菜炒め定職、カツ丼、ラーメンだった。
何でも今まであったものがなくなるのは寂しいが、「二度と味わえない」という事実も残念なものだ。どこにでもあるメニューだが、もうあの味ではどこの店でも食べられない。新卒時代から、おばあちゃんがこっそり味噌汁かおにぎりをつけてくれていたので、年末にはいつも妹の店のお菓子を持ってお礼に行っていた。いなか食堂、今までありがとう。
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<通の蕎麦屋>
「週に1回は新しい店を開拓するプロジェクト」のため、通に評判の蕎麦(そば)屋に食べに寄った。自家製粉の、洒落た小さな店だ。せいろを食べたが、美味しすぎ。私としたことが、今までなぜ来なかったのか。店主が「蕎麦通入門」という小冊子も出している。即購入。
こだわりの店と言われるが、手打ち蕎麦屋として当然のことをしているだけで、「唯一こだわっていると申し上げるとすれば、『宮崎で営業をしている』ということ位でしょうか」。気に入ったあ!(7/3)
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<少なくとも、俺はやってみた>
ジャック・ニコルソン主演の「カッコーの巣の上で」を見た。凶暴性ゆえに精神病院(社会主義国家の象徴と思われる)に入れられた男、マクマーフィー。管理者たちは高い治療費を取り続けるため、患者たちに外の世界を恐れさせる。マクマーフィーは、管理者にへつらい病院に依存する患者たちに、抵抗する気力と自信を持たせようとする。
ある日、マクマーフィーは患者たちと賭けをもちかける。浴室にボルトで留められた洗面台を持ち上げて、窓に投げてぶち破り、脱走しようというのだ。本人以外は、全員「できない」ほうに賭ける。マクマーフィーは鬼のような形相で、首筋に血管を浮き上がらせながら洗面台を持ち上げようとする。もちろん、びくともしない。
冷笑する患者たちに、ジャック・ニコルソンが言うのだ。“But I tried, goddammit! At least I tried.”(だが、少なくとも俺はやってみたぜ!)この言葉には打たれた、男として。
ふり返ってみると、失敗だらけの人生だった。しかし失敗したということは、少なくとも挑戦したということだ。結果は三振でも、バッターボックスに立たねばホームランは打てない。評論家より、実践家でいたい。安全圏から薄笑いを浮かべている連中に、「少なくとも、俺はやってみた」と言える生き方がいい。(7/4)
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<テコンドー南九州大会>
出場した選手たちには、教えられることばかりだった。私と同じ年齢で、若くて体格のいい選手に臆することなく闘い続けた友人。入門したときはひ弱そうな少年だったのに、自分よりずっと大きな選手とまともに打ち合った高校生。ケガをしても、最後まで勝負を捨てなかった県外の選手。わずかな差で優勝を逃し、思わず泣き出してしまった女子選手。
私は黒帯の指導員として、ネクタイを締めて役員席に座っていた。最近は多忙な仕事に加え、本の執筆ばかりでたいした練習もしていない。武道家として、もう少しバランスをとる必要を感じた。一生懸命な若い人たちに、今日はいい刺激をもらった。(7/6)
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<鶴ちゃん>
いよいよ今日から、NHK教育テレビで片岡鶴太郎さんの墨彩画講座が始まった。最近は、画家・片岡鶴太郎としての真剣な表情を写真で見るだけだったので、なんとなく厳しくて近寄りがたいイメージを持っていた。
しかし、久しぶりにテレビで見た鶴太郎さんは、昔の軽くて腰の低い「鶴ちゃん」のまんまだった。歳をとっても有名になっても、ぜんぜん変わっていなかった。時間・立場・状況・相手が変わっても、態度を変えないというのも、男としてかっこいいよなー。(7/8)
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<終業式>
低血圧(下45〜上95)のため、夏に弱い。暑くて血管が広がるため、よけいに血の流れが弱くなるためだ。以前はよく生徒から、「先生は、夏になると不機嫌になる」と言われていた。実際、朝からすでにフラフラ状態なのだ。今年の目標は、「夏まで上機嫌でいること」だった。特に生徒たちに対して。
今年の春から夏にかけての仕事量は、ハンパじゃなかった。それでも、昨年から本格的に使い始めたいくつかのテクニックのおかげで、毎日気分よく過ごすことができた。実行してみると、驚くような効果がある。同じ人間が、たった1年でこんなに変わるものかと思う。情報と実践は本当に大切だ。教師に夏休みなどないが、とりあえず今日で一区切り。(7/19)
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<英検面接>
今年2回目の英検二次試験。面接員として会場に向かう。毎回のことだが、ほんのこの前まで受験生だったのに、逆の立場で見られるのはどうも居心地が悪いというか、照れくさい。面接試験中も、緊張して必死で答えようとする受験生を思わず応援したくなる(もちろん評価はフェアにやるが)。
それともうひとつ。私は高校時代に一部の先生たちから、受験勉強そっちのけで英会話や空手に夢中だったことを、かなりひどく言われていた。「外人としゃべって何になる」「ケンカの練習ばかりして」。生意気だった私は、「あの人の言うことを聞いたら、あの人のような人生になる」と思って反抗し続けた。授業を聞かずに、本ばかり読んでいた。結果、私は彼らから禁止されていた英会話と格闘技で身を立て、本を出版し、収入を得て親孝行や慈善事業への寄付ができるようになった。生徒と逆の立場になった今、よくそのことを考える。(7/20)
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<小林正観さん講演会>
小林正観さんの講演会に、都城市の「夢見が丘」に行く。斉藤一人門下の薬屋さんのHさん、浪越徳治郎の弟子である指圧師のSさんと愛車ベンツに乗って。正観さん(お坊さんみたいな名前だが、本人は痩せた普通のおじちゃん)は、斉藤一人さんやジェームス・スキナーさんに続く、180度ものの見方を変えてくれた人だ。もう目からウロコの連続!楽に楽しく生きたい人には、正観さんの本と講演テープはオススメ。次回の宮崎での講演は来年。また必ず行く。(7/25)
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<暑くて気持ちいい>
まだ梅雨が明けない東京からお客さんがあって、宮崎の観光スポットを案内して回った。県外から来た人には必ず食べてもらうのが、冷汁とチキン南蛮。今回もキッチリおさえる。
クーラーのきいた車から外に出るたびに、素敵な言葉をもらった。「暑くて気持ちいい!」。なるほど。暑いのは事実だから、「暑くない」「涼しい」と言えばウソになる。でも、暑いという事実のあとに「だから気持ちいい」と言われると、たしかにそう感じられてくるから不思議だ。昨年からマイナスの言葉はいっさい使わないようにしているが、やはり言葉の使い方は大切だと思った。(7/27)
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「川は岸のために流れているのではない」
素敵な詩に出会ったので、紹介します。(8/2)
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川は岸のために流れているのではない
川は
岸のために流れているのではない
川のために
岸ができているのである
わかり切ったことである
それだのに
教師の考え
学校の方針にあわない子どもを
「悪い子」「問題の子」「困った子」として
切り捨ててしまう風潮が横行しているのは
どういうことか
子どものために「教師」があるのである
子どものために「学校」があるのである
「できない子」のための岸になろう
「困った子」の岸になろう
そして
ともどもに
「真理」「真実」の海をめざそう
そういう教師になろう
そういう学校を創ろう
川は岸のために
流れているのではないのだから
東井義雄
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<猟奇的な彼女>
話題の韓国映画「猟奇的な彼女」を見る。作者の実体験を元にした恋愛小説が、インターネットで広がって映画化されたものらしい。前半はコメディで途中でやめようかと思ったのだが、女優が好みのタイプなので続けて見ているうち(笑)、後半とラストにちょっと感動した。
6月に見た「セレンディピティ」の韓国版といった感じだ。はい、私は何をかくそう、恋愛モノが好きである。意味のある偶然、運命の赤い糸を信じたい男であります。最後のセリフ「偶然とは、努力した人に運命が与えてくれる橋です」はよかったな。(8/3)
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<恋はデジャ・ブ>
指圧師の友人Sさんから勧められて、「恋はデジャ・ブ」を見た。これはコメディ?いやいや、実はかなり深いぞ。
「明日があること」の大切さを、実感させられる映画だ。新たな一日を生きられることのありがたさ。毎朝目覚めたときに感謝している人が、いったい何人いるだろうか。
すべての事態を好転させるため、幸せになるためには、自分自身が人に「喜ばれる存在」になることしかない。そのことを改めて思い知らされた。(8/8)
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<最新刊出版!>
旺文社さんから、今月発売の最新刊「TOEIC速効の英文法」の著者見本が届いた。自分たちの書いた本ながら、恥ずかしげもなく自画自賛できる本に仕上がった。苦労した分、感無量というやつだ。週明けには、全国の書店に並ぶことだろう。編集部のSさんには、本当にお世話になった。
今まで自分が勉強していた旺文社マークの入った本の表紙に、著者として自分の名前が載っているのを見ると、不思議な気持ちになる。田舎の一英語教師がこんな幸運に恵まれたのは、小さな偶然と出会いの積み重ねのおかげだ。これについては、また改めて書きたい。
本を出すたびに思うのだが、何よりも両親が喜んでくれて、誇りに思ってくれることがいちばんだ。中学・高校時代は、とんでもない反抗期。受験勉強もせず大阪の私立大学に出してもらいながら、大人になっても離婚までやらかして、心配のかけ続けだった。「親孝行 したいときには 親はなし」。実は今、日本一の孝行息子をめざしている。
喜んでばかりはいられない。10月までに脱稿、来年1月に刊行予定の英文法の本(三修社)を最高の作品に仕上げるために、この夏から本腰を入れて取りかからねば。三修社さんの担当のJさんもまた、著者をうまくやる気にさせてくれる、すばらしい編集者だ。私はどこまでラッキーなんだろう。感謝。(8/9)
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<癒しの旅>
頑張った自分へのプレゼントに、30年ぶりに生まれ故郷の高千穂へ。「かぎりなく星に、かぎりなく神に近い里」だ。小さい旅だが、すばらしい時を過ごしてきた。
夕暮れ時、雲海で有名な国見ヶ丘(標高513m)から雄大な景色を見下ろし、しばしもの思いにふけった。一晩お世話になったのは、昭和5年創業の「民芸旅館かみの家」。1万円もしない宿賃で、ご主人の客に対する細やかな心遣いと、自然な食材を使ったこだわりの郷土料理、そして総ひのき風呂を堪能した。
商売をやるなら、「どうしたらもっと利益が出せるだろう」と考えるよりも、「どうしたらもっとお客さんを喜ばすことができるだろう?」と常に自問自答したほうが、結局は口コミとリピーターで収益が増すし、気持ちもハッピーになれる。ご主人の立ち居振る舞いを見ながら、教師としてのスタイルや、これからのライフワークに生かそうと思った。
文武両道人生の次のテーマとして、今後は書と絵をやっていくつもりでいたら、「かみの家」にはイメージにぴったりの作品がたくさん飾られていた。聞けば、山奥に住む60歳くらいの画家に書いてもらっているのだとか。許可をもらって、写真を撮らせてもらった。これで創作意欲100倍だ。
翌朝は、国の天然記念物に指定されている「高千穂峡」(五ヶ瀬川が阿蘇溶岩を浸食してできた渓谷)に行き、森林浴と豊かな水の風景で心を癒した。樹齢800年の杉がある高千穂神社で参拝したあと、川の上流に向かって歩くと幽玄な天安河原が現れる、天岩戸神社などを訪ねる。いずれも何かお願い事をするのではなく、高千穂を出てから今までの感謝の気持ちを伝えた。冷たい川の水に足をつけながら、自然と人間のかかわりについて、この日はある大きな気づきを与えられた。
宮崎に帰る途中、「日之影温泉駅」に立ち寄った。ここは傑作で、駅の2階が露天風呂になっていて、線路を見下ろすというとんでもない温泉なのだ。ガイドブックの写真を見ただけで笑える。このハチャメチャな発想と、それを許可して駅の名前にまでしてしまった偉い人が大好きだ。露天風呂から電車を待つが、田舎だから、これがまたいつまでたっても来ない(笑)。
大満足で家に帰って、スカイパーフェクTV!で総合格闘技の「PRIDE」を見た。ミルコ・クロコップ、またしても左ハイキック一閃で衝撃のKO勝ち。スゴすぎる。桜庭和志、ヴァンダレイ・シウバに3度目の挑戦をするが、パンチ一発で失神。格闘技の世界も、栄枯盛衰だ。(8/11)
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<本発売>
高速をとばして、鹿児島に行く。ドトールでコーヒーとトーストの朝食をとり、そのまま数時間、ジュンク堂書店に入りびたり。疲れると、またドトールで今度はアイスコーヒー。そしてまた本屋。誰も自分を知らない町では、気をつかわずに歩くだけでだけで「至福のとき」だ。本やDVDもドッサリ購入した。
先日出したTOEICの本が、平積みになってドカッと新刊コーナーに置いてあった。さすが旺文社。この光景は、学生時代に「書店に立ち寄ると、自分の本が並んでいる」とイメージした通りだ。たしか高校時代に、国立大学で教授をしている叔父の本を地元の本屋で見かけてから、「いつか自分も!」と思うようになったのだ。処女作の「英検準2級に必ず出る英単語859と英熟語580」(こう書房)も予想以上に売れて、すでに第6版。今なら断言できる。夢は必ずかなう。(8/12)
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<10日間で男を上手にフル方法>
ここ数日間は盆休みにもかかわらず、早朝から深夜まで次の著書の原稿執筆でカンヅメ状態だったので、明日からの出勤を前にして自分にごほうびを与えようと、発作的に夜の映画館に出向いた。またしてもラブコメディだが、「10日間で男を上手にフル方法」を見る。いやー、おもしろかった。
「ブリジット・ジョーンズの日記」を楽しめた人なら、かなりウケるはず。「10日間で〜」もアメリカの女性に大人気だったらしいが、ひとつ気づいたことがある。どちらの作品も主役の女性は美人なのだが、意識的に強調されている欠点があるのだ。「ブリジット〜」はもちろん太っていること、「10日間で〜」は、いわゆるぺチャパイだ。このあたりが、女性の共感を呼んだ原因だと思う。
相手の男の部屋、これがよかったなあ。いかにも独身男性のマンションといった感じで、インテリアなどもシンプルでお洒落だ。私も部屋づくりには凝るほうだが、「照明」が違うのだ。オレンジ色の間接照明をおとし気味にして、ろうそくの火もうまく使っていた。つまり、仕事を終えて恋人とゆっくりくつろげる雰囲気なのだ。
私の部屋は、毎晩遅くまで、白い蛍光灯の光が明るくついたままだ。昔は映画と同じように、リラックス&ロマンチック・ムードだった。ボリュームを落としたジャズが流れ、ゆったりと本を読んでいたのだ。いつの間にか、仕事中心の生活になっている。たぶん、犠牲にしていることも多いことだろう。今かかえている仕事が終わったら、今度こそ生活のリズムを変えようと考えている。それとも、宿命として忙しい日々が続くのだろうか。(8/17)
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<ツイてる講演会>
斉藤一人さんの一番弟子である、まるかんの柴村恵美子さんの講演会に行った。最近「斉藤一人の不思議な魅力論 笑いながら成功する法則」という本を出した、元気のいい女性社長だ。宮崎の「まるかん本店」で、口コミで十数人だけの勉強会。
漢薬堂のH店長と知り合いになったおかげで、個人ではまず会えなかった人たちに、この短期間で次々と直接話を聞くことができるようになったた。インターネットで知り合った中学生T君をきっかけに、いい情報が次々と手に入るようになった。感謝だ。
恵美子社長のパワフルなお話を聞いて、やる気100倍になった。大きなビジネスのヒントも思いついた。中でも、「結局、『正しい』は『楽しい』にはかなわない」という言葉が心に残っている。正しさにこだわるあまり、楽しくない人が多すぎるからだ。「落ち込んだときに他人の幸せを祈って元気にる方法」、「小さな幸せを数えながら幸せになる方法」、そして斉藤一人さんの裏話もよかった。(8/21)
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<夏の終わりの花火>
夜、いつものように本の原稿を書いていると、花火の音が聞こえてきた。窓から外を見ると、街を流れる川の上に、週末恒例の美しい花火が次々と上がっている。思わず部屋の電気を消した。パソコンの画面だけが、暗闇の部屋の中に浮かび上がっていた。
地球に急接近している火星の真下で、夜景と見事にマッチした花火を、しばらくの間眺めていた。もうそろそろ、今年の夏も終わりだ。来年の花火を見る頃は、私もついに40歳。信じられない。50になっても60になっても、同じことを思うのだろうな。
花火を見るたびに、結婚していた頃を思い出す。娘のことも。失って初めてわかったが、本当にすばらしい家族だった。若い人たちにアドバイスだ。つまらない意地を張っていると、人生は取り返しのつかないことになる。それから、コマーシャルであったように、「モノより、思い出」だ。
明日は、大淀川沿いでの今年最後の夏祭り。さて、原稿の続きを書くか。(8/22)
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<ツイてた?日>
今日は、3つもいいことがあった。1つめは、ベジタリアン専用のレストランを、新しくできた店も含めて3つ教えてもらって、そのうちの2つで昼食と夕食をとったこと。こだわりのある店は大好きだ。
私の実践しているナチュラル・ハイジーンという健康ダイエット理論と同じく、肉と魚(動物タンパク)・乳製品をいっさい使わず、野菜類もほとんど無農薬・有機栽培だった。味も最高、雰囲気もいかにもスローフードで、すっかり癒されてしまった。
宮崎でも、格安ファミリーレストランが大はやりだ。しかし、安いメニューに使ってある肉は、どのような牛から取ったものか知っているのだろうか。私は何でも美味しくいただくほうなのだが、口から体の中に入れるものにだけは、水だろうと食べ物だろうと、お金のことは気にしないと決めている。今日知った菜食レストランには、これから毎週通うつもりだ。
2つめは、車を車庫の鉄柱にモロにぶつけてしまったこと(笑)。なぜいいことかというと、このような小さな事故は、自分や他人の命にかかわる大事故の可能性が分散されたものと信じているからだ。財布を落としても、トラブル回避のお布施だと思うようにしている。とにかく何が起こっても、「これでよかったんだ」と瞬間プラス思考できるようになったら、人生は楽しくなりそうだ。
今日は近所のお祭りで、家の前を子ども神輿が通ったのだ。それを避けて、後ろに不注意になってしまったためにぶつかった。鉄柱は見事に曲がってしまったが、車にはかすり傷もつかなかった。さすがベンツは頑丈だと感心。そのあと、神輿をかつぐ子どもたちに、お賽銭をたくさんあげた。
3つめは、定年退職をした父が世話役をしている、近くの公園での祭りを見たこと。毎年地元の大人たちが集まって、少なくなった子どもたちのために手づくりのお祭りをしているのだ。小さなステージといくつかの出店だけの集まりだが、大人たちが一生懸命踊って、子どもたちも楽しそうに遊んでいて、温かい雰囲気がすごくよかった。日頃からボランティアで飛び回っている父を、今夜は見直した。
小学生の頃は都城市に住んでいて、夏になると近くの川沿いでの七夕祭りなどが楽しみだった。子ども時代には、本当にいい思い出がいっぱいだ。まだ子どもだった時代の大人たちには、今でも感謝している。
今夜も気分よく原稿が書けそうだ。(8/23)
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<ヒマやな〜>
最近特に忙しいからか、昔流行った「WOW WAR TONIGHT」の歌が頭の中を流れることが多い(笑)。「温泉でも行こうなんていつも話してる 落ちついたら仲間で行こうなんてでも 全然暇にならずに 時代が追いかけてくる 走ることから逃げたくなっている」「流れる景色を必ず毎晩見ている 家に帰ったらひたすら眠るだけだから ほんのひとときでも 自分がどれだけやったか 窓に映っている素顔を誉めろ」
自分の生活スケジュールとかかえている課題を考えると、たぶん普通の社会人の5倍以上は活動していると思う。それなりの結果として形には残っているが、もうずいぶん頑張ってきたので、今書いている本が脱稿するこの秋からは、少しペースをスローダウンしようと考えている。
この10年をふり返ってみると、恥ずかしながら「ボーッ」とすることがほとんどなかった。常に何かやっている。何かを考えている。少しでも時間が空くと、本を読む。原稿を書く。トレーニングをする。「特に何もしていなかった時間」は、ほとんど記憶にない。一度でいいから、「ヒマやな〜」と言ってみたい。
そんな話をすると、ある女の子から「ヒマやな〜って言えばいいじゃん」と言われた。そういえばそうだ。根が素直なので、「ヒマやな〜」と口ずさんでみた(たぶん生まれて初めて)。おお、快感!これがヒマな気分というものか。なかなかいいぞ。本当の幸せは心の中にあるという原則から、自分の望む状態の気分を味わうことが人生の秘訣なのだが(リッチな気分やハッピーな気分など)、「ヒマな気分」というのは盲点だった。なんか得した気分(笑)。(8/26)
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<火星とアイスコーヒー>
昨夜27日は、約6万年ぶりに地球に大接近した火星を見ていた。星は「美しい」と思って見ればそれでいいのだろうが、今回と同じくらい大接近して大きく見えたのは紀元前5万5537年というのだからすごい。まだクロマニヨン人ではなく、ネアンデルタール人の頃だ。現代と違って空を見上げる機会は多かったはずなので、彼らと同じ星を眺めていると思うとロマンを感じるではないか。
原稿を書くため、今朝はまだ夜明け前に起きた。西の空を見ると、火星が山に沈もうとしているところだった。ベランダに出て、アイスコーヒーを飲みながら見ていた。静まり返った暗がりの中、涼しい風と、虫の音が心地よかった。次にこの大きさで見られるのは2287年8月29日、280年以上先のことだ。その頃はどうなっているんだろう。
しばらく原稿を書いていると、火星が沈むと同時に、東の空がオレンジ色に朝焼けしてきた。街にはまだ夜景の名残りがあって、それは美しい光景だ。そしてだんだんと明るくなり、それぞれの建物の東側が陽に照らされはじめる。また今日も楽しい一日が始まる。(8/28)
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<水に流す>
8月最後の日曜日、例によって休日唯一のくつろぎの時間である「喫茶店のモーニング」へ。近所には珈琲と料理の美味しい喫茶店があるので、作家的な生活を送っている私としては、かなり助かっている。
雑誌に目を通していると、フジテレビのお笑い番組で、王貞治氏の顔をトイレのお尻洗浄器「王シュレット」にして侮辱したと、本人とチームが抗議して球界全体の問題になっているという記事があった。野球もお笑いにも興味はないし、いろいろあるのだろうが、参院議員の江本孟紀氏のコメント「さっさと水に流すのが一番。事の発端が便器だけに、なおさらや」が私は好きだなあ。もし笑い飛ばしていたら、王氏はさらに人気爆発だったと思う。
何か問題が起きたときの対処法として、それに対して闘うか、逃げるか、我慢するかの3つの選択肢があると思う。しかし日本人には、「水に流す」という知恵がある。「気にしない」と強がるのではなく、「気にならない」という境地のことをいう。
夏の暑い日に、クーラーをつけるのは「西洋的解決法」。窓を開けて、風鈴の音などを聞いて涼しさを感じるのが「日本的解決法」だ。今年の夏は、極力クーラーなしで過ごした。汗をかきながら、ひたすら原稿を書いていた。もうすぐ私の大好きな秋がやってくる。夏の暑さを経験したからこそ、幸せを感じることができる季節だ。(8/31)
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<憎みあったときのこと>
新聞のコラム欄で、「友とは憎み合ったときのことを考えてつき合え。敵とは愛し合ったときのことを考えてつき合え」という言葉を見かけた。たしかに、状況や心境が変われば「今日の友が明日の敵、昨日の敵が今日の友」になることはありがちだ。それもたしかに人間関係の知恵だろう。
「敵とは〜」には賛成できるが、「友とは〜」のほうは、昔からかなり無防備だった。友人・恋人・夫婦いずれの関係においてもだ。政治的な人間関係がつくれないたちだと、つくづく思う。たくさん反省もしてきたが、結局今でも変わっていない。
人はどうであれ自分自身は、親しいからこそ知りえたことは、別れがきたら大人のマナーとして忘れようと思う。それを利用してあとで攻撃したり、悪口を言ったりすることは絶対にしたくない。そうされたときに、それがいかに醜い行為か見せつけられてきたから。
同時に、今目の前にいて私を頼っている人に対しては、できる限りのことを精一杯してあげようと思う。若い人なら、私と離れたあと、どこに出しても恥ずかしくない人材に育てておきたい。ふり返ってみると、私も多くの人にそうやって育ててもらってきた。今まで自分にかかわったすべての人に感謝している。(9/1)
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<温かい手紙>
この2日間連続で、ささやかな寄付で面倒を見させてもらっている子どもたちから、温かい手書きの手紙を受け取った。一人は、フォスター・ペアレントになっているエルサルバドルの少年。「ぼくたちの地域には、犬と猫と鶏と木と、それに電気と水があります」と書いてあった。ちょっと破れた、ディズニーのシールが貼ってある。親が離婚して、父親と会っていないようだ。立派な大人になってほしい。
もう一通は、あしなが育英会の北海道の高校生から。「数学の先生になりたいと思っています。最終的には、ノーベル賞を取りたいです。どうかいつまでも、ぼくたちのことを見守ってください」とある。I.M.君、返事には書いていないけれど、私はもっとお金持ちになりたくなってきた。宝くじが当たってもいい。もっと君たちの夢に協力できるからだ。(9/1)
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誰にでも進みたい道はある
可能性がある
数えきれないほどの道があっても
それが必ずしも通れるとはかぎらない
さまざまな理由で
あきらめなくてはならないこともある
けれど 家族の努力と 友の助けと
そしてあなたの心のやさしさのおかげで
夢を追い続けることができる
どんな困難な道でも
あきらめず歩むことができる
そしてまた新たに道が開ける
可能性が広がる
山本萌子(高2) あしなが育英会の絵葉書より
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<出版のカリスマ>
NHKテレビ「私はあきらめない」で、ユニークな出版社として注目されている、幻冬社の見城徹氏が出演した。35分間、心を打たれっぱなし。若い頃からの劣等感を武器に、大手出版社でトップ編集者として名を上げ、独立。経営者としての心労をかかえたまま、仕事に没頭しすぎて、仮面性うつ病に。しかし、有名な作家の書下ろしを一気に6冊刊行するなど、出版業界の常識を覆して(私好みだ)大成功。
印象的だったのが、「作家という人種は、書くことによってしか救われない」という言葉。作家志望だった見城氏は、それを本物の男たちに感じ取って夢を断念、編集者の道を歩みはじめた。たしかに、文章を書く者は多かれ少なかれ、書かずにはいられない「悲しみ」のようなものを背負って生きている。
尾崎豊の「誰かのクラクション」を出版したときのエピソード。街角のレコード屋で流れていた「シェリー」を聞いて、なんという深い悲しみを歌っているのだと感動した。そして毎日のように尾崎の歌を聞きまくり、尾崎自身の気持ちになりきってから、本人に執筆を直訴したそうだ。尾崎は「見城さんと仕事がしたい」と言った。「シェリー」は、私が自分の娘の名をつけたほどの歌。この話には震えた。(9/4)
*****
<末続選手の忍者走り>
世界陸上の200メートルで銅メダルを獲得した末続慎吾選手が、桑田真澄投手を復活させたことで有名になった武術家、甲野善紀氏の技「なんば走り」を使っていたことを知って、やはりそうかと納得した。通称「忍者走り」で、日本人古来の「ねじらない、ためない、うねらない」身体の使い方である。
格闘技でもそうだが、いくら日本人が体を鍛えても、パワーやスピードでは外国人たちにはかなわない。スポーツの常識から外れていても、日本人に合った動きを研究すべきだろう。その答を見せてくれる武術家の一人として、甲野氏が今、大きな注目を浴びている。
さっそく甲野氏が指導して全国入賞した、桐朋高校バスケットボール部の練習法を公開したビデオ「バスケットボール革命」と、甲野氏自身の技を解説したビデオ「古武術による発想の転換」を購入。その内容にはとても驚かされた。今まで教わってきた理論と、まったく逆である。武道をやっていくうえで、ものすごく大きな気づきを得ることができた。
末続選手は、スポーツに不利といわれる偏平足(ただし鍛えられて足底筋が発達したもの)だ。腹筋1日2000回。恋人の渋井陽子選手とデートしているときも、つい腹筋をしてしまうとか。銅メダルの感想を聞かれて、「この喜びを両親に伝えたい」とコメントしたそうだ。両親は離婚して、父親は去年亡くなったという。その状況で両親に感謝するとは、できた男だ。昔の悲壮な表情をした日本人選手と違って、表情も言葉も明るい。私もファンになった。(9/5)
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<娘>
夏休みをはさんで、久しぶりに、小学校へ通う娘の姿を見かけた。3ヶ月前の誕生日に、プレゼントといっしょに元妻と再婚相手に手紙を書いたが、初めてきた返事はやはり「会わせることはできない」の一点張り。シェリー、少し背が伸びたな。(9/5)
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<雑草>
学校(職場)での清掃時間、私は中庭を担当している。新しい校舎の芝生にはえた雑草を抜いていくのだが、今日は作業をしながら、ふと考え込んでしまった。「雑草」って、いったい誰が決めたんだろう。どれも同じ「植物」のはずだが、人間が自分たちの都合で勝手に差別しているだけではないだろうか。そう思いはじめると、なんとなく気になりはじめて、草をむしれなくなってしまった。
少なくとも、人間に対しては「雑草」的な発想をしてはならない。(9/5)
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<インボディ>
ここしばらくは本の執筆が続いていたので、久しぶりにジムに行ってトレーニング。1時間のエアロバイクとランニングマシンだけで、滝のように汗が流れた。やはり暑くて出る汗と、運動の汗では質が違うことを実感。
今日は「インボディ」という体成分分析装置で、現在の体の質を細かく分析してもらった。乗るだけで、スリーサイズから脂肪の厚さまで全部わかってしまう。運動不足気味なので期待していなかったが、まあまあの数値が出た。
「筋肉質に近い理想体型」で、総合評価はアスリートレベル。体水分量・淡白質・脂肪(体脂肪率14%)ともに標準で、体の上下・左右のバランスも「最良」だった。理想とはほど遠いが、なんとか以前の貯金は残っていたようだ。ビジターでもオーケーなので、みなさんも一度試してみることを勧める。(9/7)
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<汝の立つ処>
今書いている原稿を終わらせたら、秋からはのんびりしようと思っていたところ、また別の出版社から原稿の依頼があった。やはり、常に忙しいのは宿命か?定年後も、趣味や頼まれ事に飛び回っている両親を見ていると、これも「血」なのかと思ってしまう。
父曰く、「この不景気に次々と仕事が舞い込んでくるのは、ありがたいことだと思え」。母曰く、「そんな若いうちからゆっくりしようなんて、考えが甘い」。生き方を見習っている小林正観さん曰く、「頼まれ事はことわならない。風が吹いて流れがあるなら、それに乗れば人生はおもしろい方向に展開する」。
テレビをつけると、たまたま憧れの片岡鶴太郎さんが書を書いていた。「汝の立つ処深く掘れ そこに必ず泉あり」。
「すごく好きな言葉なんですよね。今自分が立っている場所、つまり自分が置かれている状況の中で、今日、今この瞬間、そこに精一杯全身全霊を傾けてやるしかない。そんな思いで書いてみました」
こんな偶然があるだろうか?これはシンクロニシティ(意味のある偶然)だろう。風と流れに乗ろう。それが「風流」な生き方だし(笑)。(9/8)
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<女性週刊誌の記事より>
喫茶店に行くと、たまに女性雑誌に目を通す。大量のダイエット広告に紛れて、すばらしい記事を見つけるのも道楽のひとつだ。今日もいくつか発見。覚悟のできた、知的な女性はすばらしい。
世界的な登山家、田部井淳子さんの言葉。
「山をやっている人は、いつも心構えをしているものです。お互い何かあったとき、葬式はどうするか、連絡はどうするか。そういう心構えがあるから、もし何かあっても髪もふり乱さず平然と冷静にしていられるものですよ」
作家の曽野綾子さん。
「小学生を次々と殺害した宅間被告に死刑が宣告されましたが、死刑廃止論者は今なぜ黙っているのですか。今こそ死刑廃止論者の信念が問われます。自分が非難されないときだけ声をあげるというのは、まったくのご都合主義です」
「死刑はある意味、犯罪の抑制力になりますが、私は死刑賛成とも言い切れない。わからないんです。死刑反対論者は、今こそ論拠を示し、教えてほしい」(9/10)
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<世界柔道>
宮崎が誇る世界最強の柔道家、井上康生が3連覇、またしても金メダルを獲得。常に一本勝ちを狙い、「第三者(審判)に下駄を預けるような勝負はしない」と言い切る。判定勝ちは自分の柔道ではない、と。藤原紀香との対談で約束した「優勝したら投げキッス」も実行して、心の余裕を感じた。
しかし、今日印象に残ったのは、100キロ超級の棟田康幸の試合。身長わずか170センチである。そんな体で、世界のゴリラみたいな大男とやりあっているわけだ。今日はあわやポイント差で負けるか、という状況が多かった。残り時間わずかで逃げ切ろうとする相手に指導があり、運良く勝ってしまう展開が続いて金メダル。
本人は試合内容に納得がいっていないようだったが、この「運」が実力の一部なのだ。相手は図体がデカイくせに時間稼ぎをして、内容よりも勝ちを狙って墓穴を掘った。棟田は最後まで淡々と勝つための柔道をしていた。その態度が幸運を呼び寄せたように見えた。(9/11)
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<達人セミナー>
「第3回英語教育達人セミナーin宮崎」、今回も大成功に終わった。講師の謝礼ゼロ、運営はすべてボランティア。自画自賛になるが、こんなイベントを続けられる団体は他にはないだろう。
私のことを「すごい」と言ってくれる人がいるが、もし本当に思っていただけるなら、そう見えるのは私がおつき合いさせていただいている全国の人たちが「すごい」からに違いない。今日は、メルマガに書いた原稿を転記する。(9/14)
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宮崎の達セミには、ちょっとした特徴があります。
(1)女子大生たちが運営および司会進行。
(2)講師の先生はベンツで送迎。
いくつかの偶然が重なって、このパターンが確立してしまいました。
申し遅れましたが、宮崎の陰の実行委員、中元です。
おかげさまで、今回も大いに盛り上がりました。
谷口幸夫先生のハリー・ポッターのDVDを使った対話練習(おもしろい!)、井ノ森高詩先生の「和訳先渡しの授業」(衝撃!)、池岡慎先生「Autonomous Learnerの育成」(感動!)。
いずれも「目からウロコ」の連続でした。
宮崎在住の教師が達セミ講師を務めるのも、今回が初めてです。
宮崎西高校の井川原・カルロス・浩文先生は、達セミで学んだテクニックをいかに日頃の授業で応用しているか、指導案にまとめて発表してくれました。
「実際に私はこう変わった」という事例報告も、今後取り入れようかと考えています。
宮崎商業高校の野崎成文先生は、「英語三拍子論」を使っての基本構文の暗唱テクニック。
野崎先生は来年、三修社からダジャレを利用した上級英単語暗記法の本「Puntasy World」を出される予定です。
さすが達セミin宮崎皆勤賞、期待以上のパフォーマンスに参加者も大満足でした。
井川原先生も野崎先生も英検1級取得者、達セミ講師はレベルが高いです。
セミナーの内容は、言うまでもなく毎回ダントツなものばかりです。
今回別の意味で印象に残ったのは、谷口先生の「力の抜けた生き方」でした。
私は各分野の達人のライフスタイル研究家なので、実は以前から注目していたのです。
年間を通して、週末にあれだけ全国を飛び回っておられるのに、ほとんど疲れた様子が見られません。
大学院も卒業されたし、メルマガまで出していて、普通の人にはちょっと真似のできない仕事量だと思います。
何よりも、あれだけの著名な達人たちを連れてくる人脈のすごさには脱帽です。
しかしよく観察していると、たまに達セミ会場に姿が見えなかったりします(笑)。
女子大生の目撃証言によると、地元の温泉の水質調査に出向かれた、キャンパス(会場は宮崎国際大学)のベンチで寝転んでいたなど、さまざまな怪情報?が飛び交っているようです。
私の尊敬するアントニオ猪木氏が、その精力的な活動の秘訣を聞かれて「オレは力の抜きどころを知ってるから」言っていたのを思い出しました。
達セミ宮崎は今回3回目ですが、いずれも参加者の満足度は100%以上です。
各種セミナーの相場を知っている人たちからは、参加費が安い、講師1人につき3000円でも惜しくないとよく言われます。
「午前中だけでモトがとれた」などの感想も、たくさん寄せられています。
私も同感です。
井ノ森先生も「イケシン」先生もそうですが、達セミ講師はみなあまりにも気前がよすぎます。
そんなに企業秘密を公開しちゃっていいの?という感じです。
資料もじゃんじゃんくれて、メールアドレスも公開。
英語教師以前に、人間として見習いたいと思いました。
谷口先生に同じことを言っても、「ペイ・フォワードですよ、ペイ・フォワード」。
あの映画には私も大きな気づきを得られましたが、たしかに達セミはペイ・フォワードを地でいっていますね。
谷口先生がいつも会場で「達セミは人間関係だけで成り立っています」と言われますが、まさにその通りだと思います。
宮崎の実行委員および参加者一同、次回も心よりお待ちしています!
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<次の山へ>
もう29日か、と驚いている。今月は毎日のように、東の空に火星を見ながら眠りにおちて、早朝、西の山に同じ火星が沈む頃に目を覚まして原稿を書いた。夜景の名残りから、朝焼けに照らされる街は美しかった。親友で関西外国語短大助教授の宮野智靖氏に励まされながら、黙々と書き続けた日々だった。
そして昨日、とうとう今年2冊目の本の原稿を書き終えた。見開き2ページ×100項目、つまり200ページの日本一やさしい英文法の解説原稿だ。書名は「なるほどガッテン!英文法〜目からウロコの超簡単レクチャー100」(三修社)になる予定。17年間の英語教師の経験から生まれた、私の自信作だ。昨夜は達人セミナーの打上げも兼ねて、宮崎で最高のテンダーロインステーキで祝杯を上げた。
気がつくと、すっかり秋らしくなっていた。毎年書いているが、一年間でいちばん好きな季節だ。次は年末までに、英検CD-ROMの作成。一つ山を越えると、また次の山が見えてくる。これが今自分に与えられた人生の時期だと思って、先手先手で頑張っている。すべては自分の人生のテーマ「成長と貢献」のため。(9/29)