<ミセス・ダウト>

ロビン・ウィリアムス主演の映画ですが、コメディなのに、離婚した人やその子どもが見ると、どうしても泣いてしまうようです。
体験によって、同じものに対する見方がまったく代わってしまういい例でしょう。
私も最後の場面では涙が出て止まりませんでした。
離婚率が60%を越えるカリフォルニアが舞台です。

キャリア・ウーマンの妻は、子煩悩だが職をクビになった夫に我慢ができず、ついに離婚。
子どもたちは母親が引き取るが、家庭裁判所の調停により、親権の決定は3ヶ月後。
その間、父親は元妻が家政婦を探していることを知り、子どもたちに会うために老婆ミセス・ダウトに変装して、家政婦として雇われる。
最終的に親権は母親に決まり、子どもに会えなくなった父親は、ミセス・ダウトの姿でテレビの人気者となる。

ハッピーエンドというわけではなく、現実的な結末なのですが、子ども向けのテレビ番組の悩み相談で、親が離婚しそうな子どもの相談に答えて言うセリフがいい。
その番組を、彼の子どもたちも見ているのです。
少し長いですが、私の日本語訳で引用します。

「パパとママは、怒っているときには、いっしょに住まないほうが仲よくできることがあるのよ。
そうすれば、いつもケンカばかりしなくていいし、あなたにとってずっといいパパとママでいられるから。
またいつか元に戻ることだってあるの。
そして、そうじゃないこともね。
でも、もしそうじゃなくても、あなたは何も悪くないのよ。
パパとママが愛し合わなくなったからといって、あなたを愛していないということではないのだから」

「世の中には、いろいろな家族がいるのよ。
ママしかいない家族、パパだけの家族、…パパとママが2人ずついる家族もね。
おじさんやおばさんと暮らしている子どももいるし、おじいさん、おばあさんと暮らしていたり、里親と暮らしている子どももいるわ。
遠く離れた場所に住んでいて、何日も、何週間も、何ヶ月も、いいえ、何年間も会えないことだってあるのよ」

「でもね、もし愛があれば、あなたたちはつながっているのよ。
そしてあなたの心の中には、いつまでもずっと家族があるの。
(But if there's love, dear, those are the ties to bind. And you'll have a family forever.)
何も心配することはないわ」

私が心の底から愛する、この世でたった1人の娘に、上の言葉をそのまま贈ります。
I love you from the bottom of my heart, Shelly.

(2000/3/15)

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