<ライフ・イズ・ビューティフル>
私の置かれている状況をよく知る友人から、「子どもを愛する父親なら、絶対に見るべき!」と勧められたのですが、あまり期待せずに見ました。
結果は、ラストシーンで感動して、「ミセス・ダウト」のときと同じくらい泣けました。
愛する息子とともにドイツ軍に捕らえられた父親が、同じユダヤ人の仲間が次々にガス室で虐殺されていく中で、「これは戦争ゲームなんだよ。敵に見つからなかったら、ごほうびに戦車がもらえるんだ」などと、最後の最後まで幼い息子に不安や恐怖感を与えない、という話の流れ。
自分が銃殺される直前まで、隠れている息子にウインクをし、おどけた歩き方で笑わせる。
父親の必死な努力のおかげで、とうとう息子の命は助かった。
そして成長した息子は、自分の父親が命とひきかえに自分を生かしてくれたのだと気づく。
死んでしまってものも言えないのに、父親の愛情は子どもに伝わったのです。
会えなくても、子どもは父親が自分を愛してくれていたことを知ったのです。
私は、離れて暮らしている娘を心から愛しています。
だからこそ、離婚で傷つけてしまった娘をこれ以上不安にさせないために、できる限りの努力を続けてきました。
「離婚したこと自体、親の資格はない」と言われればそれまでですが…。
中でも細心の注意を払っているのが、絶対に娘に対して前妻の悪口を言わないこと。
母親を否定するということは、子どもに流れている血の半分を否定するのと同じことだからです。
この映画を見て、さらにその思いが強まりました。
もちろん、映画はフィクションです。
しかし、愛は必ず伝わる、私が娘を愛しているかぎり、その気持ちはいつか必ず伝わるのだと、この映画は私を励ましてくれました。
(2000/3/22)