幸福(シアワセ)

 

心の奥でずっと叫び続けている言葉 シアワセ

どんなものか解らないまま 少女の頃からずっと

シアワセ シアワセ 

大人になればシアワセになれると素直に信じていた

何故なれるのかも解らないまま幼い心で

 

心の奥でいつも叫んでいた シアワセ

シアワセを頂戴 シアワセを頂戴

でもどんなもの? でもどんなもの?

少女の心は薄い桃色がシアワセの色だと思っていた

何故薄い桃色なのか解らないまま

 

心の奥でいつも叫んでいた シアワセ

シアワセにして シアワセにして

でも誰が? でもどんな風に?

心の叫びはひたむきで 胸が張り裂けそうで

恋する頃を迎えたとき 言葉にして誰かに告げたいと

 

とびっきりでなくても 大当たりでなくても

向かい合った食卓で同じ物を「美味しい」と

何となく見つめながら微笑み合えたら

それで充分 そんな風になりたい

シアワセが何か知った今でも消えない言葉


 

心の奥で祈る様に叫んでいる シアワセ

シアワセになって シアワセになって

大切な人にシアワセになって欲しい

とびっきりでなくても 大当たりでなくても

温もりを感じていられる日々であって欲しいと

 
  054/5 峰 響子


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