<君が生まれたときは…>

シェリー。

君の書いた詩を読んだ。
県の文集「ともだち」で、優秀賞を取ったんだね。

*****

(優秀賞)
「妹が生まれたときは…」

妹が生まれたときは大変だった
夜中にねていておこされた
しずかな夜が大さわぎ
病院行って見てみたら
小さい女の子がいた
びっくりして、名前わすれちゃった
お父さんたらカメラわすれてた

妹が生まれたときは大変だった
でもかわいいな
このいっしゅんでねむけふっとぶ
生まれたばかりは
さる顔だし、しわくちゃだ
私もこんなふうだったのかな?
ちびな妹、大きくなあれ!

*****

びっくりしたよ。
パパが君と同じくらいのとき、やっぱり妹のことを作文に書いて、優秀賞をもらったんだ。
校内放送で読んだんだよ。

文章を書くのは好きなのかな?
やっぱりパパの娘だね。
パパのおばあちゃん(シェリーのひいおばあちゃん)も文章のうまい人で、「文学おばあちゃん」って有名だったんだよ。

「私もこんなふうだったのかな?」
うん、そうだったんだよ。
パパはママにずっとつき添って、君が生まれてくる瞬間を見ていた。

生まれて初めての大きな泣き声、今でもはっきりと覚えているよ。
頑張ったママと同じくらい真っ赤な顔をして、君はパパを不思議そうに見つめていた。
表情のはっきりしている、賢そうな赤ちゃんだった。

パパは涙があふれてきて、止まらなかった。
ママに「シェリーを生んでくれて、ありがとう」。
シェリーに「ぼくたち夫婦のところに生まれてきてくれて、ありがとう」

君とママと、お父さんと妹が、幸せそうで本当によかった。
パパはちょっと遠くから、いつも見守っているよ。

(2005/3/8)

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