<6歳の誕生日>
シェリー。
お誕生日おめでとう!
今日で6歳になったね。
パパにとっても、人生で初めて父親になった特別な日だ。
パパは今日ずっと、君が生まれた日のことを思い出していたよ。
まるで昨日のことのように、今でもはっきりと覚えている。
病院中に響きわたる、大きな泣き声。
不思議そうな顔でパパを見ていたかわいい目。
パパの指を握りしめる、小さな手。
もうすぐ午前0時。
君の6回めの誕生日も、そろそろ終わりを告げようとしている。
パパは今年も一人の部屋でお祝いしたよ。
尾崎豊の「シェリー」を聴きながら、新しいワインの栓を抜いて、「かれん」のケーキを食べて。
去年と何も変わっていないけれど、今年の誕生日も声さえ聞かせてもらえなかったけど、なぜか去年ほど寂しくはなかった。
君も少しずつ成長して、言葉で気持ちを伝え合うことができるようになったからかもしれないね。
来年は、また今年とは少し違う気持ちだろう。
次の年、そしてまた次の年と、時間がたつにつれて、パパとシェリーの関係も少しずつ変わってくいくのだろう。
ずっと仲良くやっていけるといいね。
もう君は眠っているだろうね(君の寝顔はもうずっと見ることはないのだろうか)。
6月16日になったよ。
また君にとって新しい一年の始まりだ。
パパもがんばるからね。
おやすみ、シェリー。
(2000/6/15)