コロンビア大学の研究がアマルガムの安全性を証明
(ADA News、Vol.33, No22, December 2OO2)


 科学雑誌(Environmental Health Perspective] に掲載された新しい研究は、歯科用アマルガムが認識および精巧な運動機能などの神経精神能力に影響を与えることはないと結論している。

この雑誌は査読制度をもち、国立衛生研究所から出版されている。『健康な就労成人からの試料では、歯のアマルガム充填から溶出した水銀暴露は認識および精巧な運動機能のいかなる検出可能な欠落とも関係しない』とコロンビア大学公衆衛生学部の研究者が書いている。『暴露の測定値は神経精神能力試験のスコアとはまったく関係がなかった』。研究者は10歯以上アマルガム充填を有する550人の成人を無作為的に解析した。被験者は一連の神経精神能力試験、質問表による調査、口腔内診査を受け、血液と尿の採取も行った。尿中の水銀の濃度は極めて低く、アマルガム充填歯の数と関係なく、被験者間に差異をみとめることはできなかった。

この研究チームのリーダーである Pam Factor Litvak 先生は『アマルガムからの水銀の暴露か極めて低い値であったことは大変重要である』という。『アマルガム充填が30〜40もある被験者でも、尿中の水銀の平均濃度は1gのクレアチニンに対して3μg以下であり、極めて低い』。さらに、言語記憶および非言語記憶についての被験者の能力、注意力、精神運動スピード、精巧な運動協調は尿中の水銀濃度とは関係かなかった。 『30歳から49歳の健康な就労成人では、歯科用アマルガムからの水銀と精神神経学的な機能領域との間に有害な関連はなかった』ということであると、Factor-Litvak先生は述べている。

『意義深いことは、健康なひとに歯科用アマルガムによる精神神経学的に有害な影響が見られなかったことである。水銀が非常に微量にしか溶出しないアマルガムは害がない』と彼女は追加している。『結論は、歯科用アマルガム充填のみでは標準化された一連の試験についての運動能力に影響を与えなかったことである』と『Environmental Health Perspective』の編集長であるJim Burkhart先生は話している。