<あなたならどうする?>

このお話、「大岡裁き」としてけっこう知られているようですが、ちょっと考えさせられました。
ある子どもをめぐって、2人の女性が「私こそ本当の母親だ」と主張し譲らない。
そこで大岡越前は、「母親なら子どもを失いたくないはずだから、力づくで連れていくがよい」と言う。

2人は子どもの手を引っ張って奪い合うのだが、ついに一方の女が手を離してしまう。
子どもを得て勝ち誇った様子の女に、大岡はひとこと。
「おまえは本当の母親ではない。あちらこそが本物だ」

つまり、本当の母親なら、両側から手を引っ張られて痛がる子どもが可哀想になって、つい手を離してしまうはずだというのです。
なるほど。

そこで私は、ふと思ったのです。
それならもし、離婚した父母が同じような状況に立たされた場合、いったいどちらがどうするのか、と。

どちらも子どもを深く愛している。
子どもといっしょに暮らしたい。
しかし、どちらかが譲らないことには、子どもの手はやがてちぎれてしまう。
心が壊れてしまう、としたら…。

泣く泣く子どもの手を離してしまった自分が、正しかったのか、まちがっていたのか、いまだに心の整理がつきません。
あなたならどうしますか?

(2000/4/7)

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