心の歌
川柳と和歌
俳句は好きだが季語がいる。自分が作る時になかなか…である。川柳がいい。洒脱なのはうまい人にまかせて素直な句ならできる。

これまで句会は、どっかに集まり選者のもとでやった。ホ―ムぺージを活用して、自分の家で投稿できるようになれば…と考えた。パソコン時代の川柳と和歌である。「ひろりん」「啓輔」「利忠」の三人です。

四月中旬までを冬・春の編とし、今度は四月中旬からを初夏の編として新たに登場します。

○ 夕焼けも 次第に 遅くなりゆきし 春色薄く 霞みてゆくや
        啓 輔

○ 散会し 家路につきて 酔醒めて 一人机に依り 淋しさ笑う       啓 輔

○ 藤色の 袴なつかし 年上の 女人の姿 眼に鮮やかに          啓 輔

○ 友きたる 中学よりの生き残り 集いて淋し 亡き友偲び
          啓 輔

○ 花散りて 青葉茂れる 刻もすぐ 流るる時の 早きことなり      
  啓 輔


○ 今日見らば 花のみならず若葉まで 混じりて春を一人占めしおり
    啓 輔

○ 寒き春 花の盛りも短くて 次々変わる 咲くや散るやと           啓 輔

○ 恋人は 遠くに在りて 想うもの 今も変わらぬ あの姿なり         啓 輔

○ かなだけの 日本語なるは 呪文なり 要の所 漢字が欲しや       啓 輔

○ 色々と 往きたき所 多々あれど 画に見る春で 我慢しおり        啓 輔


○ 婆の 周りに集い 子供等はお化け河童の 話せがみし        啓 輔

 年毎に 数の減りゆく年賀状 空とわかりた 受けを見にゆく        啓 輔

○ たまさかに 知りたる歌を大声で 歌いし後は 心伸びやか        啓 輔 

 寒椿 寒梅と共 仲よくに 揃ひて咲きし 寒さの中で             啓 輔 

○ 春雨の そぼ降りて花艶きし 見映え変りて 更に美し           啓 輔


○ 蝶舞うを 幼児 手延べ 初歩き                         啓 輔

○ 炬燵出し 丸くなりつつ呟きぬ 冬来たりなば 春遠からじ         啓 輔

○ 七草の 粥を食ぶれば 寒さ緩みて 春の味かな               啓 輔

○ 杖を突き よろばい歩む 吾を見て黙って近寄り 肩出す子あり      啓 輔

○ 冬五輪 紙面騒がす 小見出し 写真大きく 記事はさまざま       啓 輔


 風邪ひきて 四十年ぶり医者行けば お前が風邪か つぶやく如く    啓 輔

○ 年取らば 風邪と戯むる こと憶え 若き時より よく遊びおり       啓 輔

○ 春雨の 敷きおりた地に 桜花 風に吹かるや また舞いはじむ     啓 輔

○ 都より 友帰り来て 宴なり 楽しき刻の 足の疼きよ  
          啓 輔

○ 花粉舞う マスク美人は 目は虚ろ                        利 忠

○ 花粉症 クシャミ連発 春を呼ぶ                          利 忠

○ 日向灘 初日を呼え ひと眠り                           利 忠

○ 木枯しが ご近所のゴミ 置いていく                        利 忠

○ お隣の奥さん 持ってきてくれた 回覧板と水仙の花             利 忠

○ 菜の花が 寝坊している 春おこす                        利 忠

○ 庭師でも 先生になる 趣味時代                         ひろりん

○ 番傘は 男がさして 似合ってる                         ひろりん

○ ぬれてゆく あいあい傘は 貴方とよ                      ひろりん

○ 休憩に そっと近寄る すきなひと                        ひろりん

○ 誕生日 ヘルパーの声 ちと嬉し                         ひろりん


○ シャッターを 切るスピードで 笑顔とる                     ひろりん

○ 酔いさめて 見ればすべて 駄作なり                      ひろりん

○ 春の土手 つくしが光る 風そよぐ                        ひろりん

○ 青島で フラの踊りで 初日の出                         ひろりん