<もうすぐ誕生日>

シェリー。

最近は君に会うたびに、こうして手紙を書くようになった。
今日の面会は午前中。
ママと新しいお父さんの見ている前で、2時間だけ公園で遊ぶという条件だ。

「公園で遊ぶのはもういい。パパの家に行って、ゆっくりお泊まりしたい」
という君の願いをかなえるために、パパもいろいろと頑張っている。
もう少し待っていてほしい。

もうすぐ6月15日。
君の6歳の誕生日だね。
来年はとうとう、小学生だ。

入学式、見てみたいなあ。
ランドセルを背負った君の姿!
赤ちゃんだった頃のことを思い出すと、なんとなく不思議な感じがする。

ずっと先のことだけど、小学校、中学校、高校、大学と、入学式と卒業式をくり返して、就職して、そして結婚式…。
大人になっていく娘の、人生の節目の行事に親として参列できないのは、本当の父親としては実に残念なことだ。

「少し早いけど、誕生日のプレゼント、何がいい?」
と聞くと、
「マクドナルドのハッピーセット!」

チーズバーガー、おいしかったね。
パパからもらったものは、持って帰らないんだね。
おまけの小さなぬいぐるみさえ置いていった、幼い君の気づかいを思うと、パパはとても複雑な気持ちになる。

宮崎は、もうずいぶん暑くなってきた。
あっという間に夏が来るよ。

夏までに、何回か君に会えるかな。
ひょっとすると、1回も会えないのかもしれない。
でも、たった2時間では、君の大好きなオーシャンドームにさえ行けない。
今のパパには時間がたくさんあるのに、いちばん大切な君のために使えないなんてね。

じゃあ、また会おうね。
いつも明るくて元気なシェリーへ。

(2000/5/13)

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